即席漬け
即席漬けは、作ってすぐに食べられる漬物。
「浅漬け」や「一夜漬け」と同じ意味で用いられる言葉ですが、この両者は短時間であっても「ある程度の漬け込み時間」が必要であり、本格的に漬けた「古漬け」に対しての浅漬・一夜漬になります。
→浅漬け
意味合いにおいてこの両者も即席漬けの一種という事。
ですが、細かく言うと「浅漬け」「一夜漬け」よりも手早く食べられる漬物類を即席漬けと呼び分ける事もあるのです。
塩や酢の力を借りてすぐに食べられる即席漬け。
作り方や、その出来上がりは「和え物・酢の物」と近しく、境界線は曖昧。酢の物などとの違いを明確に言うのは困難です。
はっきりした違いは、和え物・酢の物は盛りつける直前に和える。
だが即席漬けは最初から調味液を混ぜて漬け置くという事。
前者がドレッシングをかけるサラダなら後者はピクルスでしょうか。
基本的に漬物も和え物・酢の物も「野菜を生食する調理法」という広義の意味で同じ物。それほど厳密に考えず、幅広く各手法を応用して創意工夫してみるのがいいと思います。
野菜の余分な水気をさっと抜き、補助的な調味をするだけのものです。
色々なやり方を開発できる楽しさがあるのですよ即席漬けは。無限の可能性を秘めているといってもいいでしょう。
即席漬けの作り方
基本的な作り方は塩を小さじ1程度使う方法。
・カットした野菜に塩を振りかけボールなどへ入れる
・軽い重しをのせて水があがるのを待つ
・軽く絞って器に盛る
即席漬けバリエーション
しょう油漬け
しょう油の塩分を利用するので塩は使いません。
生で食べられる野菜は薄く切り、そのまま使う。
下ごしらえ(湯に通す等)やアク抜きが必要な野菜は一手間。
基本的には【しょう油1・酒1】の調味液で漬ける。
しょう油をベースに2割程度のミリンを加えたしょうゆ漬けもある。
※バリエーションは豊富(からし醤油や酢醤油など色々)
酢や砂糖を加えて味を調整します。
甘酢漬け(又は酢漬け)
これはほぼ酢の物と同じです。
酢の物は必ずしも「漬け込み時間」を必要としないが
甘酢漬けのように一定時間漬けて味をなじませるもの。
こうしたものは「漬物」の範疇でもあり即席漬けとして使えるのです。
ハリハリ漬け
切り干し大根等を使います。
輪切りにした赤唐辛子、昆布の細切りを加えたものです。
だしにしょう油、砂糖、酢を加えて甘酸っぱい味にします。
レモン漬け
輪切り、あるいは半月や銀杏に切ったレモン。
それと野菜の薄切りを混ぜてなじませるだけのあっさり漬け。
いずれにしても調味液を混ぜて10~30分で食べられます。
即席糠漬け
発酵食品同士であるパンとビールを使います。
・食パンをちぎってひとつかみの塩を加え、厚手のビニール袋に
・飲み残しのビールを 加えてもみほぐし、糠味噌程度の固さに
・お好みの野菜を入れて冷蔵庫で一晩
※漬物の生命線は「歯ごたえ」
これを残すために野菜は繊維に沿って切るようにしましょう。
(非常に硬い物などは例外)
※即席漬けは”電子レンジ”を使えば5~10分ほどで作れます。
・手頃なサイズにカットした野菜を平均2分ほど加熱
・それを甘酢や醤油など好みの漬け液になじませるだけ
・塩漬けならば最初に数十秒加熱し、塩を混ぜてさらに加熱
基本的に粗熱がとれた頃には味が馴染みます。
手早さという点では一番かも知れませんね。
だだし、これを漬物と呼べるかどうかは疑問です。
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