黒豆の作り方
黒豆を買う時は丸々としてツヤがあり、シワや破けのないものを選びましょう。秋に出た新豆は煮上がりが良いです。黒豆の種類はけっこうありますが、一般的に大粒の『丹波黒』が一番良いとされています。
黒豆は縁起物。
一年の始まりに食べる事でその年マメでいられる事を祈願します。
【マメ=健康・丈夫・活発】
【まめ(勤勉)まめ(健康)しく、暮らせますように】
言葉の韻による験担ぎなのですが、現代の科学で大豆の健康効果が分かってきています。実際に健康効果があるわけなんですね。昔の人は経験からそれを知っていたのでしょうか。
関西ではツヤを出して漆黒に煮たものが好まれ、関東の一部では「シワがよるまで元気で」の意味でシワを残した煮方をする地域もあります。
黒豆の煮方
① ボールとザルのセットを用意
・ザルに黒豆を入れ、もし汚れなどがあれば取り除く
・ボールに移して水でよく洗う
・洗ったらザルを引きあげて水切りしておく
※他の大豆類のように水で戻さないのは、黒い色を鮮やかに出す為
② 鍋に黒豆の約3倍程度の水を入れ、黒豆と同割から8割くらいの砂糖、砂糖の1割程度の塩、おたま一杯くらいの醤油を加える
・調味料を溶かしながら1度沸かし、火を止める
③ ②液のに、洗った①の黒豆を入れる
・そこに鉄片を加えてフタをしておく
※鉄はサビたクギでいいが、金タワシの一種スチールタワシが色が出る
例えばこのような物です
スチールウール
・こうした物を布の袋に入れる
・又はしっかりしたキッチンペーパに包んで縛ってもいい
④ ③をそのまま一晩(12時間ていど)置いておく
※一晩放置しておくと豆は約2~2・5倍になる
⑤ ④を火にかける
・煮立ったら火を落とし、表面の泡やアクを取る
⑥ 蓋をして豆が静かに踊るくらいの火加減で煮る
⑦ 煮汁が減って豆の頭が出てはいけない。汁が減ったら絶えず差し水をすること。煮汁が常に豆を隠すような加減を保つ
(黒豆にシワができないようにです)
⑧ 8~10時間煮続ける
・豆をつまんでみて抵抗無く潰れれば出来上がり
・火を止め自然に冷ます
以上は、「黒い色」を引き出す為の煮方です。
もし色よりも味を優先させるなら、豆が煮えた(つまんだら潰れる)状態になってから調味料を入れます。水で戻して水で下煮するということ。砂糖は6回くらいに分けて入れ、終わり頃醤油を差しましょう。鉄片も入れない方がいいでしょう。
保存する時は、汁が黒豆を隠すような容器を。
戻す時、煮る時と似たような意味で液に浸し空気に触れさせないようにします。密閉容器でも2週間くらいが限界です。早めに召し上がってください。
黒豆を盛る
黒光りした黒豆は単品でも美しいので、他のおせち料理と盛り合わせしやすく、お重の一段目を引き締めてくれます。
小鉢や竹などに盛って一の重に加えるとよいでしょう。笹の葉で器を作って盛っても色のバランスがいいですね。柚子釜に盛る板前も多いですよ。
小鉢に盛る場合も、黒豆単体ではなく「赤色のチョロギ」を黒豆に3個か5個散らすと、また違った雰囲気が出て、一層祝い気分が高まります。御老人のいる家庭なら特にチョロギはおすすめ。
「酢の物」としてお重に詰めることもありますが、好みにより黒豆に散らして下さい。
→チョロギとは
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