野菜切り方の基本
野菜切り方のコツ
①野菜庖丁は押し切り
庖丁は垂直に真っ直ぐ上から下へ押して切るものではありません。必ず手前に引くか、向うに押すかしながら切り下げます。
魚の場合は引き切りが多くなりますが、野菜は押し切り。
理由は、食材の組織をなるべく壊さないためです。
野菜や魚には細かな繊維が走っています。野菜の場合その繊維が丈夫でしっかりしています。これを引き切りにすると最後まで安定した力が入りません。繊維の抵抗が庖丁に負荷をかけるのです。だからどっしりと安定した力が加わる押し切りなのです。
野菜の繊維は目で見てはっきり分かります。多くの場合上から下(葉方面から根へ)に縦に走っています。
この繊維に沿って並行に庖丁して切りますと、シャキシャキした口あたりを残せます。その口あたりを楽しみたいサラダや膾(酢の物)に適しますね。
反対に、繊維を切断する形で直角に庖丁しますと柔くなる。これはお汁の実とか「しんなり」させたい場合に適します。
和食では刺身のつまに使う白髪大根(大根の極細切り)にしても、繊維に沿って切る「たてけん」、横に切る「よこ褄」と二種に分けます。
刺身のつま→
横から打ったものは柔らかく丸まりやすいので、刺身の下へ敷く「敷き褄」にするのです。これは和食作法では食べない場合が多いのです。(実際には食べてもかまいません)
こうした野菜の性質に合わせた切り方をマスターする事は、料理上手への近道になります。まずは基本の和食庖丁技術を覚えましょう。
②包丁と切り方、基本のキ
清潔な布巾は必需品です。濡らしてきつく絞り、折畳んで常にまな板の左上に。まな板を拭き、きれいにすると同時に、庖丁も拭き取ります。
連続で食材を切っていると内部の液が庖丁に付着します。
ときどき布巾で拭き取りましょう。
庖丁をしばらく使わない時は、乾いた布巾や紙など水気の無いもので水分を完全に取り去ること。
切る野菜のサイズ
茹でた青菜などを切る場合、昔から適正なサイズは1寸(約3㎝)とされており、これを寸切りと言います。
三センチといっても、切る時にいちいちモノサシを出すことはありません。
人差し指と中指の二本、この指先の合計サイズが丁度一寸なのです。
「五センチ長さに切る」
「大根・人参を5㎝に切って・・・・」という表現が非常に多く、なるほど5㎝はちょうどよい長さです。これは先ほどの中指二本に薬指を足すだけです。
ひとたけ
ちなみに小指まで含めると7センチほどになり、これを料理の世界では「ひとたけ」という事があります。
すしネタのサイズもそうですね。
寿司ねたの切りつけ→
さらに、五寸(約15センチ)は、握り拳の小指から親指の端から端までです。(拳を握って親指のみ開き、その親指の先までの長さ)
お相撲さんや赤ん坊でもない限り、誰でもだいたい同じになります。多少誤差があるにしても、キッチリ5センチでなきゃいけない料理は普通ありません。
野菜カットの基本型
基本の切り方
よく使う切り方
輪切り | 半月切り | いちょう切り | くし形切り |
色紙切り | 短冊切り | 拍子木切り | さいの目切り |
小口切り | せん切り(細切) | みじん切り | 斜め切り/笹切 |
寸切り | ぶつ切・ざく切 | 乱切り | 束ね切り |
そぎ切り | 白髪ねぎ | 針しょうが | ささがき |
お椀などに
算木切り | 亀甲切り | うす切り | 扇面切り |
地紙切り | うろこ切り | みなと切り | 利休切り |
木口切り |
下ごしらえ~カット
キャベツ | ピーマン | タマネギ | ジャガイモ |
カブ | ブロッコリー | ナス | ハクサイ |
ホウレン草 | カボチャ | ゴボウ | トマト |
トマトの皮剥き | ショウガ | ヤマイモ | ダイコン |
ニンジン | キュウリ | セロリ | シイタケ |
ショウガ | サトイモ | タケノコ | ウド |
葉ショウガ | レタス | レンコン | ゴーヤー |
三つ葉 | ニンニク |
基本の飾り切り ほか
シャトー切り | 面取り | 鹿の子切り | カップ玉葱 |
手鏡カブ | 手綱こんにゃく | アボカドの切り方 | 柿を切る |
おせち料理などに
飾り切り 図解
ねじり梅 | 花れんこん | 鶴子いも | 花片ショウガ |
花ゆり根 | 羽子板紅白 | 蒲鉾飾り切り | 矢羽根切り |