和風カレーの作り方
カレーはインドから世界中に広まった料理ですが、カレーライス(ライスカレー)はもう和食の一種だと思えます。『和風カレー』ならば尚更でしょう。詳しくは後段で書きますが、まずはカレーうどんからいきましょう。
カレーうどんの作り方
材料(2人前)
インスタンルウを使う場合
茹でうどん 2玉
カレールウ 50~60g
だし(又は水) 3カップ
酒 大さじ1
しょう油 大さじ1
青ネギ 適量
鶏肉 100g
玉ねぎ 半カット
(ルウの場合、ダシではなく水でもけっこうです)
1)水、酒、カットした鶏肉を鍋に入れて煮立てる
2)煮立ったら弱火にして5~6分煮込む
(アクを取ってください)
3)スライス玉ねぎを加えさらに5分煮る
4)ルウを加えて煮溶かす
5)うどんを湯通しして丼に盛る
6)仕上げにしょう油を加えひと混ぜし火を止める
7)カレーをうどんにかけてネギを散らす
カレー粉を使う場合
茹でうどん 2玉
カレー粉 大さじ1~2
片栗粉 大さじ1
だし 3カップ
酒 大さじ1
しょう油 大さじ1
白ネギ 3センチ程度にカットしたもの5~6個
鶏肉 100g
だし、酒(好みで砂糖に変えてもOK)、カットした鶏肉、白ネギ、カレー粉を鍋に入れて煮立て、弱火にして約8分程アクを取りながら煮る。最初によくかき混ぜるのがコツ。カレー粉がダマにならぬよう注意。
鶏肉、ネギだけを取り出し、湯に通して器に盛っておいたうどんの上にのせる。片栗粉を水で溶き、鍋の煮汁に加えとろみをつけ、しょう油を加え火を止める。煮汁をうどんと具にかける。
カレー南蛮とはカレー蕎麦のことです 「南蛮」とはネギとか唐辛子を意味する和食用語です。「カレー南蛮ソバ」は、蕎麦屋のサイドメニューで「そばつゆにカレー粉を加えたもの」です。どちらかと言えばソバよりもウドンの方が相性が良いらしく、ウドン仕立てが全国的に広がりました。 「和風カレーとは何か」ですが、この解釈は人によって違いがあります。難しい理屈は専門の方に任せるとしまして、単純に申しますと【狭義にはカレー南蛮(カレーうどん含む)、広義には日本人が好んで食べるカレー全般】ということになりましょう。 つまり日本国内において食べられているカレーは、特に「◯◯国ふうのカレー」という名称が付いていない限り「すべて和風カレー」なのです。調理工程に和食風の作業がなくとも、完成したものは「日本のカレー」になります。それだけ日本人の食卓に馴染んでしまったということです。ラーメンの軌跡に近しいものがあり、スパンを広げるとテンプラもやはり同じようなものです。 やや理屈っぽくなってしまいましたが、「カレー=和風カレー」であるとすれば、通常は和風を付けず普通に「カレー」と呼べばいいわけで、いちいち和風と称するものは、蕎麦やうどんのように和のスープを使ってあるものを指すということです。ようするに国内で言うカレーとは、「日本の料理」という考え方ですね。 |
和風カレーの基本
カレーの味を決めるものは3つ。
【独特に配合された20~30種のスパイス】
【スープ】
【玉ねぎ】
このうちスパイスに関しては、「スパイスから自分で好みに調合してカレー」、そう考える程こだわりのある人が、このような入門用のページなどに来るとは思えませんし、一般的には市販のカレー粉かインスタンルウで充分だと考えますので、ここでは触れません。
で、【スープ】と【玉ねぎ】がポイントになります。
カレーはどのような食材とでもマッチしてしまう不思議な料理ですから、バリエーションは無数と言っていいでしょう。「思いつきで」加えたものでも殆ど普通に食べられて、ややもすると加える前より美味しくなってしまうという料理はちょっと他にはありません。
しかし、基本構造は玉ねぎの「甘味」と、「塩分」と、スープによる奥行きです。調合スパイスは、人が美味しく、まろやかに食べれるポイントに。これに酸味を加えると「味が決まる」わけです。
このスープの部分を完全に変えたものが、和風カレー、すなわち「カレー南蛮」「カレーうどん」です。
この和風カレーの味を決めるものはダシ。
カレーが強烈なので、ダシを濃厚に作るのがコツ。
