魚サバキの概要
サバキ(捌き)・オロシ(卸し)は動詞や慣用で、言葉自体にそれほど強い意味合いはありません。たとえばオロシには「卸」という字を当てていますが、「下ろし」と書いても特に間違っているとまでは言えないでしょう。捌きを「裁き」と書くのは少し違いますけどね。魚の処理についてのサバキ・オロシとなると曖昧さがあって当然なのかも知れません。
言葉というのは複雑精緻で、そのへんの難しい「言語学・国語学」については専門の学者さんの分野でありますから、深く知りたい方はその方面を調べていただくとして、ここでは掘り下げません。
ここで説明するのは「調理における魚介のさばき」についてです。
鳥獣肉もやはり「サバキ」という語を使います(各分野ごとに慣用句が異なり専門用語的になってますが。例えば「ほどく」など)。 けれど、以下は魚介に限った話になります。
魚を捌く とは
魚のサバキは、大きく「水洗い」と「おろし」で構成されます。
水洗いは、魚をおろせるようにするまでの手順を意味します。
オロシは「身おろし」とも言い、包丁などを使って肉を食べられるようにし、調理への下ごしらえへ進む第一段階になります。
水洗いの流れ
【1】 表面粘液やウロコ(又は殻・棘)を除去する
【2】 エラ・内臓を取り出す
エラを除去
ワタを除去
【3】 頭・カマを落とす(料理によっては落とさない)
【4】 上の過程で出た血や汚れを洗い流す
水洗いの終わった魚
【5】 オロシに備えて水気をふき取る
1~4までの作業に必須なのは「水」ですね。そういう事からこの段階を水洗いと呼ぶようになったのでしょう。
オロシ
水洗いを完了した魚を目的に合わせたブロックに包丁するのがオロシです。
二枚におろす
片方に中骨がついているので魚体は二枚になります
三枚におろす
中骨、両側の身、合わせて三枚
五枚におろす
背の身2枚、腹の身2枚、中骨を合わせて五枚になります
背腹2枚ずつの身肉は「節」といいます
節をさらに整形して最終カットしやすいようにしたのが、短冊。略して「サク」と呼んでいます
長ザク
手ザク
小さい魚で魚体を使う料理などは例外として、だいたいの魚料理はここから調理段階に進みます。つまり、サバキ終了ということですね。