ウドの飾り切り

  

篠うど、うどの切り違い、あやめ独活

一般に「山うど」として販売されているものは商品名だと考えましょう。日光を遮断し、土をかぶせて軟化栽培させた「白いウド」がそうです。つまり山独活ではありませんが、そんな事はどうでもよく、実際に使われるウドは殆どこの白ウドになります。



シャキシャキした歯ごたえと清涼感のあるウドの風味は、和食向きの食材だと言えます。それを活かす為に加熱は避けてサラダ類、酢の物、おひたし、刺身のつまやけん、酢味噌などで和え物等に使用すると良いです。

ただしウドはアクが強いので、酢水や流水にさらすアクヌキを忘れてはいけません。

ウドを飾り切りにする場合、だいたいは最初に5センチくらいの幅に切りそろえておきます。

独活は皮のすぐ内側に強いアクがありますので、最初に厚く皮を剥いて下さい。(この皮や飾り切りのクズなどは捨てずに取っておき、細切りにして水にさらし、天ぷら、あるいはキンピラにしましょう)

長いまま使用する場合は縦に剥きますが、どちらにしても皮は厚く剥きます。長いままというのは、例えばクルクル回しながら切る『乱切り』や『笹掻き』などです。

分厚く皮を剥いたウド。

剥いた下の部分を『しのうど』と呼び、色々なウド料理のベースになります。

『しのうど』をそのまま煮物などに
『しのうど』を桂に薄く剥いて白髪に打てば「けん」
カツラムキを斜めに切れば、つまの『よりうど』
角柱にして『短冊切り』
短冊から正方形にすれば『色紙切り』
短冊を細く打てば『千切り』

『しのうど』に筒抜きで穴を穿ち、かつらむきにした「独活蛇籠」

春ですので、新鮮な貝類などを和え物にし、それをこの蛇籠でクルクル包んで小鉢に盛りますとステキですよ。貝は色的にトリガイの黒、青柳や赤貝の紅などが映えるでしょう。カラフルであればこそ、純白な独活の籠が生きるのです。純白ではなく緑にしたい時は、キュウリを桂剥きにして同じようにします。

ちなみに「筒抜き」とは下の様なものです。

これは他の道具と違って「代用」がなかなかきかない品物(これでしかできない用途がかなりあるのです)ですので、1セット持っておきたい道具の一つです。

 

『しのうど』の四隅をカットして正方形に木取り

四つの面にそれぞれ深く切り込みを入れますと

独活の切り違い』ができます。

あやめ独活の切り方

さてアヤメウドですが、『しのうど』からでも、あるいは下のように最初からでもかまいせんので、長方形から台形にします。

庖丁を入れる前に、下の様な図をイメージとして頭に入れてください。

そうしたらアヤメの花びらを外から切っていきます。
次に内側にもう1つの花びらを切ります。

中心のメシベにあたる部分にV字に切り込みを入れれば完成。

これを横にして2ミリくらいの薄切りに、水に放してアクヌキし、酢の物やあしらいに使いましょう。