姿造りの作り方
姿造りのやり方は色々です。
「どういうふうに生きたままの魚形に見せるか」、そのやり方は人それぞれですが、魚の姿をどう保って造りにするかという基本は共通します。「姿を反映するお造り」という部分を押さえれば、あとは作る人の自由なのですよ。
活け造りは、「活魚を素早く卸して刺身に切る」という約束事があり、それこそ〆もせず、水洗いもなし、身だけ切り取って刺身に切るといったやり方ですが、姿造りの場合はもう少し制約が緩やかです。
活け造りそのまんまに作るか(活け造りも姿造りの一種というか範疇になります)、活け締めや普通の鮮魚を通常の手順で捌いて卸し、尾頭にケンやつまをあしらって刺身を盛るというやり方まで、その範囲はかなり広いもの。
つまり、【頭・中骨・尾鰭を残しておいて、それらしく盛り付ける】。こうしたお造りは全部「姿造り」です。(なので、活け造りも、姿造りなのです)
では、簡単にできる姿造りのやり方を紹介します。
3分で出来る姿造りの作り方
魚をさばける様にもなり、刺身もなんとか切れる様になったとします。そしたら次はお頭付きにしてみましょう。
姿造りの刺身はやはり見栄えが違います。食卓に出しましたらご家族やお客様が感心すると思いますよ。
姿造りには種類があると言いましたが、基本形は同じ。大きなブリや立派なタイでも、アジやサヨリなどの可愛いのも、みんなコツは一緒です。
基本だけおさえれば姿造りはたったの三分で作れます。それをイサキを使って見ていきましょう。
魚らしい形をしたイサキを使って、姿造りが簡単にできることを説明していきます。
素早く出来る姿造り 手順
①捌く
ウロコを引いたらこんなふうに卸します。
ここまでで1分。
胸鰭を少し裂き、エラブタに入れ
エラブタを閉じると、ヒレがピンと立ちます。
背ビレの二本目のトゲの根元に爪楊枝を打ち込んでポキリと折って下さい。そしたら背びれがピンとなります。
その楊枝は捨てずに、こうして尾ビレの裏に刺します。
尾を立てる柱です。
②刺身に切る
小魚ですし、白身とはいってもヒラメやコチとは違いますので、薄作りにする必要はありませんし、平作りではチマチマしちゃう。でかく大胆にそぎ切りにしときましょう。
3分もかからずに姿造りが出来ました。
胸ビレや背ビレを立てる要領は、他の魚、例えば姿造りの代表選手「真鯛」でも同じ事です。尾と頭を立てて躍動感を出すのも共通した基本です。
姿盛りの道具など
こういう感じの補助具があります。
魚剣山
掻敷とか氷などをうまく利用して使います。
剣山がなくても、大根等の切れ端と竹串で充分ですよ。
器に盛る時に、枝やなんか添えるとさらに引き立ちます。
あしらい・掻敷き・盛り付け
船盛りの余興ですね。
お客様の前で魚を捌くわけですが、今考えると悪趣味な気がします。もう二度とやりたくはないですねぇ。こういった派手な造りは「見世物」であって、料理とは少し違うと思うからです。食べ物のショー化は苦手なんですよ。