片刃でもズレない切り方
片刃は真っすぐに切るのが難しい
和包丁は特別な例外を除き、ほぼ全てが片刃になっています。
ですので、普通に包丁を入れれば刃が左側に流れます。
左利き包丁は右に流れます。
これは当然の事なので使ってる方はご存知だと思います。
だからこそ包丁の持ち方握り方が大事になってきます。材料や料理を真っ直ぐ切れませんからね。変な持ち方すれば。
カボチャとかブリの頭サイズの物を無自覚に切りますと、最初に包丁を入れた地点から切り終わりは数センチも左にずれてしまいます。
挟み込む様に持ち、裏に添えた親指の力があればこそ、物が直線に切れているのですよ。これがなきゃ曲線になります。
板前さん達はこれを特に意識することなく日常的にやっています。手が覚えているからです。
まだ包丁がおぼつかない人は意識して下さい。親指で押すようにして刃を右に返す様に力を加減します。
なにげに切ると必ず死角側が小さくなる
材料や料理を中心から切るというケースがよくあります。
二等分にするわけですね。
4~に偶数分割にする場合でも最初に中心から二つ切る事が多い。
ところがこれは何気なくやっていますと均等になりません。まず左半分が大きくなりまして、並べてみるとデコボコ。
何故でしょうか。
大きな理由は左上から見下ろす「目線」です。
包丁が死角になり右半分が小さく見えるから。
それに加えて
「人間の目線は左側中心で右を殆ど見ない」
なので同じ大きさに揃えたつもりでも右が小さくなるのですね。
何気なく切れば①が小さく、②が大きくなる。
片刃の和包丁はこの「死角」が深くなります。
と言うか死角が二重になるのです。
包丁の峰による死角、シノギから先の死角の二段構え。
簡単に言えば刃先が全然見えないのです。
和包丁の構造(死角になる角度)は鞘を見ると分かります
目線で正確な均等分割線を確認
では均等に切り分けるにはどうすればよいか。
色々ありますが、一番分かり易いのが目線を刃の右に。つまり包丁の左上にある顔を、包丁の右側に寄せて刃先を見る事です。
すると自分が真ん中だと思って包丁を当てている場所が右に寄っているのがはっきりと分かり、修正できるのです。