和食の作法→会席料理のマナー

  

会席料理のいただき方

(1) お酒・先付(お通し/小付)

日本酒と先付(軽い料理)が最初に出ます
酒を一口頂いてから先付に箸をつけるようにしましょう



・酒を注がれる時は両手で杯を持ち前に出す
・つぐ時は右手にお銚子を持ち左手を添えてつぐ
・八分目ほどついだら手首を返すようにして滴を切る
・注がれた酒は元の場所に戻し乾杯を待つ
・ひと息で飲み干さないこと。二三回に分けて
・飲めない人も乾杯のときに口だけはつけること

・先付は器から直接取って食べる
※大きめのものは箸で切ってひと口大にする
※器が漆器なら懐紙に取って切った方が無難です
※汁物なら器を手に持って食べる

(2) 前菜

食欲を誘う手の込んだ小さな料理が数種類並びます

・串に刺してあるもの(松葉など)は器の上で串を抜く(箸で)
※一番前の料理から箸を付けていく
※器が漆器なら手前に懐紙を置き、そこに移してから抜く
※箸でつかみ難いものも懐紙へ一旦移して

(3) 椀盛

洋食でいえばスープに相当する清まし仕立ての煮物

・左手で椀を押さえ、右手で蓋を手前に開ける
・ふたのつゆは懐紙の上で切り、椀の右に置く
・魚の骨や海老の尾などはふたの上に
・まずひと口飲んで(箸は置いたまま)
・汁と実を交互にいただく
・手に箸を持って飲む場合は右手は下におろして左手で
・終えたら元のように蓋をしめる
(食べかすがあれば椀に入れてから)

※蒔絵の椀、しかも潮などのように骨などが出る場合
ふたに懐紙を置いてそこで身を外す
残骸も懐紙に置いて最後に椀に入れてふたを閉める

※土瓶蒸し(吸物)が出たら
スダチを絞り入れ猪口で汁を飲む
食べた残骸は土瓶に戻しふたをする猪口は返してその上に

(4) 向付(お造り)

お向こうは刺身が主流です。

・猪口や小皿にしょう油を入れてわさびを溶く
・花穂じそが付いていたら箸でしごいてしょう油に入れる
・小皿を左手で持って刺身に少しだけしょう油をつけて頂く
・白身の魚から箸をつける
・つまと刺身を交互に食べる
・器にあるつまは全部食べられる
※赤身(まぐろ・かつお等)の敷づまは食べない

(5) 煮物(炊き合わせ)

季節の野菜や魚介の煮物です。

・大きくて食べ難いものは器の中でひと口サイズに箸で切る
・汁が出るものは器を持ち上げて食べる
※器が大ぶりなら懐紙で滴を受ける
・すべって箸で挟めないもの
どうしてもはさめない場合、片方の箸で刺してはさむ

(6) 焼き物

尾頭付きの姿焼きか切り身の焼き魚が一般的。

・頭付きの1尾丸ごとの魚
懐紙で頭を押さえて上の身から食べる
魚を返さずに中骨を外して下の身をいただく
(流儀によっては骨も外さない)

・切り身の魚
食べやすい大きさに箸で切り分けて

※田楽などは串を左に回し箸で押さえて串を抜く
抜いたら箸でひと口大に

(7) 揚げ物

揚げ物は冷めないうちに食べるのが鉄則。

・薬味をつゆに入れる
・大きなものは箸でひと口大にして
・小皿は左手で持ってもかまいません

(8) ご飯・香の物・止め椀

味噌汁とご飯の椀(又は碗)、向こうに季節野菜の漬物。

左手を添えてフタを外し、外したフタは両手で隣へ
これはすべてに共通した動作です

ご飯を左にしてフタは左へ
味噌汁(赤だし)は右にしてフタは右側へ

ご飯をおかわりしたい時は飯碗にご飯をひと口だけ残します
(おかわりを下さいという合図です)

※ただし筒型のお茶碗で飯が出たらおかわりできません

(9) 水菓子(くだもの/フルーツ)・お茶

季節の果物を食べやすいように切ってあります。
皮付きや種付きの場合は懐紙を使って見苦しくならないようにします

お茶で締め括りです。

※必ずしもこの流れではありません
前菜をおしのぎにしたり、合間に八寸を挟んだり、色々変化します。
店ごとの流儀やコース設定の都合などの理由によります。

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