機能する有効成分~アミノ酸(たんぱく質)と脂肪酸

  

アミノ酸と脂肪酸

たんぱく質-アミノ酸
必須アミノ酸
イソロイシン | ロイシン
トレオニン | メチオニン
ヒスチジン | リジン
トリプトファン | バリン
フェニルアラニン
その他のアミノ酸・たんぱく質
グリシニン | コラーゲン
カゼイン | アルギニン
グリシン | シスチン
エリタデニン | チロシン
タウリン | アスパラギン酸
ペプチド
うま味成分のあるアミノ酸
ベタイン | テアニン
グルタミン酸
脂質-脂肪酸
脂肪酸
α-リノレン酸
DHA / ドコサヘキサエン酸 | I PA / EPA
リノール酸
アラキドン酸 | Γ-リノレン酸
オレイン酸 | パルミトレイン酸
ステアリン酸
脂質
レシチン


amino acid

イソロイシン (isoleucine)

必須アミノ酸のひとつ。
肝機能や筋肉の強化、成長促進、神経機能の補助、血管拡張、などの作用に関与しています。
イソロイシンが多い食材は肉類、魚、乳製品など。

ロイシン (leucine)

必須アミノ酸のひとつ。
筋肉の強化、肝機能を高める、などの役にたっています。あらゆる食品に広く分布していますので、不足することありません。

トレオニン (threonine)

「スレオニン」と表記されているケースが多いです。
必須アミノ酸のひとつ。
肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になるのを防ぎ、成長促進にも関与しています。不足すると成長を阻害し、食欲不振、貧血などを招きます。動物性たんぱく質に多いので野菜中心だと不足しがち。

メチオニン (methionine)

必須アミノ酸のひとつ。 怪我などで血中のヒスタミン濃度が上がるとその濃度を下げる働きがあります。また、抗うつの効果もあり、肝臓のアルコール分解を助ける働きもしますので、酒飲みには、肝臓疾患予防のために大切な栄養素。
野菜、肉、果物を中心に幅広い食品に含まれてます。

ヒスチジン (histidine)

必須アミノ酸のひとつ。
成人は体内で合成できるので、必須アミノ酸に含まない見方もありますが、体内合成できない子どもの成長には不可欠の栄養素です。すこやかな成長に関与し、神経機能の補助にも役立っています。
分解されるとヒスタミンになって発疹などのアレルギーを発症させる成分でもあります。(サバのアレルギーなど)
牛乳、チーズ、牛肉、鶏肉、赤身の魚などに多く含まれています。

リジン (lysine)

必須アミノ酸のひとつ。
カルシウムの吸収や肝機能を高める効果があり、ブドウ糖の代謝も促進、体組織を修復する作用もし、成長にも関与している栄養素です。
肉、魚など動物性たんぱく質に多く含まれますが、豆類にも豊富です。

トリプトファン (Tryptophan)

必須アミノ酸のひとつ。
適量だと神経を落ち着かせる作用がありますが、過剰に摂ると肝硬変になるといわれます。
あらゆる食品に含まれておりますが微量なので、食事による取り過ぎの心配は殆どなく、また必要量も微量であるため通常の食事で不足することもありません。

バリン (valine)

必須アミノ酸のひとつ。
成長に関与しているアミノ酸で、血液中の窒素バランスの調整にも関わっています。
多くの食品に含まれているので、不足することはありません。

フェニルアラニン (phenylalanine)

必須アミノ酸のひとつ。
神経の伝達に関与していて、血圧を下げる働きもしています。
牛乳、卵、肉などに多く含まれています。

グリシニン (glycinin)

品質の高さで知られるタンパク質のひとつ。
ダイズに含まれており、大豆タンパクの半分から80%を占めるとされます。
血中のコレステロール濃度を下げるはたらきがあり、中性脂肪やインスリンの血中濃度を下げる作用も知られ、高血圧・動脈硬化の予防になり、肥満と糖尿病の予防にも効果があります。

コラーゲン (Collagen)

動物の結合組織に含まれるたんぱく質。
ヒトの場合、体内の全タンパク質のほぼ30%を占める。 皮膚、腱、骨、目、血管などを健常に保っているほか、細胞の増殖や分化にも関与しています。

食肉の皮・軟骨・骨・筋に含まれ、魚では、うなぎ、さけ、かれい、ふぐ、などの皮に多くみられます。 加熱するとゼラチンになり、ゼラチン商品の原料に使われるほか、医薬品や化粧品など幅広く利用されていまけども、サプリメントや美容に関してはハッキリと効果が確認されているわけではありません。

