寿司飯 米を炊いて寿司酢と合わせる
家で寿司を作るというのは面倒な事だと思いがちでしょうけども、実は非常に簡単であり、「すしめし」さえ作ってしまえばあとはどうにでもなります。
握り寿司やちらし寿司を作り、すし飯が余れば巻物にしたりイナリ寿司にします。ネタをわざわざ揃えなくても、冷蔵庫にあるものは何でも工夫次第でネタになります。
数種の食材を組み合わせてマヨネーズサラダにし、それを軍艦寿司にしたり、手巻き・細巻きにしたりと、家庭ならではの捉われない発想で、いくらでも寿司は作れるのです。酒の肴用、お惣菜の煮物、何でもかまわないんですよ。
つまり「すしめし」を作れば寿司は出来たも同然なのです。
すし飯の作り方
すし飯用の米を炊く
シャリ(寿司めし)は固めに炊きます。合わせ酢を加えて混ぜますし、寿司は他の材料と同時に食べるものですから、通常の白米よりもやや固いくらいが良いのです。白米は粘りがあった方が美味しいのですが、シャリは粘りは厳禁。ベタベタではなくご飯粒同士がほぐれるのが寿司めしの特徴。
米を洗う
米粒が割れないように注意して洗います。割れると粘りが出てしまうからです。
洗った米を水に浸けておくか、逆にザルにあけて水切りしておくかは米によって異なってきます。お使いの米の説明書きに従ってください。
米を炊く
水の量は、通常のご飯が米の約1.2倍なのに対し、寿司めしは1対1、つまり米と水の量を同割りにするのが基本です。
だし昆布を1片加えて炊くといいでしょう。そうすれば寿司酢に化学調味料を加えなくて済みます。また、大さじ1~2杯程度の酒を加えるとツヤ良く炊けます。
合わせ酢を作る
米が炊き上るまでの間に合わせ酢を作っておきましょう。市販の寿司酢でもかまいませんが、ご自分でも簡単に作れますよ。
米1合につき、酢は15cc、砂糖10グラム、塩5グラム。合わせ酢の割合はこのあたりで調整します。酢は米酢が適しています。関西風の寿司やちらし寿司用なら砂糖を増やしていいでしょう。
小鍋に入れて(あればホーロー製のミルクパンなどが良い)、煮立てず調味料が溶ける程度の火加減で、調味料を混ぜつつ加熱。溶けたら火を止めて自然に冷ましておきます。
すし飯を合わせる
ご飯と寿司酢を混ぜる、というよりも「すし飯を切る」と表現した方が正解です。「シャリ切り」ですね。ここがすし飯作りの一番大事なポイントになります。
飯切(寿司桶)はタワシでよく水洗いして乾かしておく(木製なら洗剤で洗わない)
分かりやすいように朱塗りの飯切りを使ってシャリ切りの説明をします
(1) 飯切りの中を濡れ布巾で拭き湿り気を与える
(2) 木杓文字も濡らして拭く
(3) 炊き上がったご飯を飯切りの中央にあける
(炊きたての熱い飯でないと酢を吸いません)
(4) 熱々のご飯に合わせ酢をふりかける
・手ですくう様に半量程度を振りかけ
・残りは木杓文字に当てる様にしてご飯全体にかける
(5) 底からひっくり返すように大きく混ぜる
※練ってはいけない
※木杓文字は切るように動かし、すくうようにして使い、ねらないようにする。絶対にごはん粒を潰さないようにする。
(6) 右上のコーナーに寄せる
※右利きの場合です。左利きは逆
(7) 一すくいの飯を左に返す
(8) 返した飯を飯切りの壁に当てる様にしながら切っていく
※寿司桶の周囲の縁に固まりを当てる様にすると巧い具合にシャリがバラけて均等に広がります。木杓文字を手前に向かって刃物で切る感じにて動かしましょう。
※飯切の木目にそうようにして逆らわないように飯を合わせる
※ウチワであおぐのはシャリを冷ますためではありません、なので扇風機などは使わないようにして下さい。表面がベタつく前に水分を飛ばしツヤを出す為です。省略してもかまいません。
(9) 繰り返して表面を平らにならす
(10) 縁についたご飯粒を拭きとる
(11) しばらく放置し表面から水気を飛ばす
薄く水平に均等にご飯を広げたら3分くらい置いておきます
扇風機やうちわで風を当てる場面ですが、自分はおすすめしません。余分な水気とか酢気を飛ばすためだと言いますが、むしろ冷却や乾燥を早める結果にしかなりません。しない方がいいです。自然に冷まして下さい。ただし冷ましすぎは禁物。
(12) ひっくり返す
表面が少し乾いたら底から返し、端に寄せてまとめる
(13) 布巾を隙間なくかけておく
乾燥しないように堅く絞った濡れ布巾をかけておく
いつ寿司を作るかによって、この後の処置を変えます。作るまでに1時間以上かかるのならジャーに移して保温した方が良いです。冷たくなり過ぎますから。
30分程度ならばボールなどに移し、ぴっちりとラップをかけておきましょう。
この後すぐに作るなら、このままの状態で小分けします。木製のお櫃があれば最高ですね。