病気ならない予防医学

  

医食同源・薬膳とサプリ

もし昔の和食を食卓に取り戻せたとすれば、
メタボを筆頭とした現代病の多くが消滅すると信じております。

でも、それは困難と言うか不可能に近いでしょう。

「肉をガッツリ・モリモリ食ってパワーアップ!」
こんな世迷言を平然と公言し、それを信じ込んでいる。
それが現代人の偽らざる姿ですからね。

なにしろアナタ、
体が資本のプロスポーツ選手でさえも、焼肉やステーキが大好きな人が非常に多いくらいで、体育会系の学生が焼肉屋詣でをするのは既に伝統。一般人がそれに習うのは当然かも知れませんな。

「力が湧いてくるから」
そんなもんで力なんぞ湧きゃしません(笑)
逆なんですよ。むしろ体が弱くなる。
スタミナも細くなる。爆発的なパワーも出ない。
肉食は体内機能を脆弱にしていくだけです。

肉食偏重の欧米型食事の危険性については、すでに50年も前から一部の人々が指摘し続けているのにも関わらず、ファストや牛丼チェーンは今や生活の一部となり、逆に魚を食べる人は減るばかりです。

ま、お好きなように続ければよろしいでしょう。
将来は日本中の病院がパンクするでしょうが、仕方のないこってす。

第一章

(1)母

母も高齢になってきました。
自分がもういい年なんで当たり前ちゃ当たり前なんですが、凛とした美しい女性だった母が老けこんで行くのは息子としてやるせなく切ないものです。

おいらは敬愛する祖母が亡くなった時、そばにいてやれなかった事を強く後悔しております。そんなことなども含め、母の長生きを願わずにはおれません。

しかし、ただ長生きすれば良いとは思いません。
そのことは、日常の会話から母も同じ意見であるとの確信もあります。

彼女の人間性の維持
それこそがなによりも重要なのです。

人格を保っていられるかどうかでしょう。
いくら長生きしたとて、生ける屍の様になってしまえば、誰よりも母本人が苦しいだけのことであり、そんな長生きなど本人が望むわけありません。

アルツハイマー病は、ご存知のようにかなり難解な病です。
いまだにそのメカニズムの全容が分かっておりません。

母がアルツハイマーだというわけではなく、遺伝的要素も薄い。
しかしながら、これは「誰でも」「高齢になれば」罹患しうる病です。

そして発病したら治療方法がない。
完治は望めず進行するのみです。

癌と同じくこうした難病に対抗する術は、初期の段階で発見すること。そして素早い適切な治療を施すこと。

しかし、多くの場合「兆候」が見られる初期の段階で「手遅れ」であるのが現実です。だからこそ難病なのです。

「初期の段階」ではなく、その前に手を打つ。
つまり病気にさせない予防医学です。

(2)薬膳とヌチグスイ

人間の内部にある重要な臓器は、ほぼ全てが「食べたものを処理」するために存在しています。この事から考えるまでもなく、予防医学とは「食べ物のコントロール」が大きな位置を占めると思ってもいいのではないか。

自分が薬膳に興味を持ったのは、数十年前に「琉球料理」を知ってからです。沖縄料理ですな。

琉球料理の特徴は、日本の料理と中国の料理(あるいはアジアの料理)の、『いいとこ取り』でしょうね。これは沖縄人のおおらかな気性に因する「チャンプルー精神」が大きく作用したせいかも知れません。チャンプルーとはミックスです。このミックス精神の産物たる料理が「タコライス」でしょうな。

沖縄では産出しない昆布。
これを産地である北海道の2倍も消費し、その量は日本一。
椎茸も大好物で、独特の「裏チキチヌク」という八寸のような料理も。

面白いことに鰹節の消費も断トツ(これは地元に産します)
しょう油の使用量は少なめ。濃いダシを引くからです。
したがって塩分は少なめ。

モズクを始めとした他の海藻類も大好きで、沢山食べます。
豚肉に、大豆をそのまま固めたような島豆腐。

しかしチャンプルー精神も良い面ばかりには向かわない。
最悪と言ってもいい食品「ポークランチョンミート」を大量消費。

鰹節を沢山使っているのに、何故か化学調味料も多量に使う。
ファストが大好きで、清涼飲料水の消費も多い。牛肉も好む。

概して近年は高塩分で『超高脂肪』になっている様子です。
塩分はともかく、高脂肪は少しばかり心配ですね。

沖縄の方言で食品のことを『ヌチグスイ』と言います。
これは「命の薬」という意味になりましょうか。

この言葉を教えてもらった時から「薬食同源」、ようするに「薬膳」に対しての興味が一際強くなりました。興味と言ってもあくまで本業は板前。まだまだ料理そのものに勉強が足りない時期でしたので、「その道」に進むほどのことはなく、あくまでも料理の延長としての興味に過ぎませんが。

