白紙本焼の切れ味
おいらはまだ日本刀で魚をさばいた経験はありません。
(当たり前かもしれませんが)
そもそも日本刀がいくら切れるといっても全ての道具には「用途」ってのがありますので、それを無視した使用は最良の結果を生みません。逆になってしまうでしょう。
それでも日本刀には底知れねぇ魅力があるんですよ。「使いたい」とも思う。まともに捌けないのは確実でしょうが、それでも思う。
そんな思いを仮に味わえるのが玉鋼の包丁でしょう。しかしこれはある意味日本刀よりも貴重な品ですので実際に使用することは出来ません。「飾りもんかよ」と言われれば「はいそうです」としか返答できないですね。
本焼 白紙1号
では実用的な包丁で日本刀に近い感触を得られるものは無いのかと言うと、あるんですよ。包丁用和鋼には黄鋼、白鋼、青鋼などがあるんですが、この中の白鋼(白紙)は不純物が極めて少なくとても純粋な鋼でして非常に硬いです。特に1号の白紙はとても硬い。
白紙1号
炭素量が全体の1.30%~1.40%入った素材です。白紙関係で最も炭素量が多い素材で、硬い刃物を造る事ができます。究極の鋭い切れ味を出す事を考えれば、この白紙1号で本焼を造ると良いかも知れません。かなりのキワモノが出来ると思います。しかし、キワモノは良い腕が無いと逆に敵に回ってしまう。例:錆びる、欠ける、折れる。ネガティブな響きの3種類が、あなたを襲います。それを理解した上で、購入される事をお願いします! ちなみに白紙1号Aっと言うのは、僕が知らないだけかも知れませんが市場にあまり出ていないと・・・
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そのキワモノがこれです。
かなり短くなり波紋が消えかけてますが
刃先が波紋に達するほどではありません。寿命はまだまだ先。
切れの比較は刺身の角が一番良いんですが、一般の方には違いが分かり難いし、カメラマンの撮影術も必要です。それで安直ですが、面白い事をしてみました。
本焼包丁の切れ味
水に笹の葉を浮かせます。
包丁の重心を持ち、そこを支点に振り子の要領で葉を叩いてみます。
力は入れません。
白一本焼では二つに切れました。切り口に乱れはなく直線できれいです。
まったく同じにして青二鋼(青紙)でやってみたやつが下です。
二つに切れましたが、芯が乱れてしまいました。
普段使っている時の切れ味の感想なんですが、青二は「重く深く切れる」で、白一は「勝手に切れてる」感じと言いましょうか、カミソリで刺身を切るとこんな感じかなってところです。
これは主に刺身にしか使いませんので、手入れは楽です。
天然砥石か仕上げの12000を使い、刃先を出した後に新聞紙で仕上げ研ぎするだけです。滑らかが好みですのでそうしてる訳です。
少しサビやすい傾向がありますんで注意はしています。鏡面に点サビが入ったら悲惨ですからね。
包丁など刃物の話を始めますと、どうしてもマニアックな深みに行ってしまう傾向があります。けどもこういったブログでそれをやれば十中八九読む方は面白く感じないでしょう。引いてしまうのは確実だと思われます。
どこらへんで話を止めるかが、包丁の話を書く時のポイントだと考えているんですよ。包丁だけじゃなくこのブログは全般的にそうだと言えるんですけどね。なぜ「深み」に注意するのかと言うと、読みやすくしたいってのが一番の理由ですけど結局は「専門書」にはどうやっても及ばないからですねWEBサイトでは。
やはり労力をかけて専門家が書いた本は違います。深みにハマりたい方はそちらに向かいますし、またそうすべきだと思います。活字を読むのは大切な事です。おいら自身も読書が好きで、WEBが3なら読書は7ってところでしょうか。
素早く情報を探せる便利さはありますけどねネットは。そういえば昔から読書は目に悪いとされていますけども、PC画面はそれを上回る気がします。読み込むと疲れが凄いですよね。皆さんも注意なさって下さいね。
PC慣れしてしまった目には意外と本の活字が新鮮で安心感みたいなのを感じたりしますよ。しかし肝心の時間がなかなか作れないのが悲しいです。あぁ~早く引退したい(笑
では皆さんGWを大いに満喫なさって下さい。
(こちらは戦争ですが(哀)
今日もご訪問ありがとうございました。
魚山人