初食いは鮪握鮨
どうにか落ち着きました。
今になってやっと正月が来たって気分です。
板前稼業だけじゃなく、世の中には「正月仕事」で疲れていらっしゃる方も大変多いと思いますけども、本当に皆様お疲れ様でしたm(__)m
店の親としちゃ何事もなかったかの様なシャアシャアとしたツラをしてなきゃいかんのですが、ここは自分のブログ、弱音を吐いても許してもらえるでしょう。正直言って疲れました。クタクタです。
実は予想を遥かに超えた忙しさでした。
この不景気にどうなってやがる、って感じです。
今色々その原因を分析しているところですが、「買い控え」やら「家籠り&外出控え」などの反動が一因なのかも知れません。何はともあれ、頑張ってくれた店の者達へのお年玉を多くできたのは嬉しい限りです(^^
何があってもマグロを食い続ける
その想いを確固たるものにする為に、正月に鮪を握って皆で食い、神棚に供えました。鮪のねぇ寿司なんぞ考えられません。
マグロ食に忍び寄る排斥の気配
最近ね、海外に出るたびにヒシヒシと感じる事があるんですよ。
「日本食隆盛に引っ張られたマグロの消費拡大」
「拡大する鮪食に呼応しての【マグロ食排斥】の動き」
海外でのマグロ漁規制は「ブーム」になりつつあります。
それに連動して「食の場」からマグロを消そうとする傾向。
「ブーム」はよくない兆候ですな。
何故かと言いますと「禁煙ブーム」を思い出せばよい。
【病的な健康指向】はメタボ大国アメリカで発症、先進国に次々と感染していき、それこそ「あっという間」に定着しました。
その過程での「嫌煙ムーブメント」の性急さは、瞬く間。
まるで手のひらを返すかの様に交通機関や公共の場での禁煙。
誤解しちゃいけませんよ。
喫煙を奨励しているわけではありません。
煙草呑みを擁護する論旨ではございません。
癌の原因かどうかは兎も角、健康に害が有るのは確実。
料理関係者は舌と鼻がやられる可能性があるので自重すべし。紫煙に含まれる有害物質は百種を超えます。やめられるならばやめた方が良いに決まっている。
でもその「禁煙世界の作り方」がおかしいって言ってるんです。
いきなり犯人扱い、悪者扱いってのはどうなんでしょうか。
昭和まではどんな場所だろうと吸う人吸わない人が仲良く共生してました。しかし世はあれよという間に嫌煙社会に変貌。
「排斥」に近い感じのする嫌煙権を受け、おいらも飲食業ですので「副流煙による受動喫煙の害」について徹底的に調べた事があります。場合によっては禁煙席を設定しなければいけませんのでね。
すでにその害は確定。
だから役所までが多くの場所で禁煙を法規制。
そうなっておりますが、調べた限りではこれが怪しいんですよ。
排ガスによる害や馬車馬の様な労働によるストレス以上に副流煙が有害であるという根拠はアヤフヤなんです。
それにね、今現在70、80、90くらいで元気なご老人達は皆煙草を吸ってませんかね。 喫煙者の方が多いですなあきらかに。ストレスを緩和し、思慮を深める為のアイテムとして煙草が必要な人達がいて、その人達を冷淡に社会から排斥せんとする動きは、けして気持ちが良いものとは思えんのです。
その「アヤフヤさ」は地球環境保護にも当て嵌まります。
海洋生態系も含めた地球環境は未だ専門の科学者間で論争が続いておりまして、確定している事は非常に少ないんですよ。
簡単に言えば「よくわからない」が本当のところです。
にもかかわらず、ある特定の方向に向けて動きを早める者達がいます。勿論まっとうに活動し、社会的に必要だと思う組織もあり、これには賛同いたします。利益追求だけの野放図な大企業やデタラメな国家を監視する存在は絶対に不可欠ですからね。