沖縄の料理が薬膳と深く関わっているといると感じたもの。
それは『シンジムン』という料理のカテゴリーです。
シンジムンは「煎じもの」「煎じたもの」と訳せるでしょう。

このシンジムン、料理としては「汁もの」になります。
代表的なのが「ヤギ汁」「イラブー汁」「イカスミ汁」「アヒル汁」「マクリ汁」など。

イカ汁を除いて、その臭気は強烈。初めての人はなかなか食べられません。ニオイ消しのヨモギやショウガなど何の役にも立たない。

これに漢方の薬草など加えればいいのでしょうが、ヨモギ等に比して舶来の贅沢品。沖縄には自生の薬草が沢山あります。

でもね、だんだんと考え方が変化してきました。

沖縄が高名な長寿県となったのは、こうした特別な食べ物に起因するのではなく、「戦前に」普通の人々が食べていた食事に理由がある。今ではそう思っております。

戦争前に沖縄の人々が「主食」にしていたのは甘藷です。
唐芋、つまりサツマイモです。

白米はもちろん、豚肉も高嶺の花で贅沢品。たまに豚足や耳が食べられればいい方で、肉は年に数回というのが庶民の食生活。

ダイコンの葉やヨモギや野草、あるいは海藻などを汁の実にし、たんぱく質は島豆腐の大豆たんぱく。沖縄の人は青野菜だけではなく、ニンジンも大好きです。

これは「貧相な食」でしょうか?
とんでもない話で、最新の栄養学からして「完全な健康食」に近いものです。

食物繊維、植物性たんぱく質、ビタミン・ミネラル類、不飽和脂肪酸、βカロチン、コラーゲン、その他、こうしたものが程よく「チャンプルー」されており、脂肪と動物性蛋白質を抑制し、LDLコルステロールを追放し、酵素の働きを助け、フリーラジカルの暴走を食い止める、そんな食事内容だと思います。

長生きして当然でしょうな。

薬膳とは、生薬を多用するものです。
この生薬なるものは「一般的」ではない。
なので医食同源という言葉と乖離しておると思います。

日常的に食べられる食材でなければ、「食事」にはなりえない。
しかし薬膳は「ある程度の期間食べ続けなければ効果がない」のが普通。

入手しづらい生薬を日常的に食する。
矛盾があるのですよ

この点でおいらは『ヌチグスイ』をとります。中医学が高度なものであることは認めますが、今の我々にとって「貧食こそ薬膳」だという気がするのです。

肉や白パン、ミルク・砂糖入りのコーヒー
調理法は揚げ物主体
そんな食事など論外

精製されていない穀物
豆類
青魚

パンは精製度の低い穀物から
あるいはふすまを加えて焼く
青魚はω-3脂肪酸を始め語るまでもなし
大豆(黒)は塩のみで薄味をつけ蒸したもの

白米の美味さは捨てがたがいもの
だが、玄米に比べ栄養分は低い
胚芽押麦などを加えると改善する

(3)グルコサミンとコンドロイチン

話を母のことに戻しましょう。

どのくらい前になりましょうか、「食だけじゃ、どうにも解決できないこともある」と強く感じた出来事がありました。

ある日、母の動きが少しぎこちない事に気づき、どうしたのか尋ねました。

「膝の関節が少し痛い」

この年代の人達は我慢強いのか、そうとう悪化しないと黙っているもの。おいらは追い立てるようにして病院に行かせました。

結果は予想通り。
「変形性膝関節症」になりかけている、とのこと。

病院を訪ねて担当医に色々質問してきました。
それから母に、
「もう病院に行かないでもいいよ」
「自力で治るから」

この「変形性関節症」は、50歳以上の現代人の7割がなる可能性がある「現代病」の一つです。関節の軟骨が、使い古し、擦り切れたゴムのようになってしまう病気です。

軟骨というのは極めて薄く、摩耗したら最悪の場合消滅してしまい、関節同士が接触してしまう。ショックのない車のようなモノ。そうなると激痛に見舞われて関節の可動性も失う。だが、その軟骨は磨り減ってしまえば再生はしない、それが医学界の見解です。

