マテガイとアゲマキの違い

  

マテガイとアゲマキ

アゲマキガイなんて名を聞いたことがありますでしょうか。
マテガイの名前で市場に出たりしますが、マテガイとは全然種の違う別の貝でして、よく見ると外見も異なります。



アゲマキ
 

マテガイ

あげまきは【揚巻】又は【総角】と書きます。

揚巻ってのは昔の人の髪形から付いた名前らしいです。キヌガイ、チンダイガイ、ヘイタイガイの別名もあります。有明海の名産ですが、環境汚染や干拓事業の影響でしょうか、近年あまり見かけなくなった貝のひとつです。

昔はタイラギなんかと一緒に長崎物として市場でよく見かけましてね、市場の人間が「まて貝あるよ、買ってきな!」なんて平気で大嘘を言ってたのが懐かしいです(笑)

「違うだろ、こいつはアゲマキってんだよ」なんて言い返したらキョトンとした面をされたもんです。揚巻はヌタや焼き貝にして、まあまあの味といったところ。

一方、本当のマテガイは【馬刀貝】と書き、たんに「マテ」と呼ばれる事が多いです。
同じマテガイ科に『オオマテガイ』『エゾマテガイ』『アカマテガイ』とあと三種類ほどいまして、北海道まで広く分布してますので、各地からの入荷はあるようです。特に種類分けせずに全部まとめてマテガイで流通してますね。

食べ方は同じようなものですが、味はアゲマキより上だと思います。独特のエグミと臭いがありますが、酒としょう油で消えますので、そこに少量のみりん等を加えて網焼きにするのが美味しいと思います。



マテガイ

和食で使う時はあまり網焼きで出す事はありませんで、酢味噌で和えて小鉢にしたり、二色に焼いて冷まし、前菜の一品にしたりします。

面白い形をしてますので、昔この貝の大きなやつが入りました時に、貝殻を器にして前菜を盛って出したりしました。

さばき方は他の貝と変わりありません。殻を外せばよいだけですし、加熱調理だとその必要もありません。

今日は春分の日ですが残念ながら冴えぬお天気になりました。
週末は晴れる様ですので、彼岸行事はその時にして、休日をのんびり自宅で過ごすのも良いかもしれません。

「暑さ寒さも彼岸まで」と申しますが、実際は寒暖の差があるにも関わらず、つい油断して風邪をひいてしまうのもこの時期の特徴です。どうぞ体調を崩したりなさらぬ様にお気をつけ下さい。

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