鼈(すっぽん)の捌き
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スッポンのさばき方は「四つおろし」/「四つほどき」という方法を使います。腹を中心から割り、前足、後足を分けてから捌くやり方。
爪、甲羅、胆嚢、膀胱、この四つ以外は全て食べられます。
スッポンは鼈と書き、アジア、アフリカ、北米に生息、それぞれの地で古くから食用にされています。中華やフレンチではスープ煮や蒸し煮が多い様です。
国内で食用とされるスッポンはほぼ全部が養殖で、たまに野で捕獲されるスッポンも殆どは養鼈場から逃れたものです。日本で天然を買う場合は台湾や韓国、東南アジアからの輸入になりますね。ですから旬は冬眠に入る前の秋から初冬なんですが、養殖のが年中流通しています。
スッポンは傷みが早く、死ぬと強烈な臭気が強くなってしまいますので、基本的に鯉と同じく生きているものを料理直前にさばきます。
スッポンのさばき方
鼈は傷みやすいので生きたものを使います。死んだスッポンは急速に臭みが回り、とても食べられるようなものではありません。高温に弱いので、涼しい場所に置いておきましょう。少しだけ水を張った容器に入れておくといいでしょう。
すっぽんの〆方
大変に用心深く臆病な性質なので、まな板上では首をひっこめてしまいます。腹を上に向ければ起きようとして首を出しますので、ひっくり返して首をつかむといいですね。その際右利きの方は頭を左にした方が良いでしょう。
サバキでこれが一番困難な作業になります。スッポンを捌こうとして無理だとあきらめる人の殆どはここで引っかかってしまうのです。首を切り落とす場面ですね。
可哀想、気持ち悪い、怖い、こういった感情はつきものですが、それでは失敗します。心を切り替えるしかありません。
布巾などに噛み付かせる方法もあるんですが、
鼈はすぐに頭を甲羅に引っ込めるものです。最初は殆ど失敗して首を引っ込められ、途方にくれてしまいます。
ためらったり、噛まれるのを怖れていては、首をつかみ引っ張り出せません。首を伸ばした瞬間に左手で首根っこを握り、めいっぱい引っ張りだして根元から手早く切断します。
切断したら器に血を取ります。
酒かワインを少量入れておけば固まりません。
すっぽんを解体する
頭はアゴの左右に庖丁して皮を切っておく。
甲羅とエンペラ(周囲の柔らかい部分)の境目にグルリと一周庖丁目を入れます。
指を入れて甲羅をはがします。
膜などが邪魔なら少し庖丁で助けながら剥すとよいでしょう。
剥したら尻の真ん中を切断
左右二箇所も切っておきましょう
次に、臭みの強い尿袋を切り取ります。
臭気がひどいので傷をつけず根元から刃先を使って切り取る。位置がよく分からぬ場合は排尿器官の場所を確認すればいいです。
腹を上にし、固い部分を避けて庖丁を下まで入れると、
先ほどの左右の切り込みに達しますので、そのまま鼈を二つに切り分けます。
次に下側のエンペラを切り離しておきましょう。
庖丁の先を使い内臓を取ります。
肝臓はともかく、マメ状の心臓、腎臓、胆嚢は見分けにくいもの。胆嚢は「苦玉」と言いまして、食用にはしませんので、潰さない様にして廃棄します。
幸い胆嚢は濃いブドウ色をしてますのですぐに分かります。
注意して切り離しましょう。
他の内臓は食べられます。
腸は内部をしごいて綺麗にします。
メスなら卵もとっておく。
甲羅とエンペラはさっと湯がき水に取って薄い皮を剥きます。
爪は根から切り落とします。
肉は四つの足周囲と、首の部分にあります。
皮を剥きつつ肉を骨から離します。
甲羅と骨に昆布を少々加えて煮込むと、絶品のスープがとれます
鍋や雑炊以外にも揚物や焼物、椀物などにもします。
うなぎ・天ぷら・ふぐ・すっぽん・あんこう―日本料理技術百科3 (別冊専門料理)