皆は言うでしょう。
「それならよけいに病院に行かなきゃ治らない」と。

しかしね、病院で出来ることは2つだけ。
「保存療法」と「手術」です。

保存療法というのは「様子をみましょう」という意味。
これは裏返せば「悪化を待ちましょう」ということ。

処方する薬は鎮痛剤、抗炎症剤のみです。
この二種とも多用すれば副作用の可能性が高い。

進行すれば「ヒアルロン酸関節内注射」をすすめられます。
さらに進行すれば手術。人工関節ですな。

つまり「保存療法」といっても医師は「軟骨の再生は無理」だと思っているわけですから、「いずれは手術するしかない」ということで、治癒するとは考えておらんのです。

けどね、変形性関節症は膝だけではありません。
右膝を人工関節にしても左膝が痛むようになり、次は・・・・
そうなって行くのです。

結局のところ、「軟骨に蘇ってもらう」しか根本的な解決はない。

おいら自身の主治医も含めて良いお医者さんは多い。しかし、総体としてみた場合、おいらは日本の医療に疑念を持ってます。

頭の中が「対処療法」で染まっているとしか思えんのです。
根治よりも対処療法に重きを置いているのではないか。

根深い不信感ですな。

極端に言えば「完治させる気がない」
(悪しき診療報酬制度により、無意味な治療を続けるほど儲かるから)

穏やかに言えば「ヒトの自己再生能力を信じていない」
(副作用の強い薬品と手術への過信。その反動でしょう)

「点数に基づく診療報酬制度」、「都市偏重の医療施設」、「硬直化した教育制度」、「蔓延る権威主義」、そして「薬事法」その他色々。

こうしたもの全てが悪い方向に傾き、日本社会の隅々まで行き渡る【既得権益第一主義】が、この業界では特に頑強に残っている事実。

それは先年の「ネット医薬品販売禁止騒動」をみれば一目瞭然。あれは氷山の一角。医師もその「ヒトコマ」でしかありません。(むろん優れた医師も存在する)

最新の再生医療も行われてはいますが、極めて稀。こうした硬直性ゆえに、やがてはiPS細胞の応用も外国に負けてしまうのではと危惧します。

幸いにして母の症状はごく初期。
「再生」に興味のない外科医のところに通わせるのは無駄です。

何故なら医者は「グルコサミンとコンドロイチン」のことを言わないからです。

グルコサミンもコンドロイチンもサプリメント(dietary supplement)

長いこと栄養補助食品、健康補助食品の類のままです。

しかしその驚異的な効果については語るまでもないでしょう。
さんざんCMを打っているようですので、知らぬ人はいない。

正しく用いれば、医者が「ない」と言っている軟骨の再生があるのです。(完全に軟骨が消滅した人は無理)

グルコサミンは色々な食品に含まれていて(エビやカニのキチンに多い)、コンドロイチンもコラーゲンの多い魚介などに含まれます。

ですがこの有効成分を食品から摂取するには、食べられぬ量を食べる必要があり、しかもそれを食べたとしても吸収されて軟骨に行くか分からない。

到達するのは極めて微量でしょう。健常者ならそれでいいが、患者として効果を得るのは事実上食事からは無理です。

「摂取したが効果がない」と言っている方の多くが成分量を見ていないようです。

こうしたサプリで大事なことは、「その成分の含有量」なのです。

余計なモンが加味され、肝心のグルコサミンが少なくては話にならない。

日本では薬品でさえ市販薬にはガラパゴスが多い。
なんでもかんでも加味してしまうクセですな。

添加物だらけの「ガラパ食品」と似たようなもんです。
(実は今の食品の殆どに含まれる添加物の保存料や着色料などが、変形性関節症を増やしている原因ではないかと、おいらは疑っております)

「あれも、これもありますよ」
例えば風邪薬だと、鼻水から頭痛から咳から解熱・・・

そうした症状に適合する成分を少しずつ配合してるんです。
結果として「全体の効果はなし」

つまり肝心なことには役立たず。
ガラパのケータイ電話ですな(笑)

