和食の基本料理→だし巻き卵

  

だし巻き玉子

だし巻き玉子は、だしの量が多いとなんとも言えずジューシーな口あたりのたまご焼きになりますが、少々焼き難いです。反対にだしの量が少ないと巻きやすくなるかわり一般のたまご焼きに近いものになります。

一本のだし巻きは卵5~6個で巻けます。
それに対する出汁の量をカップの1/4くらいから始め、慣れてくれば1/2くらいまで徐々に増やして行くといいでしょう。

味付けはだしを生かすため淡口しょう油を少々入れるだけというものから、砂糖を多目に入れて塩を少々加えた甘口まで色々です。これは自分の好みにするといいでしょう。

この料理は卵焼き鍋(又はフライパン)の性質を知っていればそう難しいものではなく、鍋になぜ材料が張り付かないのかを理解できれば、玉子焼きはできたも同然です。

油を使って材料を焼く鍋は、何度も使用していますと表面に薄く油の層が張り付きます。
※この膜は金タワシなどで洗ってしまうと落ちてしまいます

この膜が有る状態を「油が馴染んでいる」と言い、この状態で焼くと鍋肌に材料が引っ付かないのです。
(これを最初から人工的に再現してあるのがテフロンなどの特殊コーティング鍋です)

この種の鍋はゴシゴシと洗ってはいけない。
フライパンでも洗剤は使わず、タワシでさっと水洗いするだけ。
そしてしっかり水気を乾燥させておきます。(空焼きがよい)

卵焼き専用鍋などは、洗わずに表面を拭くだけです。
理由は「膜」を残しておくためですね。

焼くときにこの鍋の性質をさらに有効にする方法は「予熱」です。
つまり材料を入れる前に充分鍋を熱しておくのです。
そこに油を加えて熱することで膜の性質を活かせるのです。

油の量は少量がよい。
膜の上に薄い膜を張るという感じです。

油が多すぎれば「膜」ではなく「スケートリンク」になってしまう。
卵液がツルツルと滑ってどうにもなりません。

入れた液になるべく早く火が入るのが理想。
なので、火は中火以上。
下はパリパリ、上は半熟の状態で巻き始める

これは弱火ですとうまくないし、油が多くてもダメ。
入れた液が素早く上の状態になり、それを次々に巻き込んでいく。
これを膜状の油と強い火が可能にします。

このへんに注意しながらやってみて下さい。
具体的なやり方は下記を
だし巻き玉子の作り方

※上のように出来上がっただし巻き卵を鍋蓋に取らず、マキスをかぶせて鍋をひっくり返せば、容易に焼いた玉子焼を取り出せます。
さらにマキスで形を整える事もできます。玉子焼は熱々の間は好きな形に成形できます。マキスで丸い形にしてもいいし、上下に菜箸をおいて輪ゴムで両側から圧しておきますと「ひょうたん」の形もつくれます。圧をかけて冷めるまでおいておきましょう。

※だし巻きなので、だしの量が多い方が美味しいと感じるのは事実です。しかし焼く時に破けたりして巻くのがむずかしい。だしを増やしても破け難くする方法は、水溶き片栗粉(又は葛)を大さじ1ほど加えて巻くこと。そうすると簡単に巻けます。しかし出来ればこれはなしで練習した方がいいと思います。だし巻き独特のジューシーさが犠牲になりますので。

この方法は薄焼き玉子でも同じく使えます。破れてしまうという人、あるいは薄焼きで何かを巻き込むので丈夫に焼きたい場合などにやるといいでしょう。