だしの作り方
和食のダシは「かつお節」、「昆布」、「煮干」、「シイタケ」などで作ります。料理を作る時に毎回使う分だけかつお節を「かつ箱」で削るのが理想。しかしかつお節を探すのすらなかなか難しいのが今って時代です。
とりあえずパックの「削り節」を使いましょう。
幸いにしてこれはどこの店でも簡単に見つかります。
それに「だし昆布」もすぐ購入できます。
簡易だし
以下は基本のだしです
昆布とかつお節のだし(1番だし)
1 昆布の汚れを布巾でふき取って掃除します
※スーパー等で買う最近の昆布は丁寧加工ですので掃除の必要がないと思います。白い粉は汚れではなく、旨味ですので落とさないこと。
2 鍋に1、8リットルの水を入れ10センチくらいの昆布を一枚入れる
3 時間があれば30分くらい水につけておく(なければそのまま加熱)
4 鍋に火を入れ(中火)細かい泡が立ち昆布が浮き上がるくらいで昆布を取り出します。(絶対に昆布入りのまま沸騰させてはいけません)
5 昆布を出し沸騰させます
6 沸騰したらお猪口一杯くらいの水を差して静める
7 削り節80グラムを入れます
8 再び沸いてきたら火を弱め浮いてくるアクをすくう
9 2分も煮ればOK。火を止める
10 削り節が底に沈み始める
11 このタイミングでキッチンペーパーを引いたザル等に鍋ごと空けます
12 自然に漉しましょう、削り節をしぼったりしてはいけません
※だしを漉す
ザルでは目が粗く、細かいクズが残りますので、ザルに布などをひいて漉しましょう。布地はネルが理想です。無い場合はキッチンペーパーで結構です。
★魚山人のアドバイス
この1番ダシは「吸い地」です。
→吸物の作り方
出汁を上品に香り良く、しかも透明感が欲しいといった吸物に適します。
上品な椀物ですね。なので、最後に削り節をしぼってはいけないのです。濁りますので。
けどね、これは家庭で必要でしょうか?
家では味噌汁や煮物とかに使うくらいで、吸物などはめったに作らないのではないか。
1番というくらいなので2番や3番もあります。要するにもったいないのでもっとガラからダシを引っ張るわけです。料理屋ではこれを味噌汁などに使います。しかしこれはあくまで吸物を使う料理屋の都合。家庭でこれを忠実に真似する必要性はないと思いますよ。1番や2番という言葉自体が家庭料理では無意味なのです。
ではどうするか。
まず昆布の時に弱火でもっとじっくり加熱します。
※昆布を入れて沸くまでに10分くらいになるような火加減
沸いたら削り節を加える
削り節をもっと増やし、沸騰させない程度の中火にして加熱。
10分程度は煮て下さい。
漉す時に軽くしぼってもかまいません。むしろその方がよい。
※強くしぼると臭みが出ます
要するに1番と2番を同時に作るわけです。
これだと吸物以外の万能ダシになります。
家庭ではこちらが適しているはずですよ。
さすがに昆布を強火でグラグラ煮立てると臭みが出てしまいますが、それ以外ではそう神経質になる必要はないという事です。つまりさっと作れるんですよ。面倒な作業ではありませんので、ぜひ昆布とかつお節の出汁を作りましょう。
毎日でも出汁を使う方法
インスタントと同じ手間で本格ダシを
忙しい朝、まして独身で一人暮らし。そんな環境でダシを引くのはなかなか難しいと思います。ですが1度その香りを味わいますと、インスタントではない出汁は違うということを実感するはずです。
休日など暇な時に一回分の出汁の素を作っておきましょう。
★袋を用意します(下の4つから選ぶ)
①使用した紅茶などのティーパックを洗う
②ガーゼを15㎝四方くらいの四角に切っておく
③ペーパータオルを上の様に切っておく
