ゆずの切り方

  

柚子「松葉切り・へぎ柚子・刻み柚子」

食材としての柚子
柚子は酸味が強く、その酸味や香を利用する香り付けや調味料として主に利用し、蜜漬け、ジャム、ゆべし、といった用途以外で果肉を使う事はありません。



和食での利用頻度がかなり高い食材ですが、使用するのはほどんど「皮」です。とくに「口」に欠かせません。吸物とか茶碗蒸し。爽やかな香りを利用しているのですね。また、加工調味料の原料として、七味唐辛子や柚子胡椒にも使われています。

あとは料理自体を盛り込む「器」として使う時もあります。上部を水平に落とし、くり抜く【蓋付き柚子釜】、あるいは赤道にギザギザの山型切り込みを入れて上下2個にした【菊花ゆず釜】です。

柚子菊花釜

※菊花釜はフルーツ切りでよく使うやり方の応用で、細かくしたものです。
切り方はこちらを参考に
スイカの飾り切り

柚子は奈良か飛鳥の時代に中国から渡来し、今では生産消費ともに日本が世界一です。柑橘系の作物としては耐寒性もあり、病気にも強い特徴があるので、完全に無農薬で作られている安全なものが多いという点があります。寒くなる晩秋から冬にかけて黄色くなり、暖かい季節は青くなります。

黄ゆず
青ゆず

へぎ柚子と刻み柚子

皮を1㎝四方に薄く剥くのが「へぎ柚子」

丸目の小判方に小さく剥いてもいいし、長角に剥く場合もあります。

刻み柚子にする場合は大きく剥きます。
下は縦に剥いていますが、横にぐる剥きにしてもいいです。

裏側に残った白い部分は取り去って。

この部分を残しますと、苦味が出るからです。

白い部分をこそげる

※柚子を使う目的は香にありますので、この時に強く押えて組織を押し潰し、香り成分を飛ばさないように注意しましょう。

刻み柚子

千切りにすれば刻み柚子です。

吸物や蒸し物の仕上げに添えます。

これは「なまこ酢」に刻み柚子を使用してる例

松葉柚子

上のように剥いて白い箇所を掃除した柚子皮を使い、初歩的な飾り切りにすると煮物などにも添えとして品がいいものになります。

松葉切り」は長角に整えたものを【人の字】に切るだけなので説明は不要かと思います。

二股の形にすればよいだけの簡単さですので、柚子皮だけでなく、あらゆる材料・場面にて応用ができます。

これは刺身を松葉に切っている例

折れ松葉 組み松葉

この松葉を一個で切り離さずに二個分の松葉を作り、それを捻って組み合わせ、山の形にしたものを「折れ松葉」とか「組み松葉」といいます。

切り込み方はこうです。

赤線を切るとこうなります。


端を持って捻り、片側を潜らせると

二つの松葉が組み合わさった形になるわけです。

すべての盛り付けの基本、「べったりではなく立体的に」に適った造作になってくれる訳ですね。

複数を作るときは連続で切ります。
下のような切り方をすると、庖丁をただ上から下に入れるだけで、折れ松葉を何個でも作れます。赤線の3で切りはなし、そのまま左へ1、2、3と繰り返す。

瞬間的に切れる飾り切りとして、ご家庭でも多用可能です。
料理の天辺に刺すような感じで添えます。
カマボコなどでやってみてもいいでしょう。

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