カマスの塩焼
前ページカマスの三枚おろしで身オロシできたましたら、塩焼き、刺身と続きますので、ここで小骨を抜きます。カマスは大きさの割に血合い骨が太くて鋭いので、抜いておいた方が良いです。
三枚におろした身の、小骨を抜きます。
骨抜きを使い、丁寧に。
こうしておいて、焼き物、お造りと進みます。
串を打って焼く
この後塩焼きにするんですが、塩と加熱でカマスの水分は飛びますけども、カマス、グジ、シイラ、カレイ、エボ、サンマ、イワシ、サバ、アジ類などの魚は乾燥させる事で旨味が内部から出てくる特徴があります。なかでもとくにカマスは水分の多い魚。
そこで、卸し身にした後、海水くらいの塩水で洗い、盆ザルにあげて扇風機に当てます。時間と場所の条件があれば、風通しの良い屋外に出しておく方が良いですが、どちらにしても30分以上やれば干物になってしまうので注意。(水分を失いすぎれば塩焼きとしての微妙な口当たりはありません)
焼き方は卸し身をそのまま焼き網に乗せて焼いてもかまいません。しかし、せっかくですので板前風に串を打って焼く方法をご紹介します。金串は市場周辺の道具屋に行けばどこにでもありますし、一本100円もしませんので、魚料理が好きな方は入手しておく事をおすすめします。
串の打ち方
つまおり/妻折り(爪折り)と言う串打ちをします。
サイズが小さかったり、アジなどに向いた『片妻折り』から紹介します。
片づま折り
尾の方を丸め込んで、そこから頭に向けて串を打ちます。
二本打ちます。
二つ同時に打つ場合は、巻いた方が向き合う形にします。
両づま折り
両側を巻いて打つのが『両妻折り』
カマスやサヨリやキスなどに適した打ち方です。
この後、盛った時表になる面の皮の方に×型の切れ目を入れておくか、串でくい打ちをしておきますと、皮に気泡が出来て破けたりするのを防げます。
塩焼きにする
尺塩(30㎝上から塩を振る)をして焼きます。
焼きあがったら串を回しながら抜きます。
焼いてる途中で二度くらいグルグル回しておくと楽に抜けます。
ちなみに、上画像では「抜き板」の上でやっていますけども、もともとこれが本来のヌキ板の使用法です。串に打った焼き物を板の耳に当てて抜き、そのまま仮置きしておく板です。
このヌキ板、今は寿司や刺身を置いておく用途にするのが普通になっていて、「抜き板」という言葉の意味を知らない板前が増えました。
器に盛り付けて
カマスの塩焼きが出来ました。
美味いですよ。
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皮を炙ったカマスの刺身。中骨と頭も揚げてビールの肴に・・
魚体がよく似た秋刀魚の、一風変わった焼き物もご覧ください
秋刀魚の串焼き