また、コラーゲンを食物繊維の一つに分類する場合もあります。

カゼイン (casein)

タンパク質のひとつ。
栄養価が高く、カルシウム吸収を良くするはたらきがあります。
栄養剤、カルシウム補給のためのサプリメントとして、また、安定化剤としても利用されています。
乳製品に多く含まれています。

アルギニン (arginine)

アミノ酸のひとつ。
脂質の代謝を促し、筋肉を強化する働きがあり、成長ホルモンや尿の合成に関与しており、男性の精子数の増加にも関係しています。
肉類、牛乳、豆類、エビなどに多く含まれます。

グリシン (gulycin)

アミノ酸のひとつ。
細菌の増殖を抑制する働きをし、抗酸化物質としての機能もあります。また、質の良い睡眠に効果があるともいわれます。
動物性たんぱく質、とくにゼラチンに多く含まれていて、水に溶けやすく甘味のあるアミノ酸。

シスチン (cystine)

アミノ酸のひとつ。
ブドウ糖の代謝に作用し、傷を治す作用の補助もします。代謝のさいにイオウをだし、喫煙、飲酒などによる活性酸素から保護してくれる働きもします。
肉類、乳製品、小麦粉などに多く含まれます。

エリタデニン (eritadenine)

アミノ酸のひとつ。
シイタケ、マッシュルームに含まれるアミノ酸で、血中の過剰なコレステロールを体外に排泄する働きがあります。

チロシン (tyrosine)

アミノ酸のひとつ。
皮膚や髪のメラニン色素の原料になり、神経伝達物質のアドレナリン、ドーパミン、ノルエピネ、プリンの原料にも、物質代射をコントロールする甲状腺ホルモンなります。精神安定の役割をしているものと思われるアミノ酸。

食材関連では、パルメザンチーズや納豆やタケノコの水煮にみられる白く濁ったザラザラの固形物がチロシン。リンゴを変色させる原因物質でもあります。白いザラザラ(チロシン)を食べても害はありません。

タウリン (Taurine)

アミノ酸の一種。
体の様々な機能を正常に保つ効果があり、血圧、コレステロール、血糖値、肝機能、心臓の機能、などの安定化に作用します。
神経伝達物質として交感神経の働きを抑制したり、目の新陳代謝を促進したり、細胞再生にも関与する、驚くべき万能機能性をもっています。

タコやイカに非常に多く含まれていまして、干しスルメの表面吹き出した白いものがタウリンです。その他、マグロ、サバ、サンマ、アサリ、シジミ、アマエビなど海産物に多く含まれます。

アスパラギン酸 (aspartic acid)

アミノ酸のひとつ。
神経伝達の原料になるほか、有害なアンモニアの排出(利尿効果)、窒素代謝、エネルギー代謝に関与します。
疲労回復に必要なカリウムやマグネシウムの吸収を助け、疲労物質である乳酸の燃焼を促進してエネルギーに変換するなど、疲労回復に効果があります。

アスパラガスから発見されたアミノ酸であることからの名称ですが、アスパラのほか、竹の子、うど、豆類、サトウダイコンやサトウキビなどにも含まれます。

ペプチド (peptide)

2個以上のアミノ酸がペプチド結合によってできたもの。結合が2個なら「ジペプチド」、3個なら「トリペプチド」、2~10個程度は「オリゴペプチド」、10以上を「ポリペプチド」といいます。

肉、魚、乳製品に含まれるベプチドは血圧上昇を抑える作用があり、グルテンから調製したグルテンペプチドには鎮静作用があります。

ベタイン (betaine)

アミノ酸のひとつ。
血管を丈夫にし、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあるといわれます。
植物(とくにクコ)、魚介類などに広く含まれています。
製品として使われるのは、ビートから分離精製されたものが多いようです。

魚貝類の「旨味」や「風味」を良くする成分として知られ、加えると甘味も増加します。また、塩気や酸味をやわらげる作用もあります。
濃度を高めると腐敗やカビを防止する効果も。
このような性質から、食品添加物、保湿剤など、広い分野で利用されています。

テアニン (L-Theanine)

緑茶などに特有のアミノ酸として知られます。(緑茶の仲間以外でこの成分をもつものは、ある種のキノコだけで、ほぼ緑茶固有の成分です)
中枢神経系に作用して精神を安定させ、カフェインとの相乗効果で集中力や意欲を向上させる効果が。
リラックス効果と、抗ストレス効果、睡眠の質の改善、イライラ、憂鬱、集中力の低下などの改善。こうした効能は実際に研究で確認されたものです。 血圧降下作用、記憶学習能力の向上、制癌剤の増強効果、脳血管障害に対する効果なども報告されています。

