和え物・酢の物
和え物
和え物や酢の物は、季節の野菜を中心に山海の食材を数種混ぜ合わせた物です。
懐石料理では、煮物、焼き物、飯という順番で、飯の後に酒が出ます。そのとき一緒に出すのが、八寸や強肴(しいざかな)といいまして、山海の珍味を加工した料理を添えます。その強肴が酢の物や和え物なんですね。
しかし、現在広く出されています会席料理になりますと、食事の前に酒が出るのが普通ですから、お通しや先付けとして酒と一緒に饗されています。
食膳に一番最初に出る物ですから
◆季節感を感じさせるものである事
◆見た目に美しく食欲をそそるものである事
◆混ぜ物であるため、どうしても雑多な感を拭えず汚く見えてしまい、上の条件を満たすのが困難なので、器で演出する。底の深い小鉢に盛り付け、全体が見えない様にする事
盛りつけ方→
ぬた(酢味噌和え)
味噌や胡麻などで、野菜を和えるのが普通で、そのうち酢味噌で魚貝を主に和えたものを『ぬた』と言います。
他に「白和え」・「卯の花和え」・「辛子和え」・「わさび和え」・「おろし和え」・「胡桃和え」・「木の芽和え」などがありバリエーションは無数です。中には「納豆和え」や「マヨネーズ和え」などもありまして、多彩ですね。組み合わせは無限です。
家庭でもお目にかかる事が多い「酢味噌和え」のコツを少し話しましょう。 味噌和えは料理屋でもよく使う献立ですので、板前はベースになる味噌を作って保存しときます。基本的に白味噌を使います。西京が多いです。
まず白味噌が100gとしたら、卵黄を一個分、それをすり鉢に入れ、酒を大さじ1と水少々ですりのばします。裏ごしして鍋にかけ、弱い火力にし、しゃもじで練り上げます。もとの白味噌くらいの固さになったら出来上がり。
この和え物味噌ベースを「玉味噌」などと呼びます。(本来の玉味噌とは、そら豆を熟成させた味味噌)これは重宝します。酢で溶けば酢味噌和え、青菜をよせて木の芽を入れたら木の芽和え、ってな感じで便利です。
※もっと簡単な『炊き味噌』
西京味噌に酒を一合。これだけです。
小鍋に入れて弱火にて練って下さい。
和え物・酢の物の大事なポイントは、魚貝は薄塩や酢洗いで、野菜は色よく下ゆでした後、醤油を数滴かける「醤油洗い」で、ちゃんと下ごしらえをして、余分な水分を取っておく事です。
そしてなにより大事なのが、食べる時間に合わせて和えるという事。食べる直前に和えるのが一番です。