和食の基本カツラムキ
包丁の技術を身につける一番よい方法が【かつらむき】です。
剥き物の基本ですし、すべての包丁使いの基本にもなります。
いかに大事な基本であるかは、代用できる便利な器械が沢山あるのにも関わらず、現在でも和食を志す者が必修の様に練習を続けている事からも伺えるかと思います。
人参、胡瓜、大根などを、5センチから15センチ長さの筒にして、回しながら薄く紙状に剥いていきます。やってみると分かりますけども、薄さを保ちながら、切り離さない様に剥き続けるのは容易ではありません。
和包丁でも一番薄くて刃の鋭い「薄刃」を通常使います。
薄刃の刃線は完全な直線ではなく、その他の包丁も同じ。従って、薄刃の下部を使うとよいです。ここは直線に近い。
その他、手首を固定してぶらさない事、親指の腹に意識を置くこと、左右の親指で垂直線を維持すること、本剥きに入る前に野菜を「真円」にしておく事。
→円に剥くコツ
などなど、要領みたいな事は色々ありますが、残念ながら「コツ」はありません。
集中して数をこなし、手に覚えさせる以外に桂剥きの上達はありません。
言葉や映像で伝えられない種類の最たるものかも知れませんね。
かつら剥きのポイント
コツというか注意点を書いておきます。
大根はデコボコがあります。
そのまま剥いてもうまく出来ません。最初に皮を剥くときにそのデコボコを修正してしまいましょう。滑らかな円にしてから剥きにかかります。
下は基本的な持ち方です。
*右手は写っていません。
左親指の下に右親指も来るように
最初から薄く剥くことばかり考えたら絶対上達しません。
練習期間は薄く剥く事よりも、「切り離さないで最後まで剥く」ことに意識を集中させましょう。徐々に慣れてきたら薄くしていきます。
薄さや剥きムラは包丁の裏を見れば分かります。
とにかく、途中で切れないように意識して練習を重ねること
手が慣れてくると最後まで剥けるようになります
桂に剥いた大根は、繊維を切断するごとく「横打ち」にしますと、口あたりが柔らかく、食べやすくなりますので、汁の実や和え物に。
また繊維にそって「縦打ち」にすると、シャキシャキになりますので、サラダ等や刺身お造りの縦づま「けん」に適します。
→けんの打ち方
れんこんのかつらむき
→レース蓮根
何故「桂剥き」と呼ばれるかは諸説あります。
●木質が柔らかな桂の木から
●平安から室町時代の行商人「桂女」(かつらめ)頭巾から
●能の装束「かずら帯」(はちまきの様に額にまいて後ろに長く垂らすもの)から
などの由来がいわれますけども、どちらが事実にしても納得できる説ではありますよね。
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