テアニンはグルタミン酸の誘導体でもあり、うま味成分としても利用され、さまざまな食品に添加されたり、茶の風味を改善させるため緑茶そのものに加えられることもあります。

グルタミン酸 (glutamic acid)

うま味調味料として知られる食品添加物のグルタミン酸ソーダの原料になるアミノ酸。
アンモニアの毒性を緩和したり、窒素代謝に関与して、利尿効果もあるようです。細胞の柔軟性を維持し、エネルギー代謝にも役立っています。

最大の特徴は脳や神経系統に作用するアミノ酸だということで、興奮性をもつ神経伝達物質の一つであること。
※(アミノ酸系の神経伝達物質は、ほかにGABA(Γ-アミノ酪酸)、グリシン、アスパラギン酸があります)

記憶学習能力に必要である反面、神経毒としての側面を持ち、神経細胞を破壊することも。

個人的見解ですが、こうした作用はアンフェタミン類(覚醒剤)を思わせるものがあり、過剰な使用は習慣性(中毒)を持つのではないかと思っています。

α-リノレン酸 (Alpha-linolenic acid)

ω-3系列の多価不飽和脂肪酸で、食品から摂取しなければならない必須脂肪酸。
がんの抑制、血圧を下げる、血栓の解消作用、などの働きをします。
エゴマ、シソ、キャノーラ、ダイズ、アマなどの緑色が濃い野菜に多く含まれ、他の植物や動物性食品にはほとんど含まれません。α-リノレン酸の必要量は、1日あたり2gとされていますが、エゴマ油、アマニ油、キャノーラ油、大豆油などを使用することでクリアしやすくなります。
摂取したα-リノレン酸の10~15%は、体内でDHA、EPAに変換されます。

ドコサヘキサエン酸 (Docosahexaenoic acid)

通常は略称の「DHA」が使われる。
ω-3系列の多価不飽和脂肪酸で、青魚の脂質の構成成分であり、僅かながら直物油のα-リノレン酸から体内合成もされます。

ヒトの体内では、悪玉コレステロールを減少させて善玉コレステロールを増やし、中性脂肪も減らします。心疾患などの予防になるということです。
脳や神経組織の発育や機能維持にも重要な関与をしていて、記憶力向上に役立ち、アルツハイマー型痴呆やうつ病の発症を抑制するともいわれています。

EPAと一緒に摂取(魚からですと自然にそうなります)することが望ましく、両方合わせて1日1g以上の摂取が推奨されています。

摂り過ぎた場合、理論的には出血が止まらなくなるなどの症状が出ることになりますが、現実的には無視できる問題だと言ってよいでしょう。ただし、脳の細胞膜などに作用しているものでもあり、過剰の影響はよくわかっていない点もありますので、サプリメントでの過剰摂取には注意したほうがよいでしょう。食事での過剰は心配ありません。むしろ不足の方を心配すべきものです。

イコサペンタエン酸 (icosapentaenoic acid)

イコサペンタエン酸(IPA)は国際的な名称で、通常はエイコサペンタエン酸(EPA)と呼ばれます。
ω-3系列の多価不飽和脂肪酸で、青魚類、サケ、ナンキョクオキアミ、肝油、母乳などに含まれます。

DHAと同様に生活習慣病の改善に効果を発揮します。 医療用として、閉塞性動脈硬化症、高脂血症の治療に使われていますけども、食品でも類似の効果を期待できます。また、DHA同様にアルツハイマーなど認知症への効果も解明されつつあります。

リノール酸 (linoleic acid)

ω-6系列の多価不飽和脂肪酸で、外部から摂取しなければならない必須脂肪酸。
ベニバナ油やコーン油などの植物油に多く、昔は健康のために不可欠として、推奨されていました。しかし現在は、リノール酸はメリットよりもデメリットの方が多いと考えられています。

主なメリットはコレステロール値、血圧の正常化などですが、デメリットはアレルギーを悪化させる、善玉コレステロールを減らす、過酸化脂質を発生させて癌の原因になるなど。

これらはリノール酸を過剰にとった場合のデメリットですが、日本人はこの数十年でリノール酸を過剰に取るようになり、逆にω-3系列の脂肪酸の摂取が減っています。(食事における揚げ物の割合が激増しているのが一因。そしてリノール酸を抑制する魚の消費は減少の一途)

