ガリの作り方
ガリ(ショウガ甘酢漬)
ガリは新しょうがの皮を剥いてスライスしたものを甘酢などに漬けたものです。ジンゲロン・ショウガオールの作用で魚の生臭みを消し、口中をさっぱりさせて次の料理への口直し、などの意味があります。ガリの作り方はとても簡単。新生姜の時期にぜひ作ってみましょう。
ちなみにガリは寿司屋の符牒ですが、なんでショウガをガリって呼ぶかといいますと、「切る時にガリガリ、食べる時にガリガリするから」だそうです。
ガリ作りの手順
(1) ショウガを剥く
ショウガの皮は包丁で剥くよりスプーンなどを使った方が簡単で綺麗に剥けます。
(2) 薄くスライス
皮をむいたショウガを薄くスライスします。
(3) 湯通し
湯を沸かし、スライスショウガを入れて軽く茹でます。量にもよりますが2分ていど。茹ですぎないようにしましょう。
ザルに取り、自然に冷ます。(水に晒して冷ますとショウガの成分が流出しますので、自然に冷ました方がいいでしょう)
(4) 酢に漬ける
甘酢を作って冷ましておき、そこに漬けこみます。
酢=カップ 1
砂糖=大さじ 5
塩=小さじ 1/2
加熱して塩砂糖を溶かし、冷やす
※甘さ控えめにしたいなら砂糖を減らします
漬けて約1時間もすれば食べられますよ。
白ガリと紅ガリ
しょうがの赤い部分を一緒に入れれば、ピンクに仕上がります
赤い茎部分がある新しょうが(画像下はヒネショウガ)
赤い部分を入れなければ白ガリになります。
ガリ屋が作る普通のガリは、甘すぎるだけでなく、このピンク色を着色してるケースが多いですね。
ガリとショウガ
ガリに使う生姜の話です。
生姜は多年草で、
4月の中旬に植えつけ、葉が少し開いたとこを、古根を残して収穫したのが
◆矢ショウガ/筆ショウガ
これは、焼き魚なんかに添えられている酢漬けの「ハジカミ」がそうです。
新しい根が少し大きくなったところを抜き取ったのが
◆葉ショウガ/谷中ショウガ
水分が多く、辛みが少ないですので、生食に適します。
東京の谷中が名産地でした。
根が十分に大きくなった秋に堀り出した塊茎が
◆根ショウガ/大ショウガ/土ショウガ
根ショウガを夏に早堀したのが『新ショウガ』(もやし生姜)
年を越した古根が『老成生姜(ひねしょうが)』
詳しくは【生姜】ひねショウガ、新しょうが、葉しょうが、筆しょうが
生姜は太古から香辛料や薬として親しまれ、古い言葉で「はじかみ」といいます。
寿司屋で薄く切って甘酢に漬けたものを『ガリ』と呼びますが、これは柔らかい新ショウガが適してます。固く繊維質で、辛味が強いひねしょうがは適しません。
夏場に出回る新生姜を大量に甘酢漬けにし、甘酢じゃ日持ちしないって事で、生酢に漬け直して一年間使う。なんてこたぁ昔の話。今そんなことやってる寿司屋は稀でしょう。ガリ屋が手間無しの出来合いを、安く卸してくれますからね。
でも作るのはとても簡単。ガリ好きな方は多いようですので、ご家庭で試してみるのもよいでしょう。