漬物はすぐに作れる

  

手作り漬物のススメ

漬物は伝統的に和食と密接な関係がございます。
乳酸菌を発酵させますと保存性が向上するだけでなく、酵素反応も起きて「雅香」と表現すべき馥郁たる香りが発現します。これぞ「香の物」たる漬け物の醍醐味。日本料理の厨房はこの香りが常に残り香として漂い「板場の空気」の一部として全ての料理のベースともなってきたのです。

そして寿司屋のカウンター内部を「漬け場」と呼んでいるのは、寿司が元々は漬物だった事の名残りでもあり、こちらも漬物との関係は深いのです。最古の寿司は「なれ寿司」(鮓)でして、これは乳酸発酵の漬物とまったく同じ物、と言いましょうか漬物の原点。

しかし漬物はイコール乳酸発酵食品(作るのが面倒くさい)ではないのです。理想的には発酵させて作る糠漬け、糠味噌漬けが最も良いのですが、やはり面倒に感じてしまうのでしょう、最近は家庭でやっておられる人は少ない様です。
(実際には簡単ですが→糠漬けの作り方

漬物はすぐに作れる

実は漬物はメチャクチャ簡単に作れます。
発酵させない短期漬けでして、発酵させないので独自の酸味は出ませんがむしろ「野菜に近い」食べ方はこちらの方です。

野菜を切り

後は水と塩さえあれば漬物は出来るのですよ。


これは料理とのバランスをとる為に塩の他に糖分も入っています。
※砂糖は嫌いなので果糖(フラクトース)を使っています

冷蔵庫でキンキンに冷やせば食欲の減退する夏場の格好の食べ物と言えるでしょう。このやり方ですとゴーヤのビタミン損失も防げます。※ビタミンは水溶性の物が多いのでゴーヤの仕込みは他の野菜と別仕立てです。

この様に切って水に放つだけとも言える簡単さですので、ご家庭でもぜひ野菜の漬物を拵えて欲しいと思います。その美味さに気付かれますと、次は発酵へと進んでみたくなるものです。第一歩ですよ。

漬け物

大根の皮の利用法

一番上の画像に大根の皮が写っています。かつらむき等大根を輪に剥くとこのように皮だけがかなり残りますが、これも漬け物になります。

皮ごと繊維を縦に打ちます。

これを干して水分を抜いて乾燥させておきますと、塩味・醤油味の漬物の他、煮物や炒め物などの料理にも使えます。

皮に大量の肉が付いている場合は、その肉だけを10センチ幅くらいに削ぎ取り、サラダにしてみましょう。水にさらしてアクを抜くだけです。

この場合は繊維を横から打ち(切る)ますと食べ良くなります。

手作り漬物が良い理由

手作り漬物を推奨するのには理由がございます。

スーパーの食品売り場でトップクラスの加工度がある商品が漬物。
商品をひっくり返してみますと、まるで化学実験でもしているかの様な薬品名が並んだ表示があります。

薬品漬けにしなければいけない原因の一端を書いておきましょう。

横浜は近隣県でもあり、知り合いが多いので親しく出かける地域です。横浜と言えば港、遊びに行く人も多いですね横浜港は。しかしその横浜港は日本でも抜きん出た国際貿易港でして、埠頭の大部分は観光客の立ち寄らない倉庫群が占めています。

往来する車は殆ど大型トラックだけ。その一角に異臭を放つ場所があります。梱包されて雨よけのシートで包まれ中身は見えませんけども、臭いから塩漬けの輸入野菜であると分かります。倉庫の保管費を嫌って野積みにされているんでしょうな。

これらの厖大な塩漬け野菜の大部分は中国からのものです。
異臭の原因は何年もの間放置されているものがあるからです。
塩まみれですから腐りはしませんが、臭いは出ます。

これらはまったくのフリーパスで輸入されてここにあるのです。
塩漬けの食品は検査できないからです。
したがって残留農薬の検査などもまったく無し。
言っちゃ悪いが中国からのモンです。
だからその「塩」だって怪しいのが現実。

異臭の強い「年代物」から順に運び出されて行きます。
その大型トラックの行き先は「漬物名産地の地方」

とても食えるシロモンとは思えないそんな品物をどうするか。漂白、色づけ、香り付け、化学工場さながらの高度技術で自由自在に変身していきます。これで【国産つけもの】の出来上がり。

そして「ふるさとの味」やら「おふくろの味」、「○○特産漬け物」として日本中の店に並ぶって按配です。

萎びた何年も前の塩漬け野菜をツヤツヤピカピカ色鮮やにするには、それなりの方法が必要です。無理が出るのは当然の事。

道理を引っ込め無理を通す。
それが商品の裏に書かれた化学薬品群の意味です。

野ざらしの得体の知れない無検査の異様な輸入品。
それを薄気味悪いと感じるか、そいついをピカピカにする先端技術に感じ入って「素晴らしい」と思うか。

現代人はどうやら後者の方が圧倒的に多いらしき事を証明しているのがスーパーの棚でしょうかね。

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