黄身漬け
どこに行っても見かけるサバのみそ漬けの焼き物やギンダラの西京焼きはご存知でしょう。けど焼き物の話じゃねえんです。味噌漬けに使った残り味噌なんですがね、板前はこれを捨てたりはしません。
まず、容器に魚を出した後の残り味噌を入れ、表面をたいらにならしておきます。そしたら生卵を持ってきます。卵の先で、味噌床に丸い穴をこしらえて下さい。
その穴に卵黄だけを入れてやります。これで二~三日冷蔵庫で寝かせば、トロリとした酒の友が出来上がりって寸法です。
味噌の塩分が卵黄をいい塩梅に調理してくれるんですわ。白味噌でなきゃいけません。赤は塩分が強くて具合がよくねえです。これを『黄身漬け』って言います。これはご存知の方が多いでしょう。
黄身漬け
黄身漬けを一晩でこしらえる方法を紹介しましょう。
前菜に使うやり方ですわ。
温度卵を用意して下さい。
よく冷ましたら、黄身だけを取り出します。これを薄味をつけて溶いた生卵黄で軽く付け焼きにします。
それを液体状に軟くした味噌に付け、冷蔵庫へ。
一晩で透き通る様な、綺麗なお月様の出来上がりです。