ケガニ

  

毛蟹

毛ガニ

毛ガニの旬は一般的に冬だと思われがちで、産卵期は春ですからそれは間違いというわけではありません。



毛蟹の生息域は日本海からオホーツク、東ベーリン海あたりまでで、日本では宮城以北、日本海側では鳥取あたりまで。つまり獲れる地方は限定される訳です。

従って「乱獲」に至れば影響が甚大でして、漁獲量は減少してなかなか回復しません。カニ類は成長に時間がかかりますんで。

ですから反省を踏まえて海域ごとに細かい規制がなされ産地によって漁獲期も微妙に違い、国内需要を賄うオホーツクや北海道の主要産地は春から夏に最盛期を迎えます。

北海道の漁場の多くは夏7月が漁期になっており(場所で漁期が違います)、冬から春の脱皮時期の漁は避けられます・・・

極めて大雑把に言うと、オホーツク海産の旬は夏、多くの北海道沿岸での旬は冬。ロシアの領域からの水揚げが多い現状からすれば、今は夏物が主体と言えるかもしれません。

毛がにを選ぶ基準は、産地や時期ではなく「ランク」だと考えたほうが良さそうです・・

毛ガニの見分け方

タラバやズワイ同様昔からいい値段が付いてますんで、毛ガニにもやっぱり「偽」があります。毛ガニの近縁種に「クリガニ」って奴がいるんですが、コレが毛蟹の代用で使われてまして、はっきりと「栗ガニ」の表示をしてれば別に問題は無いし大部分の業者はそうしてます。

ところがやはりコイツを「毛ガニ」として販売する店もあるらしい。おいら自身も昔、こともあろうにお膝元の北海道の店で目撃してあきれた経験があります。「そりゃあねぇだろよ」って思ったもんです。

しかし心配は無用。ズワイの「バルタイ・キタズワイガ二」やタラバの「アブラ」 と違い、毛ガニとクリガニの差異は素人でも一目で判ります。

これが毛蟹

こいつは栗ガニ

甲羅の形があきらかに違いますね。

クリガニは横に張り出した菱形が特徴なので、毛ガニとの違いはすぐに分かります。値段は毛蟹の半値以下なので、割り切って買う分には何も問題はないと思いますよ。ただしお味も半分以下ですが。

さばき方ほか

毛ガニのさばき方ですが基本的に他のカニと同じで、まず腹のフンドシから捲って甲羅を外します。

 

 

 

ここから先は人それぞれ、包丁の人もいればハサミを使う人もいます。

毛がにの別名は「大栗蟹」(オオクリガニ)
その名の通りイガイガでさばき難く、可食部も少ない為にタラバやズワイほどの人気はありませんけども、カニ通(?)は毛蟹が一番旨いと仰る人が多いです。確かに味は濃厚ですね(ただし良い毛蟹)特にカニミソはやはり毛蟹ですな。

おいら的にはこの時期が一番の食べ頃だと思っています。なぜかって言いますと、まだ気温が低いからです。しかも産卵期で漁の解禁(地域で異なる)こりゃね、日本酒が旨く飲めるって事。熱燗は気温が高くなるともういけません。

要するに『甲羅酒』が美味く飲める時期だってことです。外した甲羅にミソとほぐした身を入れ熱燗を注ぐ。そいつを盃にぐいっと一杯。たまりませんな。

少し面倒かもしれませんが、毛蟹は身もとても美味いんですよ。

できるだけ大きいのを選び、身の味も楽しんで下さい。