ゆうあん焼き
ゆうあん焼きは、茶人「北村祐庵」が考案したとされる酒・みりん・醤油を同割りにしたつけ地(幽庵地)につけて焼く方法です。
幽庵地に柚子を入れて用いるケースが多く、この焼き方は「柚庵焼き」と書きますが、今ではこの区別も曖昧になっています。つまり【祐庵焼き】【柚庵焼き】【幽庵焼き】この三者は同じものなのです。
この幽庵地は江戸時代のものとはいえ、ピタリと決まっていて、あらゆる味付けのベースとさえ言えるほどです。鳥獣肉にも合いますし、当然ながら魚にも適します。白身系の魚ならば種類を問わず非常に美味しい焼き物ができます。
脂分の多い白身は漬け時間を長くすればいいわけですから、要するに身の赤い魚であっても可能だということになります。
簡単なわりには、茶人が考案した料理らしく、仕上がりは上品ですよ。
ゆうあん焼きの作り方
① しょう油・ミリン・酒を同じ量混ぜ合わせ幽庵地を作る
※好みで幽庵地に柚子の輪切りか、絞り汁を入れる
② 魚を切り身にする
(おすすめはサワラ、タチウオなど白身の魚。ブリやカジキなどは長時間漬ける)
※幽庵地は焦げやすいです。切り身が大きいと表面だけ焦げて火が中まで入りません。切り身を薄めにするか、厚い場合は深い切り目を入れて火が通りやすくしましょう。
③ ②の魚を①に入れて漬け込む
魚によって違うが平均30分ほどでよい。
※非常に脂の強い魚は一晩漬けてもいい
④ グリルやオーブンで焼く
※切り身は汁気をよく切っておく事
クシャクシャにシワを入れたアルミ箔に乗せて焼くといい
⑤ ある程度火が入ればハケで幽庵地を塗る
何度か塗ってほどよい色に仕上げる