日本のお盆料理
盂蘭盆の時期です。
関東は月おくれ盆ではありませんので、7月の「お盆」ですが、今は全国的に「月おくれ盆」が主流です。8月の旧盆ですね。そいで故郷で過ごされた方も多いでしょう。夏休みってわけです。
「お盆」は仏教行事ですんで、お盆料理は精進料理が基本になります。
日本料理は5種に区別されます。
【本膳料理】 冠婚葬祭に使います。
【懐石料理】 茶の湯から起きました。
【会席料理】 懐石を崩した宴会料理です。
【即席料理】 一般の料理です。
【精進料理】(普茶料理)菜食の仏門料理です。
お盆料理とは
お盆料理は、本膳料理の作法に則った精進料理になります。
けれど精進とは言いましても、生臭さを完全に除けた厳粛な料理は、ほとんど作られる事はありませんね。本膳料理も、もう作られてないんです。特殊な世界のみで作られてるだけです。
本膳料理とは
室町時代に成立したと思われる武家や貴族の宴会料理。
式三献、雑煮、本膳、二の膳、三の膳、硯蓋と膳が続き最大七膳まであったという。貴族階級の接待料理の意味合いが濃く、献じる主旨から「見るだけの料理」が多く、これが現在の冠婚葬祭に本膳流の名残が見られる因子であろう(たとえば箸を付けぬ「睨み鯛」など)。
一汁三菜から三汁十五菜まで献立は様々だが、本膳に七菜、二の膳に五菜、三の膳に三菜が基本形である。
現在は完全に廃れ、本膳形式の料理が食べられるのは大分の『喜楽庵』や京都の『山ばな 平八茶屋』、そして飛騨高山の『料亭洲さき』など僅かしか残っていない。
本膳形式を残す飛騨の老舗「洲さき」の『宗和流本膳』
飛騨高山 料亭洲さき
※『幕の内弁当』は本膳料理を簡略化したものです。
お盆料理の形式
お盆料理は「二汁五菜」。本膳に一の汁、膾(なます)、坪、香の物、飯を、二の膳に平、千代口、二の汁、別皿に焼き物または揚げ物を供します。
●一の汁 味噌仕立て
●膾(なます)
●坪 胡麻豆腐等の前菜
●香の物
●飯
●平 焚き合わせ等
●千代口 和え物等
●二の汁 清汁
●皿 焼き物、揚げ物等
イメージとしては、こんな感じになります。
精進はあくまで基本。厳格に守る必要はありません。動物性タンパクも大切です。バランスを考えて、独自のアレンジにしてみて下さい。
古いお盆料理の形をイメージしやすい「洲さき」の『宗和流本膳崩』
飛騨高山 料亭洲さき
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