牛刀を研ぐ角度
誰かさんに包丁をあげて数ヵ月後のこと。
「全然切れなくなった、研いでも切れない」
そいつを見てみますと、
(上と下。リブ付グレステは刃が生きてます)
かなり厚くなっています。
分かりやすく言うと「丸刃」
もっと簡単に言うと刃が無くなっています。
ここまで丸くなるともう自分の指を切る心配は無いわけですけど・・・
材料も切れないんで、こりゃあ包丁の意味がありませんよね。
ちゃんと刃を付けてからあげたので、ここまで丸刃になる理由が分かりません。白ネギを一日何箱も刻んででもいるんでしょうか。
けども、原因はこれでした。
砥石代わりにこれでギコギコやってたらしんです。
こいつもピンからキリまでありまして、良いものはちゃんと角度を一定に保てるんですが、100円で買えるような物ですと刃をローリングしてる様なもの。
しょうがないんで研ぐことにしましたが、欠けたりしてるわけではありませんから直し砥石を使うまでもなく、荒砥で充分。
丸刃が馬鹿っ刃と言われるのは、研いでも研いでも鋭くならず、しまいにゃ砥ぐほどに逆に切れなくなるような感覚になってしまうからです。味付けで塩を加える時の味覚喪失「馬鹿舌」と同じってこと。
片刃の和包丁でも丸刃直しは大変ですが、洋包丁は研ぎなれない人にはまず刃を出すまでに至らないでしょう。いくら研いでも刃が付きません。
それはやはり角度が分からないからだと思います。
*基本は6:4
45度が良いでしょう。
と言ったところで分度器があるわけじゃなし、そんなもん感覚的にわかるわけないってこと。画像にしても角度を伝えきれません。
そこで洋包丁に刃を出して切れるようにする角度を、こんな物を使って表現してみました。
まずこちらの側面はこんなもんです。
ペットボトルの蓋を背かませた高さ
裏はこんな感じ。
箸を背にかませた高さ
切っ先を研ぐ時はこの様に押さえます。
これを何セットも繰り返せば刃が付きます。
爪にのれば(くい込めば)OKです。
ゴミなどを使い切れ味チェックするには、まず刃先を当てて止めまして、
押さずにスパッと引いてみます。
途中で何の抵抗もなく最後まで切れて、切断面がシャープなら合格
この後、変な感じのシノギを消し去り、少し厚みをなくし薄くするため調整研ぎをします。要するに厚ぼったくなってしまった切刃部分を薄くしておくんです。洋泡丁は筋引きや洋出刃系以外はシノギが無い方が切れ味を保てます
ちなみにこれは肉専用にしてる包丁。
刃のエッジが分かりましょうかね。
少し荒い「糸引き」が付けてあります。
これにより切れ味が長持ち(長切れ)するという訳です。