料理の盛り付け

  

盛り付けのコツ


盛り付け 基本編

盛り付け 上級編

季節のあしらい

盛り付けの記事一覧


基本の盛り方

平盛り

大き目の皿に多人数分の料理を盛る場合、ほとんどがこの平盛になります。1~3種盛りなどのような少量でも、平面的に並べるように盛ると平盛りです。「料理同士をピタリと密着させて配置していく」という事で、要するに「平面盛り」と考えてよいでしょう。

料理を平面的に並べて、彩りを考えながら素直に盛り込みます。

慣れない方や初心者であれば、この辺で結構だと思います。
 

種類を増やすのが平盛りを綺麗に見せるコツ。何度もやっていますと、空間配置の仕方が分かるようになります。

人間は物を見る時、瞬間的に視線が左上から右下に移動します。したがって、多くの場合左上を起点にして右下に「流れるように」盛りつけていくと落着いた感じになります。数人分を盛り込む場合、最初に左上から盛り始めてみて下さると、よい感じに盛れますよ。


流し盛り

同種同サイズのものを複数盛り込むときは「流し盛り」にします。

寿司や刺身が分かりやすいでしょう。
同じ形、同じ大きさに揃えた料理を並べ、傾けて平面を見せる。
 

傾き(料理の上部の向き)は、左右どちらでも構いませんが、【左正面】にするのが基本です。
つまり右に傾けて並べればいいのです。

寿司などは上部を左に向けながら、左上から右に流して盛る。
 


放射盛り

簡単で綺麗に盛れるのが「放射盛り」
「四方盛り」「八方盛り」「東西南北」などとも呼びます。

上下左右に重点をおき、そこから決めて行きます。
丸型の器が適していますが、角皿でも可能。
 

コツは、まず目視で十字線を引き、十字の中心を器の中央として、
線の先端(器の端)に同じカサの料理を配置する。
これを4つ。
こうしてから、次の空間を埋めていくことです。


山の形に盛る

【お椀や鉢など、深みのある器】に盛るときの基本。

小鉢類は【混ぜ盛り
椀物は【寄せ盛り
向付(刺身・お造り)には【杉盛り

平坦な器(皿など)でも、【重ね盛り】や【俵盛り】は同じく山形。

「山形」は和食盛り付けの基本中の基本です。「天小地大」、つまり上を針のように細くし土台は太く。富士山ですね。

すべてにおいて「頂点」に向けて盛っていきます。「土台をしっかり固める」のがポイント。基礎が弱いものは脆弱になりますし、美観をも損ねてしまうのです。

盛り方のコツ
コツは【中央に寄せる】です。
 

地味な料理は山に盛っても沈んでしまうもの。そういう時は手前に形の良いものを持ってきたり、一番上にあしらいなどを載せるといいでしょう(天盛り)
これは手前が竹の子の先端、天盛りが木の芽ですね。

「天ぷら」などが平坦な器を使う典型例。
 

「立てること」「寄せること」を意識するだけで、ペチャンコな盛り付けから卒業できますよ。

盛り付け 上級編

プロの盛り付けと素人の盛り付け。
何が違うのかと言いますと、【空間の使い方】です。

具体的には、「2次元の余白」と「3次元(主に上部空間)」の2つ。

散らし盛り

平盛りは、「素材が持つ華」に頼る盛り方であり、直線的に並べるだけで、勝手に美しく見えてくれます。
これに対し、料理(種類)をバラバラ離して盛るのが「散らし盛り」 2次元の余白を使う盛りです。

例えば、寿司の流し盛りにしても、個々を離して空間を作りますと、同じ流し盛りでも趣が異なってきます。
寿司の盛り付け

これは刺盛りの「放射盛り」を基本形に、少し崩した感じですね。
刺身の盛り付け

散らし盛りは一般的に和食の前菜や八寸に適した盛り方で、三種・五種・七種の料理を余白を取りながら器に散らばるように盛るのが基本。

散らし盛りは、器を「キャンバス」とか「料理の一部」と考え、
盛るときに山水画や日本庭園をイメージするとよいでしょう。

対角線に配置したりもしますが、非対称がこの盛り方の特徴。
対称ではない対称、フラクタル的自然を写す
また、凡庸にならぬようにするには、料理の中に1品だけ主役を加えることです。


