柔らか煮
柔らか煮は、イカ、タコ、アワビなどを柔らかく煮上げる料理。
上記の食材は味がのりにくい。柔らかく煮るには5分程度の【瞬間煮】か、長時間の煮込みかしかありません。
瞬間煮は芝煮系統でして、素材の持ち味はでますが、味を含ませることが出来ません。なので、同様に味ののらないモツなどのように「煮込み」にします。
柔らかく煮るとは、「結合した繊維を解く」という意味です。
こうした食材は繊維が錯綜して結束が強固なのが特徴。
それをほぐして柔らかくしてしまうという調理です。
タコを大根などで叩いてから焚くという手法もそれが目的。
炭酸水・重曹にもその効果が期待できます。
塩や糠にてヌメリを落とし、大根で叩く。
大根で叩くのは大根の成分(消化酵素系)を期待するばかりではなく、棒などで叩くのに比べて傷がつかないからです。
(ビールやワインの瓶でもよい)
しかし、新鮮な材料を用いて繊細に煮れば、これらの下処理は無用です。
ヌメリはさっと洗い流すだけで結構、塩も糠も大根おろしも要りません。
もちろんサイダーも重曹も不要です。
アワビやトコブシの柔らか煮
★殻から身を外して洗います
→貝のむき方
★さっと霜降り
★固い身ですので、表面に「鹿の子」や「格子」に切れ目を入れておく
→切り方
★酒と水で小1時間茹でる
(底に昆布を敷いてもいいです)
★別鍋に出汁(または水)・酒・生姜スライスを
★そこに貝を入れて火にかける
★沸いたら砂糖などの甘みと、醤油(淡口)を加える
★煮汁が半分以下になるまで弱火でじっくり煮こむ
★火をとめ、煮汁に浸けたまま冷ます
※柔らか煮は煮汁を一定に保つなど手間がかかるため、【蒸し煮】というやり方で簡略化することができます。イイダコとかアワビなどは蒸し煮にしたほうが簡単です。
→アワビの蒸し煮
タコの柔らか煮
★生ダコの下処理をし、それをさっと下茹でして洗います
(生のタコではなくボイルダコならそのまま)
→生ダコの下処理
★煮汁を作って沸かす
(だし・酒・醤油・砂糖・水飴などで)
★そこにタコを入れて鍋に蓋をする
※炭酸水、圧力鍋使用もひとつの方法
★そのまま40~50分弱火で煮る
★一度タコだけ取り出し、汁を煮詰める
(タコの皮が剥げ落ちるからです)
★煮汁が3~4割まで煮詰まったらタコを戻し、軽くからめるようにする
★火をとめ、そのまま煮汁につけておく
関連:桜煮
肉の柔らか煮
★適度なサイズにカット
★炒めて表面に焼き色をつける
あるいは下茹でして水に取り、洗う
★それを約2時間茹でる
(下茹で汁に焼酎やビール・コーラーなどを少量加えてもいい)
★別鍋に茹で汁少々・酒・砂糖(黒糖やザラメでも)・醤油で調味液を
★そこに肉を入れて沸かす
★沸いたら弱火に
★煮汁が半量になるまで気長に煮る
★火からおろす少し前くらいにミリンを加えて照りをつける
関連:豚の角煮