しかし日本の捕鯨船にテロ行為を行う「馬鹿野郎達」もおりまして、この連中が極めて厄介なんですよ。世界のマスコミの目を引くからです。喜んで記事にし、世界へ配信します。
そしてマスコミ大衆は「真実」など考えません。
派手なパフォーマンスに拍手喝采するのみですな。
ここに「ブーム」とやらの肥料がある訳です。
そして思慮の足りない軽薄な政治家も「受け」を狙ってこの波に乗っかろうとします。分別の無い軽い政治家でも議会を動かす可能性は非常に高いのですよ、この軽い世界ではね。
一瀉千里への道を開く者達
日本古来の「捕鯨」が瞬く間に消えてしまった様に、マグロだって完全に排斥される可能性が充分にあり得るのですよ。それこそ「あっという間」に。先の「馬鹿野郎達」は鯨船からマグロ船へと標的を変えてくるでしょう。
なぜあの連中を「馬鹿野郎達」呼ばわりするのか言いましょう。
「環境」という錦の御旗で目をくらませたビジネスマンだからです。
同じ意味で地球温暖化対策「ビジネス」にも胡散臭いものを感じます。
COPを見ていて世界の指導者も真剣に対策を考えているんだなぁ、そう感じた人も多いかも知れません。
しかしね、政治家、特に国の指導者ってのはね、「環境保護」など念頭には無い人種なんですよ。ではなぜあれほど沢山の国が集合したのか。
そこに「ビジネス」が存在するからに他なりません。
おいらはね、マグロを獲りまくり、保護をしなくてもよいと考えているのではありません。
→マグロの知識
海外、特にアジア圏での日本料理・寿司の盛況。回転寿司とか大手チェーンの量販ぶりを眺めていると不安すら感じます。確かにこのペースだとそのうち魚は枯渇する。
しかしここで書いているのは「冷静を欠いた胡散臭いブーム」についての話なのです。冷静を欠けば、世はまさにビジネスマン達の思うがままに動いていく事になりましょうな。
ヒステリックな規制強化
人間の自由度(個人としての尊厳)
このふたつのバランスを問うものとお考え下さい。
マグロを握る
御客様にご来店の挨拶をしつつ顔を見る
様子から腹の減り具合を判断する
その判断に基づいてシャリの量を調整
シャリ底に大穴を穿ち右耳の高さで返す
ピシャリと叩いて艶を仕上げる
次の瞬間まな板に鮨が整う
そいつを錯綜した想いでお客につける
お客が口に運び
「こりゃ美味い!」
こんな幸せな瞬間が他にありましょうか
まさに職人冥利に尽きる
長い年月苦労して養った職人勘
それがピタリ決まる一瞬ですよ
すべての苦労が報われる場面です
板前という最高の仕事に感謝します。
確かに労働条件その他は最悪なものがあり、最低の仕事とも言えるかも知れませんし、その証拠にドロップアウトが非常に多い。
経営サイドは職人を握りロボット扱いし、仕込みすら売上効果の為に店でやらせず、切りつけネタや冷凍フィレばかり握らせる。
てめぇ等はただ黙って握ってりゃいいんだ、って店の多いこと。
唐変木ですな、そんなもんは。
だったら職人を雇わずにバイトの高校生に握らせてろって言いたい。 (現実に存在してますな。手間の高い職人は邪魔だし、ロボットであってくれと願う会社は多いのでね)
たしかに商売は銭儲けですよ、それは否定しません。
だからってね、「鮨」を、「職人」を舐めすぎじゃねぇか。
職人にも言いたい。
経営側に甘くみられる様なハンチクな修行してちゃいけねぇ。「さすが」、そう言われる仕事。それじゃなきゃ何の為に板前になったっていうんですか。
店長、そしてバイザーに出世して、現場の苦労も忘れ去り、数字だけ眺めて非現実的な無理難題を現場に押し付けるアホ上司。「楽すりゃ偉い」って今の日本人たちの仲間入りですか?