母の体重から換算して、グルコサミンを1000㎎、コンドロイチンを700㎎、これを1日分として、毎食時に分散して摂取してもらいました。

母は煮物が得意で、魚や野菜が好きですので、食事の内容には口を出していません。ただ、白身よりもできるだけ青魚を食べるように勧めたくらいです。

そして、週に20キロを歩くように約束してもらい、歩数計をプレゼント。

三ヶ月後。
母の言い方によれば、「完全に痛みが消えちゃった」そうです。

半年後、病院に連れて行き、MRIに。
医師(別の)によれば「変形性膝関節症の兆候はない」とのこと。
軟骨が「製造」されていたからに他なりません。

サプリメントには先程書いたように余計な成分を加えすぎて「気休めにしかならない」ものや「逆に生活習慣を悪くしてしまう」ものが多くあります。

しかし、上記のように「医療」を凌駕してしまうほどの効果がある物も存在します。

その一つが「ギンコライド」
アルツハイマー・痴呆症の、副作用のない唯一の特効薬だとされるサプリ。

「イチョウ葉エキス」の主成分です。

(4)イチョウ葉エキス

昔、まな板の件で工房を訪問したとき、 そこの職人さんから面白い話を聞きました。

「いちょうにはテレパシーがあるとしか思えない時がある」
「夫婦で会話しているに違いない。そうとしか考えられない」

これは植物の生態に詳しい「山男」から聞いた話だそうです。

森の木々が未知の通信手段で交信。
『アバター』ですな(笑)

ですが、笑い話ではないという気もしてます。

雄と雌で愛を語らっているのかはともかくとしまして、イチョウからは不思議な成分が色々と見つかっております。実の銀杏にはヒトに中毒を起こさせるギンコール酸とか4-O-メチルピリドキシンなどといった「良くない」摂取過剰が危険な物質があるかと思うと、葉にはギンコライドを始めとして薬理効果のある多様な物質を含有しています。(毒は薬、同時に薬草としても銀杏は有名)

医療薬学大国として知られるドイツでは、この葉に含まれる成分から「イチョウ葉エキス」を製造し、これをサプリではなく医薬品として認可しています。

様々な臨床試験を繰り返し、認知症など脳機能障害に対して有効であると認められているからです。記憶力の改善にも有効。

げんに、様々な「成功例」が数知れず報告されているのですが、米国や日本では何故かいまだにサプリのままでクスリではなく、医師はこれをキワモノ扱い。

ドイツを含めヨーロッパの医学薬学は「ダメ」と言いたいんでしょうかねぇ。そんな事は有り得ず、理由は「業界の事情」って奴でしょうな。
(近年は米国でも真剣に研究され、認知度は上がっている)

現在アルツハイマーの治療薬として使われている「周辺症状治療薬」、「コリンエステラーゼ阻害薬」には効果のある薬もあるが、ほんの僅かな効果でしかなく、それに見合わないほど危険な副作用をもたらすものばかり。

日本で開発された有名なドネペジルも一時的な効果しかなく、アルツハイマー型認知症の進行を止めるものではない。

対して副作用のないイチョウ葉エキスの効果はどうか。
60年を超える長期の研究歴史と、あらゆる臨床試験を繰り返しているドイツの例をみますと、これが何故我が国で医薬品と認められないのか不思議にさえ思えます。

どのような研究・試験においても、「現在使用されてる薬」を上回る効果が認められているからです。そして副作用はほぼゼロ。

何百何千とあるその報告は、ネット検索で御覧ください。
本で読んでみたい方は入門書としてこちらをどうぞ
イチョウ葉エキス

イチョウにしか見つかっていないテンペル分子(ギンコライド)とその他のフラボノイド類は、血液の循環を良くし、血管の内壁を健康に保つ効果があり、そして脳内神経伝達物質の働きにも良い効果をもたらすと考えられています。

脳内をめぐる血液量を増やす「頭の良くなる成分」であり、血流不全によるトラブルを防止するのですよ。

記憶力の減退や認知度の低下などの兆候がみられたら、おいらは躊躇いなくこのサプリを母に飲ませるつもりです。

もしかしたら、母よりも先に自分が試験的に飲んでみるのが先かも知れませんけどね。

第二章  体格も良くなり平均寿命も延びたので現代食は素晴らしい!>>

※上記のサプリメント類は個人の体験によるものであり、万人に効果を保証するものではございません。


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