すき引き庖丁
小さく細かい鱗を持つ魚や、身に圧を加えたくない魚などは、ウロコ金を使わず包丁でウロコを引く場合があります。
ヒラメとかブリ系の魚のウロコは非常に小さく、これをウロコ引きでガシガシやっても、ウロコが取れているのかどうかよく分からんのですな。実際落とし残しがかなり出たりします。
小さいウロコなので気付かずにそのまま卸してしまうことになり、まな板にウロコが付いてしまったりする。すると刺身にもウロコが移る。最低です。
まぁ魚屋さんとか回転寿司チェーンなどでやっていますように、「金タワシ」で擦ればこのような細かいウロコも取れはしますが、和食の板は別のやり方で取ります。
【梳き引き】という包丁手法です。
こうして包丁でウロコを取ってしまうのです。
アマダイ
ウロコを梳いてしまうので、スキビキです。
実際はウロコの下にある薄皮ごと切り取っているのですが。
ブリで見ると分かりやすいでしょう。
ウロコの下にある薄皮ごと削いでいるんですね。
ウロコのみを取ろうとすると、失敗します。
難しいのは、その薄皮の下にある薄皮(表皮第三層。身皮の外にある皮)を切ってはいけないこと。
その薄皮とウロコ皮との中間に包丁を入れ、それを保持したままウロコを梳いて行かなければいけません。
包丁がズレると身の方の薄皮を切るばかりか、身まで抉ってしまいかねません。そのへんが簡単ではないところですね。
これにはコツというものはなく、桂剥きと同様に「慣れること」「包丁が切れること」 それしかないと思います。
ウロコを除去しましたら、皮を引きます
色々な魚の皮の引き方・むき方→
梳き引きからの派生
薄く梳くように引いて切る。これは魚のウロコのみではありません。
野菜などの皮でも出来そうですよね。実際に和食では野菜もこれで剥く事があります。
転がし
円筒形の材料で行います。
材料をまな板に置き、下に包丁を入れて梳く。
これはキュウリです。
キュウリ梳きの引き動画→
このやり方を現場ではキュウリの転がしと呼んでします。
円筒形でしたら大概の材料で出来るわけで、大根や人参の桂剥きもできますし、下のように沢庵でも可能です。