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寿司屋の符牒

ガリ、アガリ(茶)、ムラサキ(醤油)なんてのは一般語ですし、ナミダ(わさび)、きづ(干瓢)、おてしお( 醤油皿)、おてもと(箸)、ガレージ(シャコ)なんて言葉も聞いた事がありましょう。

これらは元々は寿司屋内部の隠語で、お客が使う言葉ではありませんがお客さんが「おあいそして」だの、「アガリ頂戴」と発言するにおよんでは、もう符牒としての意味を保ってるのは数字くらいでしょうか。

数字の符牒は市場にて発生したと考えられます。仕入れ値を客に教えるものではありませんし、できる限り取引当事者以外に金額を悟られたくないのが商取引ですからね。

漁師から「サバをよんで」買い付けた魚を「色をつけて」売る魚河岸あたりから自然発生していったのでしょう。青果も同じですので、八百屋の符牒もよく似ていて、殆ど共通ですね。

すし屋の数の数え方(符牒)

1→ピン(そく・よろず) 2→リャン(ののじ・ぶり) 3→ゲタ(きり) 4→ダリ  5→メノジ(め・がれん) 6→ロンジ 7→セイナン 8→バンド 9→キワ 10→ピン(ちょう) 11→ソッピン(ぴんぴん・ピンナラ他) 12→チョンブリ 13→ソッキリ 14→ソクダリ  15→アノ 16→ソクロン 17→ソクセイ 18→ソクバン 19→ソッキワ 20→※2と同じ

※あとは桁が違っても基本的におなじ。

アノなどは『あ(1)、き(2)、な(3)、い(4)、の(5)、し(6)、あ(7)、わ(8)、せ(9)』から
25は「オツモ」、35は「ゲタメ」
22は「ノナラ(ビ)」、同数並びは「ナラ」を付ける。
例=33/ゲタナラ

5はよく使う数字。「め」「めのじ」ほか、85=バンガレの様に使う。
100は「ニンベン」
1000は「ケタ」
だが、通常は「ピン」で間に合う。
桁を間違えることはないからです。

108 ピンコロバン
105 ピンコロガレ


符牒は便利な面もあります。しかしむしろマイナス面の方が多いような気がします。様々な理由がありますけども、「どんぶり勘定」の温床になっていた側面は特に見逃せないのではないか。いかなる有効なシステムであっても、透明性がなくなると人間は誤った用い方をして歪めてしまうものなのです。

飲食店はもちろん、あらゆる商売における鉄則は「金銭の間違いは許されない」ということ。勘定を間違えるなどは問題外です。そして人間の記憶は実に曖昧で確実さに欠ける事が分かっております。

常に両手を使う仕事の寿司職人にとってかなり面倒な事ではありますが、マメにメモをとる習慣を身につけておくことが大事であると思います。



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