太巻き飾り巻き
飾り巻き寿司はとても華やか。パッと人目を引く巻き寿司ですね。作るのも面白いし、出来た飾り巻きを見るのも楽しいもの。食べる人も喜ぶ事うけ合い。
作るのが面白いと書きましたが、飾り巻き寿司を作るのは正直簡単ではありません。難しいと思います。これは海苔とすし飯の特性によるものですね。海苔というのはすぐに湿気てしまい、破けてしまうもの。寿司飯は寿司飯で元々いじくりまわすようなものではない。このような性質から巻き寿司は細工するのが大変なんですよ。
これは昔知り合いの子供さんの誕生日に頼まれて作ったんですけど、
単純に見えますが苦労しました(笑)
まだ【菊水巻】とか【上り藤】【葵紋】【違鷹羽】なんていう伝統的な細工巻き寿司の方が楽です。型が決まってますからね。
そんな飾り巻き(細工巻き寿司)ですが、巻くのが難しいからこそ、形になったときの嬉しさは大きいもの。構造を理解し、手順を守れば、必ず出来るようになります。では花の飾り巻きを紹介しながら飾り巻き寿司の手順を説明します。
花の飾り巻き
切断面に花弁(🌼)が出るように作った飾り太巻き寿司です。
おぼろ等で着色したすし飯で一枚ずつ小さな花弁を作り、それをまとめて巻き込んだ太巻きになります。
すし飯と海苔のほか、中心に使うのは山ゴボウ、ソーセージ、ウインナ型のチーズ、厚焼き玉子など形が安定しているもの。色どりにボイルした青菜や煮カンピョウ、おぼろ、桜でんぶ、ゆかり粉、青のり、などを使います。
ここでは通常の太巻き(全型海苔を1枚使う太巻き)の半分サイズで紹介します。つまり細巻きや手巻きサイズの海苔で縦に巻いた太巻きです。ハーフサイズですが長さと個数が違うだけで太さと出来上がりは同じです。作り方も同じ。
上のページは予習や参照としてご利用ください。
(1)梅の花の飾り巻き
梅花に似せた梅鉢巻きと言われる巻き物です。
材料はこの四種類
それに薄焼き卵も使います。
① 花の芯を作る
薄焼き卵を海苔と同じ幅に切りだし巻き卵を巻き込む
② 花びらを作る
すし飯を取り分け、おぼろを混ぜ込んで着色し紅飯を作る
紅飯少量海苔を巻き込んで花びらを五本作る
(指を使って巻きます)
③ 花弁を巻き込む
花びらで卵焼き芯を仮巻きします。手で軽く押さえましょう
これを通常の太巻きの具に見たてて寿司めしで巻きます
巻き終えたらラップで包み、マキスで巻いてしばらく置きます
具が馴染んだ頃に切り分ける
切り口が梅の花になります。
桃の花の飾り巻き
手順自体は梅の花と同じですが、具と花びらの作り方が違います。
① 花びらを作る
花びらになる紅飯は薄い色に作り、花芯はチーズにします。
桜でんぶを海苔中央に置き
桜でんぶの上に白い寿司飯、その上に紅飯を
※巻くときに海苔を閉じないで白い寿司飯部分を開けておく
この花びらを五本作ります
② 巻いて梅花にする
チーズの花芯に白飯部分をあてがいまとめる
海苔の代わりに卵焼きを使い、太巻きにする
梅花の太巻きになります
菊の花の飾り巻き
菊花の太巻きも手順は上とまったく同じです。
菊の花びらは黄身おぼろで色をつけます
菊の花の飾り巻き
慣れてきましたら、花弁を12本にして巻きましょう。12弁が本来の菊です
飾り巻きの練習
「飾り巻き寿司・細工巻き寿司の模様はどうして出来るのか」。これはまあ対称性とかで理解することは難しくありませんが、理解はできても手が付いていかないのですよ簡単には。
構造を理解し手に覚えさせる
これをやってみましょう。
紹介しますのは【四海巻】をアレンジした細工巻き寿司で、とても簡単で材料も揃えやすいです。簡単なわりに出来上がりの見た目も悪くない。
キュウリを四つ割にしたもの
卵焼き
材料はこれだけです。
出来上がりイメージを頭に描きながらキュウリの位置を決めて巻く。
これを「具」にした太巻きを巻く
対称性のある飾り巻きになっているか切ってみる。
これは巻くのに時間がかかりませんので、「サイズダウン」の練習にもってこいです。こういう巻き物を小さく何本か巻き、それを「具・巻き芯」にして、太巻きを巻く。
それが太巻き飾り巻きの基本なんですね。