コウイカ・スミイカのさばき方
甲イカは、スミイカ・ハリイカ・マイカとも呼ばれるイカです。
コウイカ系は外套の背側皮下に石灰質の船形の甲を持つのが特徴で、日本近海では20種ほどが確認されています。
コウイカ
コウイカ系特有の甲(フネ)・画像左下
背中側にシマウマみたいな横縞模様があり、裏側の腹は白いのが、スイミカの特徴。
コウイカの仲間で一番親しみがあるのはやはり「甲イカ」ではないでしょうか。12月から3月にかけてよく獲れて旬を迎えます。
今ではこれらの甲を持つイカは外国産も含めすべて「モンゴイカ」と呼ばれる事が多いんですが、本来、紋甲イカ(もんご)とは雷イカの事です。下のさばき方で使っているのが雷烏賊(紋甲いか)です。
それではコウイカを捌いて刺身を作るまでの流れを紹介します。
コウイカのさばき方
モンゴイカを使ってさばき方を紹介します。
甲イカ系のさばき方は皆同じですので、甲羅を持つ他のイカでも同じようにできます。
モンゴイカの正式な名は「雷烏賊」ですが、一般的には寿司屋も含め「モンゴ」と呼ばれるイカです。(上記のように今ではコウイカ全部をモンゴと呼ぶので、カミナリイカの名を知らない料理人が大勢いますが)
モンゴは中華料理にもよく使われます。外皮に丸い紋様があり、目玉の様な一文字が分かると思います。
この模様から、別名「マルイチ」とも呼ばれます。
どのイカ類も、基本的に背中の中心を切り開くやり方は同じです。
(他にもやり方はありますが)
甲イカだけの特徴は、石灰質で出来た船形の固い甲です。これを「フネ」と呼びます。コウイカ系のサバキは最初にフネを取ります。
(1)コウイカの甲を取り出す
①甲の中心に切り目を入れ
②強く張り付いている部分は包丁で助けてやり
③頭側に押し出すようにして取る
④甲が取れました。
(2)コウイカのワタを抜く
背中を開いているので、処理は非常に簡単です。
目の下あたりをつかみ、上に持ち上げるようにしながら反対側に引っ張ると、内蔵全部が頭ごとキレイに取れます。
残った汚れなどを洗い落とせば完成。
(3)コウイカの皮剥き
まずは外皮を剥きとります。
耳(エンペラ)と身の間に親指を突っ込んで、耳をつかんで皮ごと身から剥ぎ取ります。
詳しく見てみましょう。
①先頭の方をめくり上げるようにして少し剥がし
②指で探るようにしつつ左右均等に剥がしていく
※①、②の親指に注目してください。指の動きがポイントです
③1/3程度まで剥けたら、あとは一気に引っ張って剥き取ります
これで外皮が剥けました。
加熱調理してイカの料理を作るのなら、これを適当にカットして使います。
刺身系にするなら、さらに内側の薄い皮も剥きましょう。
コウイカの刺身
コウイカ類とアオリイカの薄皮は口に残ってしまうので、そのままで刺身に切ると食感が悪くなります。薄皮も丁寧に剥いてから刺身にしましょう。
(1)コウイカの薄皮の剥き方
イカの四隅に8分目ほど庖丁目を入れておきます。
(切り離さないように注意)
胴体の先
側面
切り目を折り曲げると、薄皮を剥き始める手がかりになります。
その手掛かりからゆっくり全体的に剥がしていく。
ひっくり返して腹側の薄皮も剥きとります。
※薄い皮なので全体を均一に剥かないとすぐに切れてしまいます。
※うまくいかない時は、濡れ布巾でこする様にしながら少しずつ剥くといいでしょう。
(2)コウイカを刺身にする
薄皮を剥いたコウイカを切り分ける
小さかったら二等分
やや大き目だと三等分に
これを小口から5mm~1cm幅に切れば刺身になります。
また、サクに切り分けずに背の方に包丁目を入れて腹側に海苔を置いて巻き込みますと「イカの鳴門作り」になります。
海苔の代わりに大葉を巻き込んだ刺身もよくあります。
寿司ネタなどに使う幅広刺身はそぎ作りで切ります。
イカのねっとり感を味わうならそぎ作りにしてください。
盛り方は自由ですが、こうして5~6枚のそぎ切りを並べますと、
花になります。