盛り箸
和食の盛り込みは箸を使う場合が圧倒的に多く、盛り付けの前にその箸の使い方を我が物にしておく必要があります。箸使いの基本を書いておきます。
和食の板前が、包丁よりも頻繁に使うのが真菜箸(盛り箸・鉄箸)でして、仕事中はこれを手元から離しません。武士の刀じゃありませんけども、腰に差したり(前掛けの結び紐)、後ろのポッケに差したりしてる板前もいます。それだけ使用頻度が高いって事でして、その意味で和食料理の基本中の基本でもあります。
それだけ大切なもんなのに、意外ときちんと持てない若いのが目立ちます。そもそもこれで食べ物を挟めるとは信じられない持ち方をしてる人が非常に多く、タブーとされている持ち方があるってことすら知らない様子です。
箸の基本的な使い方
箸は鳥の嘴形になるように持ちます。
二本のうち、下の箸は固定して動かさない様にします。
作用させるのはもう片方の上の方で、これを中指で動かします。
一般的にはこんな形です。
日常的な箸使い
盛り箸の基本
ところで盛り付けは細かい作業になりますので、力の加減や作用のさせ方は上記とまったく同じなんですが、中指で作用箸を支える代わりに、人差し指で押さえる人(おいらもそうです)もいます。これは人差し指のほうが神経を集中させ易く、デリケートな動きに対応できるからです。
箸使いの基本はまったく同じです。
嘴状に三角になってないと箸で物を挟めません。
下の箸はしっかり固定して動かしません。
上だけ動かします
これは米粒です。
こうやって一粒ずつ挟んで、細かい作業ができる練習をします。
胡麻粒くらいの小さな物でも挟める様になりましたら、盛り付けに苦がなくなります。そして盛り箸の先端が鋭く尖っているのも巧く利用しましょう。料理に刺して使う場合もあるからです。材料を突き刺しても傷が残らない様、常に鋭く手入れしておく事です。