イシガキガイのさばき方と握り方
イシガキ貝は、寿司に欠かせぬ貝トリガイの仲間(同じザルガイ科)
別名が「蝦夷石陰貝」
別名のごとく北の貝で、生息域は東北から北。オホーツク、アリューシャン、北アメリカ北部西岸まで分布します。
鳥貝の旬が春頃までなのに対し、この石垣の旬は夏。活の良いのは美味しいので、トリガイの代用として充分使えます。
【石垣貝】(いしがき貝)Bering Sea cockle
これは甘みがあって旨い生のトリガイ。
よく似ていますね。
違うのは身の色くらいですが、身の形も石垣貝と鳥貝は似ています。
トリ貝の身
トリ貝のさばき方→
刺身の他、加熱調理も旨いですが、やはり握り鮨でしょうな。さばき方から握りまでの要点のみを簡単に紹介します。
イシガキ貝のさばき方
貝のほとんど(主に二枚貝)は専用の貝剥き道具がなくても、これ一本あれば簡単に剥けます。
ご家庭にあるテーブルナイフ。
トリやヤギ、それにこの石垣などの二枚貝なんかだと、殻が薄く締まりもないのでスプーンですら剥けます。
差し込んで少し移動させればツルリと剥けます
ですから、他の貝類のほとんどはテーブルナイフがあれば剥けるんですよ。多少口を固く閉じていても大丈夫なんです。
これが石垣貝の身。
トリ貝とそっくりですが黒味がありません。
開いて
掃除します。
掃除といっても、下部の黒い部分を包丁先で削ぎとってやるだけです。
石垣貝の握り方
生トリもそうですが、こんな感じでペチャンとして見るからに元気が無い。
これでは握っても美味しそうでないですね。青柳みたいにピンと角が立ってた方が美味そうだし美しい。
でもこの青柳の場合は低温ボイルしてあるから角があるんです。
アオヤギのさばき方→
では、生のダラリとしてるトリやイシガキはどうするかと言えば、海苔などの「バンド」を端の方に巻いて握ります。玉子に巻いてある「ギョクバン」と同じです。
身を叩いて収縮させる
こんなふうに表を向け、角先の部分を指に引っ掛けて、お客に見える様にします。
そのまま反対の手のひらで「パチン」と叩きます。そのときシャリを潰さないために角だけを指にかけて置くわけですね。
それで即座にお客さんにつけてあげます。
するとお客の目の前でみるみる角が立っていく。
生きた生貝ならではの収縮反応です。
要するに、バンドをした理由はこの「そっくり返り」があまりに激しいので、シャリから落ちてしまうからでなんです。
やり方は生トリも同じ。ベロベロしたまま握るのとは大違いですよ。