茹でる煮る・蒸す→トロミをつける理由

  

味がのりにくい食材に煮汁を含ませる

長い時間加熱すると固くなったり、スが入る。
だけど短い時間では味が入ってくれない。

そういう食材は、とくに和食系には多いもの。
表面がすべすべのイカ、タコ、アワビなどが代表選手。

こうしたものを調理する時は、「短時間」「長時間」を使い分けます。
その方法は様々ですが、ここでは煮物・汁物の一例で紹介します。

「吉野煮」「吉野汁」という方法ですね。
簡単に言えば、材料ではなく汁を味の主役にする方法です。

普通は汁に味をつけても液体なので具からこぼれ落ちるだけ。
短時間で味が「のっていない」すべすべの具なら余計そうですね。

なので、汁が「こぼれ落ちないようにする」のです。
具を包んだまま口まで届くように。

具体的には、デンプンによって汁に5%前後の粘性を持たせる。

口当たりの良い「水溶き葛粉」が最適です。
もちろん代用の片栗粉でもかまいません。

こうすることで、さっと火を通しただけのエビなどの具が、しっかり味のついた汁にからんで口まで届いてくれるわけです。

非常に冷めにくい利点もありますので、冬場におすすめです。

※冷製も可能で、その場合はゼラチンなども良いです。