浅漬けと千枚漬け
浅漬け(あさづけ)っていいますと、「古漬け」の反対で、酢漬けや糠漬けなどの漬物を、短時間で仕上げたもの。または胡瓜、大根、茄子などの野菜を短時間で調味したもの。即席漬け、一夜漬け等とも言います。
けれども、和食でいうところの本来の浅漬けは「べったら漬け」のことです。もっと正確には、大根を塩とぬかで軽く(浅く)漬け、それをこうじに漬け直す(本漬け)したものが浅漬けで、白いべったらとは別種でした。いつの間にか、こうじで真っ白にしたべったらと合わせた二種を浅漬けと呼ぶ様になりました。さらに最初書いた即席漬けが浅漬けであると思われる様になってます。
白菜漬けの説明は無用でしょう。簡単なこともあり、家庭で漬ける方も多いでしょうから。注意点は塩の量を正確に守る事。塩辛くなれば洗って塩抜きしなきゃなんねぇし、洗えば水っぽくなってしまいます。その万能性と美味さですっかり定着してる野菜ですけど、意外と日本に根付いたのは遅く、明治になってから。戦争で大陸に行った農家出身の兵隊が、あまりの旨さに中国から持ち帰って広まったといいます。
野沢菜は「カブ菜」です。京都から「天王寺かぶ」を持ち帰り、信州の在来種と交配させたのが始まりらしい。持ち帰ったのが長野県野沢村温泉の住職さんだったからこの名になり、温泉の湯治客から全国に広まりました。
そのカブから作る京都の名産千枚漬けの作り方を紹介します。
千枚漬けの作り方
4キロにもなる大きな聖護院かぶを使って作ります。一回り小さな中カブ「天王寺かぶ」を代用にすることもあります。冬場の代表的な漬け物のひとつ。
★2~3ミリの輪切りに薄く切ったカブに薄塩をして重しをし、水切りします。
★水気が切れたら、昆布の煮汁にみりんを加えた漬け汁に。
★赤唐辛子を加えて漬け込んでおく。
★食べるときは3枚程重ねて十字型に包丁し、切り分ける。
日持ちのしない漬物ですんで、早めに食べなきゃいけません。