踊り串
「のぼり串」、「うねり串」とも言う。
魚を姿焼きにするときの串の打ち方。
盛りつけた時表になる反対側、つまり「下身」の目の下から串を刺して、中骨の背側を縫うようにして尾の付け根に串を出す。頭と尾を持ち上げるようにして形を整える。
※のぼり串(登り串)は、特に川魚特有の打ち方を指す。
川を遡る姿を表すために著しく尾を立てて串を打ちます。
胴体のうねりは緩やかにして、尾はぴんと跳ね上げるのがコツ。
・平串
「鯛串」と呼ぶ場合もある幅の広い金串。
鯛の姿焼きは丸串なら二本打つが、平串なら一本で可能。
また、魚姿焼をうねらせる事なく真っ直ぐに串を打つやり方も平串と言う。
・縦串
骨切りしたアイナメなどは繊維に沿って串を打つ。
これもやはり頭から尾まで真っ直ぐに打つ。
・添え串
多くの場合1本の串では不安定になる。
なので安定させるために2本目の串を打つ。
鯛などの場合は1本目の串と平行に並列して打つ。
他は尻ヒレのあたりから斜めに打ち1本目とクロスさせる。
アユなどを複数焼く場合は串を縫い込んだ部分に1本横串を。
串の打ち方 その他
横串
複数の小魚や、うなぎなどを焼く時の串打ち。
魚の繊維に対して垂直に数本打って安定させる。
魚の切り身の場合、身の薄い方から刺す。
・末広串
「扇串」とも言う。
扇のように逆八の字に串を打ち、手元でまとめると持ちやすくなる。
カツオの焼霜や、鱧の蒲焼、その他小魚類のまとめ焼きに便利。
・筏
末広ではなく、並列に数本の串を真っ直ぐに打つ。
筏を組んだような格子のような形から。
うなぎや泥鰌の蒲焼、ワカサギの白焼きなど。
末広串では不適切な場合、強固なこの方法で安定させる。
つま折串
小さい魚や身の薄い魚のおろし身を焼く時の串打ち。
片方を丸めて打つ「片づま打ち」
両側を丸めて打つ「両づま打ち」
のし串
主に海老に使う打ち方なので「えび串」とも言う。
熱すると身が曲がる海老の身を真っ直ぐに仕上げる。
海老をぴんとのばし、腹側に串を打つ。
また、片づま折りのように片側を曲げて(のという字)に打つやり方もある。
この打ち方でイカを焼いたものが「わらびイカ」
「わらび串」とも言う。
縫い串
主にイカを開いたものを焼く時に用いる打ち方。
「イカ串」と言う場合もある。
加熱で反り返る身を水平に焼きあげる。
針で縫うようにして金串を刺して焼く。
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