醤油の歴史

  

醤油の小話

最近は和食でも幅広い調味料を実験的に使ってみる事が多くなりました。

 

 



しかしなんといっても醤油。
15世紀頃始めて海外に輸出され、現在は100カ国以上で使用されてまして、Soy sauceの名でアジア各国の醤油と混同されますが、製法は異なります。和食を和食たらしめている調味料、「醤油」、これの存在なしでは、今の日本料理は成り立ちません。

これだけ幅広く使われてる醤油ですが、意外にも起源ははっきりとしていません。
伝承を元にした考察はたくさんありますけどね。

醤油の大まかな歴史

醤油は元々、『醤(ひしお)』の一種類です。
ひしおとは、食品の塩漬けの事で、「魚醤」(うをびしお) 、「肉醤」(ししびしお) 、「草醤」(くさびしお) 、「穀醤」(こくびしお) などがあります。

三千年近い昔、中国・周で、「醤」という漢字が使われた記録が最古のようです。それ以前も「醤」が存在したと考えてよいでしょう。

「大宝律令」から、5~6世紀頃には日本にも伝わったのは間違いなさそうですね。「延喜式」には、はっきりとした、「醤」の記述がありますから、8世紀頃に京都で作られていたのは確かです。

さて「醤」が、現在の醤油の形になったのはいつ、どうしてって事になりますが、このあたりがはっきりしません。

信憑性のある説は、13世紀頃の南宋鎮江(江蘇省)の金山寺で作られていた、刻んだ野菜を味噌につけ込む『金山寺味噌』
これが、紀州湯浅に伝わり、この味噌の溜(たまり)を調味に使うと美味しい事が発見され、液体の醤油作りはここから始まった。とされる説です。

どちらにしましても、「しょうゆ」が使用されていたのがはっきりとしているのは、江戸に入る少し前の時代くらいからで、江戸時代に刺身や寿司の流行に合わせて庶民に広まりました。

醤油の種類

JASでは、「こいくち」、「うすくち」、「たまり」、「しろ」、「さいしこみ」、の五種に分類してまして、他に、減塩しょうゆや刺身しょうゆ、だししょうゆ、土佐しょうゆ等の合わせ醤油もありますね。

こいくち(濃口)
一般的な醤油で、約9割はこれ。関東地方で発達した。 香りが強いので、魚や肉の臭い消しに良い。

うすくち(淡口)
色や香りが薄いが、塩分濃度は高い。
汁物、煮物、うどんつゆ、他、現在の和食で好んで使われる。
みりんやだし汁との相性が良いからです。 関西地方での使用が多い。

たまり(溜り)
東海3県・九州地方が主産地で、色は濃いが塩分と香りは控えめ。
コクを出したり、照焼きのタレにしてテリを出したりする。

さいしこみ(再仕込み)
甘露しょうゆの事である。
濃い口を二次発酵させ、濃厚にしたもの。
刺身や寿司に向く。

しろ(白
ハク醤油とも呼び、大豆が少なく、小麦が中心だが、いずれも少量で、透明に近い淡い醤油である。茶碗蒸しなど、色や風味を活かしたい料理に使う。

詳細は
うまい醤油

カン味(塩辛味)・苦味・甘み・うまみ・酸味、の五味に、麹の複雑な発酵過程で生まれる「香り」も加わった、奇跡ともいえる万能調味料。ありがたい存在です。