そばつゆのように「さば節」を使ったり、「あごだし」とか「いりこだし」などもよいでしょう。ふつうのカツオだしであれば、かつお節を倍くらい使う気持ちで濃くしましょう。
基本のカレーライス、作り方
上で書きましたように、カレーの構造は20~30種類の調合スパイスを核として、スープ・塩味・酸味によって成り立っています。
本体部分は、「配合スパイス+スープ」
スパイスの部分は市販のカレー粉でもかまわないと思いますが、スープは自分で作ってみたいものです。インスタントルウはスープもとろみ粉も、すでに練り込まれいるので、これは水だけで結構。
鶏ガラスープの作り方
1)大鍋に水を沸騰させる
2)鶏ガラ5羽分を入れる
3)2~3分で水ごと全部ザルにあける
4)鶏ガラを水洗いする
※血合いや余分な脂などの汚れを落とす他、大事なのは胸骨裏にある「どり」を除去すること。
→基本のスープ
5)大鍋にきれいな水を4リットルほど張り、洗った鶏ガラを入れて火をつける
6)沸騰したら弱火にし、3~4時間煮続ける
※ていねいにアクをとり続けること
最初に白菜の付け根を切り落としたものとか、キャベツの芯などの野菜くずを加えておくと細かなアクも吸着してくれます。さらに卵の殻を入れておきますと、もっと微細なアクを吸着してくれます。
(野菜くずはネギ、ショウガ人参などなんでも構いませんが青い葉物は避けましょう。約1時間ほどで取り出します)
7)スープを漉します
こし器を使うにしても、布も併用して漉した方がいいです。
8)漉したら自然に冷まします
9)冷蔵保存では1週間しかもちませんので、冷凍しておくといいでしょう
冷凍用容器に小分けして冷凍庫へ
(容器がなければ牛乳などの紙パックが便利)
約一ヶ月を目処にして保存。
カレーだけではなく、ありとあらゆる料理に使えますので、すぐに使い切ると思います。
カレーを作る
カレーの種類は多種多様で、調味料も隠し味も好き放題です。しかし、基本が悪ければ何を加えてもバツです。そのベースとなる最も基本的な部分を説明しておきます。
◎玉ねぎで甘さを決める
一人分2個の玉ねぎを使うくらいの気持ちでドカンと使用すれば甘くて食べやすいカレーになります。家族4人分を作るなら最低でも5個の玉ねぎを。一個はみじん切りにして炒める、一個はスライスやくし形して具にする感じです。みじん切りは面倒ですが、これが味を決めるカギ。(最近は器具でやれますから簡単)
多量の玉ねぎのみじん切りを最初に炒めておくことによって、ルー(小麦粉等)でとろみをつける必要がなくなり、ちょうどよい自然のとろみがつくのです。
◎最初にみじん切りの玉ねぎを炒める
炒め油は何でもかまいませんが、この場合は「ギー」がベストです。ギーを鍋にたらし玉ねぎを加え、じっくり時間をかけてきつね色になるまで炒めましょう(強火にして焦がしてはいけません)
※ニンニク、ショウガのみじん切りも同時に加えると◯
◎次に乱切りにしたじゃが芋、人参を加えてさらに炒めます。この後お好みでお好きな野菜を火の通りにくい順に加えます。(青み野菜は最後に)
◎肉類、魚介を加えるタイミングもここですが、その前に肉や魚は必ずカレー粉をふって冷蔵庫にしばらく入れおきましょう。
◎材料がかぶる程度にスープを加えます
煮立ったらアクを除去し、カレー粉を加えます。カレー粉を入れたらすぐに火を弱火にすること。そのまま野菜に火が通るまで煮込んでください。
※ローリエ、粒コショウを加えて煮込むと◯
◎最後に塩・コショウ・レモン汁で味を整えて完成。
隠し味は無数にありますが、無難にしょう油かウスターソースを少々加えてひと混ぜ。コメと水を同じ割合で炊いた、少し固めのご飯にかけて食べましょう。
※カレーは味噌汁と同じで、味をつけたら(カレー粉を入れたら)、その後は沸騰させてはいけません。
※ここではカレー粉を使うケースで説明しています。
どうしてもタマネギだけでトロミを出せない場合は、炒める過程で小麦粉を混ぜるか、仕上げの段階で水溶き片栗粉を加えるといいでしょう(後者の方が失敗がありません) インスタントルウを使ってもかまいませんが、その場合粉は不要です。
※辛くなりすぎたら