一種盛りの場合でも、器の余白を巧みに使うこと。

3次元(立体)盛り

「山の形に盛る」で述べた各種の盛り方を強調したものです。散らし盛りの「絵を描く様に盛る」にプラスして、料理の上部空間も利用する「3D」な盛り方ですね。

流し盛りの場合でも、「立てる」ことにより立体感を出せます。
 

・2次元と3次元を操る


料理は絵画ではなく、「立体的な物体」です。
それを際立たせるには立体感を強調すればいい。
しかしメリハリを忘れてはいけません。
点や線や平面という2次元は、立体を引き立てる重要な要素。
2次元を上手に使うことで3次元(料理)が光るのです。

料理盛り付けの配色

いろどりは盛り付けの要になります。昔から料理の五色【しょうおうしゃくびゃくこく(青黄赤白黒)】と言われており、この五色をバランスよく配置するのが大切。ポイントは暗い色と明るい色の使い分けです。鮮明な色をした主役を引き立てるよう暗色を利用して盛るわけです。

その配色の仕方はこのページなどを参考にして下さい

ちらし寿司の作り方

盛り付けのコツ まとめ

向こうを高く、手前を低く
又は【中央を高く
余白を広く
この3つを和食盛り付けの基本として覚えておきましょう。

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Simple Is Bestが理想の盛り付け

「見て美味しい料理」、
それが美しい盛りつけを心がける理由です。
しかしもうひとつ大事な事があります。
それは「食べやすい」ということ。

料理がおもてなしであるならば、これは当然の配慮です。
それは合理的な配置ということですが、
不思議な事にそれを心がける程に料理が美しく見えてくるんですよ。

化粧をしすぎるのはマイナスにしかなりません。
「無駄を排する」それを意識してみてください。

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盛り付けを認識する【目】について
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盛り付けの記事一覧

自由な発想で盛る


秋刀魚の焼物


イワシの肴


アジのすし


細巻き寿司


カマスのお造り

器で楽しむ

ナスの田楽

季節のあしらい

四季の掻敷(かいしき)

あしらい】と【かいしき

和食のレシピを参考にして料理を作ってみたけど、仕上がってみるとプロの料理と違う。何故だろう?こんな経験がよくあると思います。その理由は色々ありますが、一つ例をあげれば盛り付けにおける【あしらい】と【かいしき】の存在の有無があるでしょうね。

「あしらい」も「かいしき」も同じく料理の添え物ですが、あしらいは主に料理に付き添うような形で横や正面、天に置きます。かいしきも、あしらいの一種であるという考え方もあります。一方「かいしき」は主に料理の下に敷く植物の葉などを意味します。漢字では【掻敷】または改敷、皆敷と書いてもかまいません。

※敷紙や剥き物野菜等も掻敷です。
天紙・奉書紙=紙掻敷
植物の葉など=青掻敷

器とも掻敷ともなる小物

かいしきの概念は幅広い

日本料理のかたちが整理され始めた戦国の世から江戸にかけて季節を感じさせる掻敷も細かく定められた様で、一つの形式として続いています。美しい和食器も基本的に四季を模した絵柄が多いのですが、本物の「生きた緑」である掻敷も加えると一層季節感を表現できるわけです。

和食のかいしき

(※主に青掻敷です)
(※季節の分け方はこれが正式という事ではありません)

春のカイシキ

如月、弥生、卯月(2、3、4月)
山茶花・椿・梅・菜の花・裏白・南天・ゆずりは・ひば・しだ・杉・桃の枝・彼岸桜・うるい・花山葵・葉山葵・楓・筍の皮・山吹・躑躅・山桜・八重桜・芽吹いた枝各種

夏のカイシキ

皐月、水無月、文月(5、6、7月)
菖蒲・蓬・やまほうし・若朴葉・山蕗・蕨・いたどり・梅花空木・若柿の葉・胡瓜の葉と花・かじの葉・紫陽花・里芋の葉・熊笹・もみじ・蓮の葉・朝顔・夕顔・葛の葉・ほおずき

秋のカイシキ

葉月、長月、神無月(8、9、10月)
紅葉・萩・小菊・栗(葉・いが)・栃の葉・桑の葉・すすき・撫子・桔梗・ふじばかま・無花果の葉・銀杏の葉・桜の葉・団栗の葉・柿の葉

冬のカイシキ

霜月、師走、睦月(11、12、1月)
いちょうの葉・冬苺の葉・蜜柑の枝・柊・冬苺・乾燥朴葉・裏白・檜葉・柳・松葉


これらは季節物ですので重複しても良く、多少のズレはかまいませんし、他にもその季節の花や葉は数え切れません。使い方のセンスで幾彩にも料理を華やかに出来ます。

野にある草花、庭の草花、季節のものなら何でもかまいませんので、ご家庭でも試みてはいかがでしょうか。


和食のあしらい