※推奨されるリノール酸摂取量は1日9g前後ですが、現在の日本人が1日に摂取しているリノール酸は平均13~15g

ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸(リノール酸)は体内での合成がほぼ不可能なため摂取が必須の脂肪酸であり、両方とも欠かせない栄養素ですが、両者のバランスが重要で、1:1くらいの比率が理想です。

アラキドン酸 (arachidonic acid)

ω-6系列の不飽和脂肪酸で必須脂肪酸。
肉、魚、卵、母乳などで摂取するほか、リノール酸から体内で合成できます。
胎児、子供の育成に欠かせない脂肪酸であり、免疫、生殖、そして神経の調節をする働きをします。
アラキドン酸は、体内でアナンダミドという幸福感や愉快感を感じる快感物質を合成することが知られていて、脳に関連の深い脂肪酸でもあります。

Γ-リノレン酸 (Γ-linolenic acid)

ガンマ リノレン酸(GLA)は、ω-6系列の不飽和脂肪酸で脂肪酸必須脂肪酸。リノール酸から合成されます。 生体調節ホルモンの材料になるほか、コレステロール、血圧、血糖値を正常化する働きをします。
湿疹、炎症、乳癌、アトピー性皮膚炎などにも効果があるといわれますが、このへんはまだ研究中のようで確かなことは分かっていません。
ツキミソウ油に多く含まれています。

オレイン酸 (oleic acid)

不飽和脂肪酸で、炭素二重結合を1個だけもつ一価不飽和脂肪酸。
植物、とくにオリーブに多く含まれ、オリーブ油の主要脂肪酸として知られています。ほとんど植物由来ですが、エボダイなど魚類の脂肪にも含まれています。

胃腸に良いオイルとして知られ、血中コレステロールを減少させる働きもします。肌への刺激が少なく、他のオイルでは炎症をおこす赤ちゃんの肌へ塗っても大丈夫なほど。

二重結合が1個だけなので他の不飽和脂肪酸よりも加熱に強く、不飽和脂肪酸の中では1番加熱調理に適したオイルです。

ω-9脂肪酸系統の不飽和脂肪酸であり、ステアリン酸により体内で合成されますので必須の脂肪酸ではありません。

パルミトレイン酸 (Palmitoleic acid)

オレイン酸 と同じく一価の不飽和脂肪酸。
パルミトレイン酸は酸化しにくい不飽和脂肪酸で、インスリンに作用(肝臓脂質を代謝することでインスリンの感受性を高める)して血糖値を安定させたり、コレステロール値や中性脂肪値も改善させて血流を促し、脳卒中などを予防する効果が期待されています。

あらゆる動物性、植物性の油に含まれ、とくにマカダミアナッツに多く含まれます。魚介ではブリの脂に多いようです。

ステアリン酸 (stearic acid)

代表的な飽和脂肪酸。
動物性・植物性脂肪で最も多く含まれ、ヘットやラードにみられるように常温ではほとんどが個体です。体内で流動性をもつようになるのはヒトの体温が37度であること、さらにステアリン酸がオレイン酸に変換されることによります。
添加物など幅広く利用されていますが、栄養としてはみるべきものはとくになく、もちろん必須の脂肪酸でもありません。
ちなみに体内で余剰になった糖質やタンパク質は、飽和脂肪酸に変換されます。

現代人に求められるのは、「飽和脂肪酸をどうやって減らすか」ではないでしょうか。数十年前から過剰が指摘され続けていながら、まだまだ問題意識が希薄だと思うからです。

レシチン (lecithin)

動植物の細胞に必ず含まれている脂質の一種。
レシチンの名称はギリシャ語で卵黄という意味であり、名前の通り卵黄が特に多く含有しています。大豆にも多く、レシチンといえば卵黄か大豆というくらいです。
乳化作用や浸透作用があることもあって、食品関連のみならず広い分野で利用されているのがレシチンです。

体内においては、タンパク質と脂肪の結合、脂質の代謝や細胞膜の生成に欠かせないのは勿論ですが、乳化作用でよけいなコレステロールを引きつけるなどして血流改善に貢献して動脈硬化の予防になる、よけいな脂肪を沈着させないようにして脂肪肝、肝硬変の予防になる、など重要なはたらきをします。

レシチンが不足すると、悪玉コレステロールが増加して動脈硬化のリスクが高まるほか、糖尿病、免疫力低下、不眠、疲労などを招くといわれますが、通常の食事で不足することはまずありません。