まずはレモン汁かトマトジュースを加えてみましょう。それでも辛いようなら熱いスープを加えます。多少面倒ですが、炒めたタマネギとレンジなどで火を通したじゃが芋を加えるのが最も良い方法です。
茄子のカレー
ナスのカレーを作る場合は、玉ねぎを炒めた後トマトのみじん切りを大量に加え、どろどろになった加減で切ったナスを入れます。このカレーはトマトの水分にカレー粉を加えて作るもので、スープは要りません。
ドライカレー
そぼろのように水分を炒り飛ばしたカレーです。
①牛挽き肉に、カレー粉、コショウ、ナツメグ、チリパウダーなどを少々加えて混ぜておく
②タマネギ、ニンニク、マッシュルームなどをみじん切りにし、きつね色に炒めます
③きつね色になったら①を加えて火を通し、パラパラになったところで赤ワインを加え、汁が無くなるまで煮る
④③にトマトジュースを加え、カレー粉を足して煮立てる。この段階でピーマンやパプリカなどのみじん切りも加えるとよいでしょう
⑤火が通って汁気がなくれば完成
色々な和風カレー
カレー味と合わせられない料理というのはちょっと思いつかないくらいで、それは和食も同じです。
衣にカレー粉を使う「カレー天ぷら」
カレーとんかつ、カレー唐揚げ
残ったカレーを巻き込む「厚焼きたまご」
カレーおこわ、カレー雑炊、炊き込みご飯
カレー粉オニギリにカレー具のオニギリ
カレー味の鍋物
カレー風味のおでん
カレー風味の茶碗蒸し
カレー田楽焼き
カレー風味の味噌煮込みうどん
カレーチャーハンにカレーらーめん
その他、その他・・・
こうしたものを店で出すかどうかは別として、家庭でならばすべて可能です。
カレーに混ぜられない食べ物はある?
無いと思います。
基本的にどのような調味料や食材を入れても食べられるという驚異の料理がカレーなのです。味噌を入れても美味しいという人もいます。
ただし、味覚は人より異なりまして、自分が美味しかったからといって他人も美味しがると決まったものではありまん。この事実だけは忘れないように。そして、思いつくままに「自分流カレー」にチャレンジしてみましょう。
カレーは健康的にどうなの? カレーはとても健康的な料理ですが、【日本のカレーは健康に悪い】という見方もあります。カレーは脂肪のとりすぎになる可能性があるのです。上に書きましたように、インドや南アジア各地で食べられているカレーと日本のカレーは別の料理でして、日本のカレーは日本の料理、つまり和食のひとつです。 日本カレーの独自性として「非常に大量に消費されている」というのがあります。これは、低いコストで作られているということにもなります。ようするにインスタント「ルウ」の話です。 インドや南方各地のカレーは、多量の野菜を煮て裏ごしすることで「とろみ」を出しています。香辛料と野菜、これは非常に良いソースですね。野菜だけでトロミを出すのは非常に面倒ですが、美味さと健康度は満点です。しかし、この作り方は手間がかかるし何よりも野菜のお値段がバカになりません。 企業がこんな事をする筈がなく、安く大量に製造するためにまったく違う方法でルウにトロミをつけます。大量の【脂肪】を加えることでとろみを出すのです。安いインスタントカレーの原料表示を見ますと、小麦粉と油脂が殆どで、肉や野菜や香辛料などチョットしか使っていません。 怪しいアブラでコクをむりやり出しているので、味付けの塩も多めに入れるしかなくなります。(実際にインスタントルウは安いほど脂と食塩の含有量が多い) おそらく1食分で脂肪と食塩1日摂取量目安の半分を超えてしまうでしょう。およそ塩6グラム以上、脂肪20グラム以上ですね。それだけではなく、様々な混ぜ物を加えていて(添加)、習慣性がつくような巧妙な味付もなされています。化学調味料のように味覚を破壊して行く可能性もあるということですね。 こういうモノを週に何度も食べていますと、間違いなく「脂肪と食塩の摂り過ぎ」になります。そして舌が麻痺し、濃い味付けしか受けつけない様になっていくでしょう。 ルウが使いやすいのは分かりますが、たびたびカレーを作るご家庭では健康を考えて普段はルウではなくカレー粉を使ってみてはどうでしょうか。タマネギでトロミを出すのがベストですが、それが面倒なら片栗粉を水で溶いて加えればいいのです。 |