薄焼き卵を上手に焼く
薄焼き卵を焼くとすぐに破けてしまうと言う人が多いですが、簡単なコツさえ覚えてしまえば破けたりしない薄焼き卵が作れるようになりますよ。
お雛祭りの一品
薄焼き卵というとわりと特別なお料理にしか使わないイメージもありますが、夏場だったらそうめんの具、冬場だったらお吸い物に添えたりとか、けっこう用途が広くて、日常的に使える奴なのです。
黄色の色合いが「料理の彩り」に良いので、細く切った「錦糸卵」やそのまま何かを包んで前菜とかに重宝します。ご家庭でも色々な料理に添える「脇役」として便利ですよ。
薄焼き卵は冷凍してもそう劣化はしませんので、多めに作って保存しておくのもおすすめ。一枚ずつラップで挟み込むようにして保存袋に入れて冷凍します。毎日の料理にちょっと添えてやりますと、華やかさが加わり、同時に食欲を増す効果のある色合いで、いつもの一品を盛り上げてくれるでしょう。
薄焼き卵の焼き方
だし巻きも薄焼きも、形さえ気にしなければ普通の丸型フライパンでも焼けます。ここでは板前流の薄焼き卵を何枚も手早く焼ける方法を紹介しますが、もしフライパンで焼かれる場合は、別の焼き方(お玉を使って一枚分ずつ卵液を入れて焼く)をした方がよいです。
卵を焼く鍋
だし巻き玉子と同じ、角型の「卵焼き鍋」を使用して焼きます。
銅製の卵焼き鍋。
汚れて見えるのは、卵専用の焼き鍋は「洗わない」からです。洗うと鍋に馴染んだ油が落ちてしまうからですね。メンテは付着した汚れなどをふき取るだけです。卵を焼く前に必ず空焼きしますから衛生面は大丈夫。この鍋は卵焼き以外には使いません。
最近は角型の卵焼き鍋もテフロン加工のものが出回っていて、けっこう安く買えるようですから、ひとつ持っておくと便利ですよ。機能も良いです。
厚焼きも薄焼きも同じですが、焼きに入る前に鍋を充分焼いておくのが分かれ目になります。油が鍋に馴染んでいるかどうかで全然違うからです。
(1)
卵は薄焼き一枚で卵一個が目安です。
塩を少々加える場合もありますが、これは味をつけるためではなく、水溶き片栗粉と同じ意味で凝固を補助するためです。普通は塩も片栗粉も使いません。必要がないからです。
薄焼き卵がすぐに破けるのは、作り方の過程に問題があると思われます。説明の途中でその理由を書いておきます。
(2)
切る様によく混ぜあわせます。できるだけ泡立てないように。
(※薄焼きが破けやすくなる理由① 混ぜが足らない)
しばらく放置すれば泡は落ち着きますが、急ぎの場合は下の様にキッチンペーパーなどで泡(気泡)を取り除きます。
(※薄焼きが破けやすくなる理由② 気泡がある)
※デリケートな料理(上のお雛様衣のような)や、針の様な細い錦糸卵が必要な時は、このあと卵液を「裏ごし」してコシを完全に切る
美しい薄焼き卵にしたいなら、「全体の三割を卵黄だけにする」(卵10個なら3個は卵黄のみ)。キレイな仕上がりになるし、破け防止にもなります。
(3)
鍋に残った余分な油をきれいに拭き取り充分熱くなった鍋に一気に大量の卵液(100ccほど)を入れます。
※最後に紹介する動画は若い子が薄焼き卵を作っていますが、仕上げがいま一つなのは、油玉の処理が問題だからです。動画を見ると油をよく拭き取っていませんね。(これも破けの原因なります)
1呼吸後に、鍋の卵液をボールに戻します。
あらかじめ鍋を熱くしておくと、下の様に薄く卵液が張り付きます。
卵液が乾いたら菜箸で返し
裏面も少しだけ焼きます。
盆ザルなどの上に鍋を振って取り出します。
この手順ですと、慣れれば数十秒で一枚が焼けます。
(※薄焼きが破けやすくなる理由③
失敗(破れやすい)する最大の原因は火加減が弱すぎる事です。火加減は中火の強火で。
鍋が熱すぎると感じたり、焼いている途中でミスをしたりした場合、鍋ごと横移動(火から離す)し、濡れ布巾の上などに一旦おいてから、また焼くようにすればよいですよ。
動画も参考にしてください
卵焼き
太巻きの海苔の代わりに卵焼きを使って巻くことがありますが、そういう用途の卵焼きです。
卵液の分量は卵の大小によって3~5個が一枚分。
味付けは砂糖3塩1酒1を割の基準に。
薄焼きと同じように熱くなった鍋に全部の卵液を入れ
火を弱くしてしばらくおきます。
液が流れなくなったら菜箸で返して
薄焼きと同じように取り出します。