※中身を入れて包み、ホチキスでとめれば袋に
④あるいは100円ショップなどで何か適当な代用品を探してみる
同様の効果があればどんな物でも可能
★自分の好きな材料を包む
煮干・昆布・カツオ節・などを好みで配合
※煮干は頭と腹をちぎって捨てる
量は適当でけっこう。
煮干は普通、昆布は少なめ、カツオは多目
色々試しているうにち自分の好みがつかめます。
★冷凍する
すべて乾物ですのでほとんど水分はありません。
なので冷凍の影響はほぼ無し。
冷凍の必要はありませんが「保険」です。
袋を一個ずつラップ
それをフリージング袋など口が閉まる袋に入れる
その袋をタッパーなどにいれてフタをする
これを冷蔵庫か冷凍室で保存
★使う
自分が使う分の水(コップの1~3杯程度)を鍋に
ダシ袋を一つ出して入れる
沸いたら火を中火に弱めて2分くらい煮出す
袋を出して出汁の出来上がり
★味噌汁
赤でも白でも、辛口でも甘口でも、自分の好きな味噌を好きな量(大さじ1程度。好みで)をラップしておくと便利です。
インスタント気分で作れますので、面倒くさがりにおすすめ。
具はどんなもので可
豆腐ならそのまま先ほどの出汁にぶちこめばいい
なくてもかまいません。
季節の香草などをちぎって入れてもいいです。
庭の草を洗って入れるのも面白い
おすすめは春の木の芽。手のひらでパチンと叩いてお椀へ。
※味噌を小分けする意味はあまり無いです。
これは出汁もパック、味噌もパックという事に理由がある。
「面倒なもの」という抵抗感を減らすためです。
インスタント感覚から入ってもいいと思うのですよ。
じきに「香り」に気がつくはずです。
また、慣れてしまえば料理は段取り次第で素早く作れると分かる。
そうなれば上に書いたことはやる必要もなくなりましょう。
→みそ汁の作り方
※「だしの素」を避けたい理由
和食は生きてる料理。なので素材も基本的に生きたものを使用します。
だからって生きて泳いでるお魚さんを連想しないで下さい。
「生きてる」の意味が違います。
「呼吸をしている」と言い換えてもいいでしょう。
そんな料理のベースになるダシは、香りは良いがクドクないのがベスト。
人工のダシの素は味がくどすぎますし、香りがありません。だから出来上がる煮物や味噌汁の味がまったく違うものになります。
※作った出汁は保存できません
冷凍すればもちはしますが、香りはゼロ。
冷蔵庫でも三日以上で腐ります。
香りが命。その時使う分だけ出汁を取るようにしましょう。
→余った出汁は使い切る
※だしを濃縮気味に作り、ペットボトルなどで冷蔵保存する方法もありますが、これもやはり香りが激減。乾物を煮立てる事に意味があるのですから、そのつど作ることをおすすめします。
香りにそれほどこだわらない
そういう方は保存も可能
完全に冷ました出汁を熱湯消毒したペットボトルなどで密閉。
3日までは使えます。(濁っても沸かせば大丈夫)
さらに冷凍用の製氷皿などを使って冷凍も可能です。
※ただし、香りは期待できません
これだけあれば作れる
必要最低限の道具
ザルはありとあらゆる場面で役に立つ調理の万能道具ですが、特に出汁作りには必需品です。専用の出汁漉し器よりも安く、なにより他にも色々使いまわせます。
これはフック付きのストレーナー ザルですのでフックをボールや鍋に引っ掛けて使用でき、だし取りに最適。
足付なのでシンク面に直接触れず、水切りもしやすい構造です。
下ごしらえ、味噌汁の味噌漉し、鍋料理にと、それこそ「これ一つあれば」っていう便利な品。必要にして充分でしょう。
使い勝手を上げるコツは大き目のサイズをボールとセットで持っておくこと。このセットで米を洗い、ダシを作り、野菜の下ごしらえと全てが可能です。