庖丁を錆びさせてね。
まあ人はそれぞれ。
好きな道へ進むしかありません。
おいらは一生かけて「その時のお客さんの腹の具合にピタリとくる」マグロの鮨を追求するのみです。
Comment
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新年明けましておめでとうございます
今年も宜しくお願いしますm(__)m
今日から仕事です
新年初めの記事は包丁か鮨の記事ではないかなと、山を張っておりました(笑)
板前なら誰でもシビれる 気持ちが入った文面に 気合いが入りました(^-^)今日は鮨の仕出しが多く 尚更でした(^-^)
正月は助で旅館に入っていたので昨日最後に家族サービス 裾野の遥か奥まで遊びに行ってまいりましたが雪がちらつき、服装を考えて行ったんですが どうも頭がたりなかったようで背中丸めて帰ってきました(笑)
それでも富士山を横目にこの記事を読ませていただいた後 目の前に広がる駿河の街と駿河湾を見て 頑張るぞって吠えてまいりました(^-^)
景気や社会や疑問に目を背け 傷が癒えるまで待つなんてできやしないですが 腐っても鯛でいたい
自分も一生をかけて
板前道を歩きます
死ぬ間際に後悔は絶対したくありません
常々自分が仕立てた、お任せや、単品料理は、板前は原価や希少価値ってやつを踏まえてますが じゃぁお客様の立場なら、満足するのか…自分がまず段取りの段階でお客になって考えます 気持ちが入っていて 丁寧な仕事 板前の感情じゃ一万円でも、お客様からしてみれば半分にか感じないのかもしれません だから原価はギリギリまでかけて、手間は惜しまず 同業が食べても喜んでくれる料理をやっていますが 経営者は必ずしもそうではありません 色々とぶつかりますが、心の中では嫌なら板前を変えても構わないよって腹は決めていますしかみさんなんかともそう話していますから 仕事がなくなっても後悔はしません
もちろん利益をださなきゃ暖簾も従業員も困ります お客様に来て頂きたくキツい仕事でも責任があります
それでもお客様の事考えると妥協は一切したくありません 今は雇っていただいてるので 記事にあります 「さすが」と思わす仕事をお客様だけではなく、社長や女将にも感じていただきたく 日々勉強だとより一層強く思いました
モチベーションがあがる糧になる記事に感謝します(^-^)
正月にバイトしたんで狙っていた砥石を買いました(^-^) 本焼きの薄刃も欲しかったんですが お年玉をもらって ワクワクしながら駄菓子屋に走った少年の頃と同じ気持ちでした 新鮮な気持ちで今日はとことん可愛い包丁を磨きます(^-^) その光った包丁で日々の雑音を真っ二つにすべき 明日も明後日も磨きます
板前の命っす 包丁は(^-^)
かなり臭くなってしまいました(笑)
Posted by たいら at 2010年01月05日 20:49
おめでとう御座います、たいらさん。
正月早々助仕事ご苦労様です。
おいらもよくやったもんですよ(笑)
不二の山とはまた良い家族サービス(^_^)
きっと縁起のよい年になりましょう。
地道に淡々とおとなしく仕事をしつつ、腹には力を入れ心は鋭く、そして勿論庖丁は煌煌と光らせておく。
そうした板前でいましょうや。世がどうあろうともね。
Posted by 魚山人 at 2010年01月05日 21:53
新年明けましておめでとうございます。
そして正月仕事、お疲れ様でした。
さすがの爺もクタクタ?(笑)
歳だよ歳!自覚しれ!(笑)
端くれ板な俺にゎ 新年一発目の爺記事が 大切な お年玉になりました。ありがと(v^-゚)
今年も爺のメッセージから目が離せネェなコリャ…
思惑通り今年の1月5日ゎ暇(┰_┰)
曜日の加減もあんだろが
当店始まって以来の最低記録更新…
暮れに忙しかった反動としか考えられネェし ようするに右向け右な方々が 今の世の中を席巻してるかってなことなんでしょな。
愚痴ゎさておき爺blog。
今年もバリバリ真剣なカキコをさして貰います。
『キレ』に冴える今日の記事ですが 俺にゎやたら『暖かい』
顔も所在も未だ知らネェ身ですが 『本年も宜しくお願い申しあげます』
仕事初め 元旦。
Posted by 鯔次郎† at 2010年01月06日 01:39
おめでとうございます、鯔さん。
ジジィ扱いすんなっての。
おりゃタフでね、一日ですぐ元に戻ります(笑)
まあ記事にも書いてます様に、この先も職人なんざいらんって流れは続いていくでしょう。それが資本主義社会ってものの宿命なんです。一極に集中して行くのですよおのずとね。でかくなったものはさらにでかくなろうとして小さいのを食い荒らして成長を続けます。
