葉生姜の飾り切り
新ショウガは暖かい時期(夏)に収穫されたばかりの生姜の根茎です。
翌年まで貯蔵して辛味が強くなったものがヒネショウガ。これがスパイスにする一般の生姜というわけで、比較的柔らかい新ショウガはスライスして甘酢漬けにして食べるガリなどにします。
新しょうがとして出す前に若取りした、まだ根茎が小指大くらいの葉が付いたものを『葉しょうが』といいまして、春になると出回ります。東京谷中の特産だった「谷中しょうが」とか「ツバメしょうが」などがあります。
軟化栽培して収穫の前に少し日光を当てますので緑とピンクの色が美しく、水分が多く辛みも少なく繊維も弱いので、そのまま食べるのに適しておりますのに小振りの筆しょうが、矢しょうが、芽しょうがなどがあり、刺身のつまとか焼物のあしらいに使います。いわゆる「ハジカミ」なのですが、ハジカミとは生姜そのものを指す言葉でもあります。
葉ショウガといえども生姜はショウガ、ピリッとした爽やかな辛味は魚介の口直しにもってこい。初夏の「添え」としてぜひお使い頂きたい薬味。
代表的な飾り切りを紹介しておきましょう。
葉ショウガのつばめ
その独特の形から「ツバメしょうが」という名の葉ショウガもあるほど。形をいかした「つばめ」を切ってみましょう。
・葉を手前に向けて2つの羽の部分を斜めにカット
・次に尾先を山形にカット
・頭を三角に切り出しつつ周辺の凸凹を修正
・羽の先を剥いてなだらかに
・V字の切り込みを入れていきます
・縦割りにカットして二等分に
葉生姜切り方その他
木の葉しょうが
根茎を三角形に整形し
両側にギザギザを切れば
「木の葉しょうが」です。
筆しょうが
根茎をかつらむきにて整え、先を鉛筆削りの要領で筆型にすれば
文字通りの「筆しょうが」に。
他にも色々ありますので工夫をしてみて下さい。
松笠しょうが
使い方
生姜ですので放置したままですと変色します。
湯を沸かしておき、切り終えたら軽く茹でます。
ザルにあけて塩をあててしんなりさせ、塩を洗い流し、甘酢に漬け込みます。紅色が淡いピンク色となり発色してきれいになります。
これは次回で紹介する『アジの姿寿司』での盛り付け例になりますけども、料理の前盛だけでなくこんな使い方も面白いです。
→アジの姿寿司