しかしそれが永遠に続くわけではない。
落とし穴が無い訳じゃないんですよ。
例えばあれだけ巨大にみえた某巨大ファミレスチェーンの運命。
まさかあそこが看板をおろすなど誰も考えはしなかった。
大手にはね、「大きくなると罹患する病気」ってのがあるんです。
おいらは思うんですよ。
「食べ物屋には料理人が必要」だってね。
大手はそこを忘れてしまう、効率主義に嵌るからね。
この部分に手をつければ、今は良い数字を叩き出しても必ず暗い将来が待っているでしょう。調理員を合理化して調理の必要のないマニュアルを導入。それが値段が安くてコギレイな料理でもね、一時的に安さに魅かれた客もやがて去っていくんです。
本社の机上や開発室だけでコントロールできないのが「料理」なのですよ。料理は現場でしか作れないものなのです。
「マックにゃ行かねぇ」って人種も必ずいます。
我々職人が取り込むべき人達はそういう人種なのです。
つまり板前は腕さえ磨いてりゃ将来に不安は無いって事。
それを忘れなさんな料理人、って話ですな。
Posted by 魚山人 at 2010年01月06日 11:48
ガリの作り方を探していてたどり着きました。(^^)
>地球温暖化対策「ビジネス」にも胡散臭いものを
板さん、鋭いですね。
あれは完全に嘘ですよ。
つまり「温暖化は実際に起こっていた」けど、それは「人間が大量の二酸化炭素を排出しているから」などではなく、実に自然の動きだった。
#太陽(の活動)がメインの原因です。
しかも2000年あたりからは世界は寒冷化しています。NASAのデータが1998年以降は横ばいか、下がっていた。だからつい先日も北見で5月だというのに雪が降ったでしょ。
他方、これは全然知らないとキチガイ扱いされるかもしれないが「ケムトレイル」といって、毒性化学物質を空から撒いて、世界中で天候操作をしているのです。国連では「ジオ・エンジニアリング」と呼んで「温暖化対策だ」と称していますが、とんでもない! 「温暖化人為説」が嘘なんだから、これも嘘。日本の異常な暑さなんかはこれでやってると思いますよ。
豪州はメルボルンの全豪オープン(テニス)なんか、1月(夏)だけど結構ずっと寒かったりしていて、最後の世界がテレビで見るような試合の頃(ファイナルなんか)には何故かピーカン晴れで暑くなるのです。世界が「あぁ、オーストラリアも温暖化で大変だなぁ」と思い込むように仕組んでいる。
ホラ、北京五輪のときも開会式の日を晴天にしたって言ってたでしょ。あの技術です。晴れにも雨にも洪水にも出来る。なんでもござれです。
気象兵器というものまで存在していて(国会でも言及されたが)。去年の3/11も、こないだの茨城の竜巻も非常に怪しいのですよ。
M9だったって言うけど、津波が来る前の被害が阪神のときと比べても「地震の被害」が見られないのです。
#「マグニチュードが2増えるとエネルギーは1000倍になる」のに
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%89
とにかく以前は読売新聞なども「気象兵器」についての記事を出していたほどで、大マジな話です。
そして煙草の害についても「肺癌云々」と言うなら、煙草に煙草会社が入れている毒性、発癌性物質を禁止して入れなければいいだけの話なんです。でも、それはやらない。インチキ医療&製薬業界の「将来の顧客」は増えた方がいいから。
#「抗癌剤で殺される」など参照
かくいう私だって嫌煙家で、煙草の煙を吸うのも嫌ですが、近年の「絶対どこでも禁煙」を押し付けるやり方には絶対裏がありますね。「煙草をやめさせて、代わりにヤクをやらせようという魂胆だ」という意見も見たことがあります。
しかし、マグロの握り
う~ん、おいしそうだな~。(^^;
Posted by 千早 at 2012年05月16日 23:37
こんにちは、千早 さん。
コメントをありがとうございます。
おいらの考えは、この記事や過去の記事書いている通りです。
Posted by 魚山人 at 2012年05月18日 15:49
魚山人さん、
お返事ありがとうございました。
肝心のガリの方は、こちらではヒネしょうがしか手に入らないので諦めるか、それでもやってみるか?考え中です。
まぐろも、日本人がやっている食料品店にある寿司コーナーのまぐろは何故か脂が多過ぎておいしくない。街中で中国人らしきがやっている回転寿司の方がまだ食べられるといった状態なので(日本人の商社マンなんかが行くような高級日本食レストランなんか行けないので)上の写真のおすしを食べられる人々がひたすら羨ましいです。(^^)
Posted by 千早 at 2012年05月22日 22:27