鮑の捌き
アワビのむき方と下ごしらえ、刺身に切るまでを紹介します。
鮑にはクロアワビ、メガイアワビ、エゾアワビ、マダカアワビの四種があります。他にトコブシがありますが、これと鮑は分けるのが普通です。
マダカは非常に大きく肉質も良いんですが、漁獲は少なく高価です。別名「アオ」、殻の内側が青いのでアオ貝。中が殻の高さが特徴で名もそれに由来します。長崎あたりの巨大マダカは近年まったく見なくなりました。乱獲でしょうね。ですから事実上クロが「本あわび」「あわびの王様」と呼ばれたりしています。
主にクロとメガイを使う事になります。クロは殻が黒いのでクロ。刺身や水貝にするのはマダカ、クロ、エゾ。メガイも刺身に出来ない事はないが、アワビ独特の歯ごたえが劣ります。
メガイはオレンジに近く、これはトコブシと同じく煮貝に適しています。
アワビのさばき方
締める(洗う)
アワビはクチバシ近くの神経を刺して〆、そのあと塩をたっぷりのせてさらに締めるやり方が一般的。
神経は包丁先で突くだけでもいいし、省略してもかまいません。貝の構造から暴れることはできませんので。
べた塩で締めてタワシですり洗いするわけですが、これも必ずやる必要はありません。
と言うのは、塩をすると非常に硬くなってしまいますので、刺身などにはよいのですが、他の料理には硬くなりすぎてよくないからです(刺身でもあまりにも硬いのはどうか。ただし水貝にするなら硬いほうが良い)
どちらにしてもタワシでよく水洗いします。
※硬い物が食べられない人向けなら、タワシを使わず優しく手洗いします。するとカチカチに締まることはありません。ヌメリなどが落ちればOK。
貝柱を切って剥く
殻に水管のある反対側の薄い方から貝剥きをさしこみ、柱を切ります。
貝剥きが無くても、シャモジがあれば簡単ですよ。木ベラ、スプーン、フォークなどでも大丈夫です。
キッチンを見回してください。このような物なら何でも代用可能です。
※金属類は慣れないと身に傷を付ける可能性があります。もっとも良いのは木の杓文字で、これならうまく外せます。木製しゃもじが無ければプラ製しゃもじでもかまいませんが、プラは柔軟な物が多いので力を入れると危険です。怪我に気をつけて。
柱さえ切れれば、すっぽり身が取れます。
周囲の外套とワタを、身から切り離します。
新鮮ならキモは生で食べれます。醤油に溶かしてキモ醤油にしても。
身を切る
貝柱
アワビの貝柱はホシ(大星または男星)と言いまして、貝柱ですから非常に美味しいものです。
少し出っ張っておりますので邪魔になる時はここだけ切り取っておくとよいでしょう。
あるいは、ホシのみ別にして造りや握りなどにする。一般的にはホシつきのまま身をカットします。(ですからホシをへぎ取るのは省略しても構いません)
アワビの身
アワビの身は硬くスベスベしてますので、可能ならばわざとギザギザに切る「小波切り」でカットする方がよいです。
小波切り→
スライスした刺身を包丁のアゴや刃先でコンコン叩いて硬いアワビを食べやすくする方法もあり、これを「刃打ち」と言います。
スライスして殻に盛れば、刺身も涼しげですね。
ガラスの器などに砕氷と水を張り、鮑を小さなサイコロ状に切ってキュウリなどと一緒に浮かべれば、涼しげな「水貝」が出来ます。
刺身もいいですが、アワビは煮貝の代表でもあります。
煮貝はアワビが最高ですね。
吸いとろの王様アワビの吸いトロ
夏バテの胃に最高なのがトロロ汁。キンキンに冷やした極冷トロロ汁は、暑い日にゃいいですねえ。今日は板前でも中々口に出来ない吸いトロの王様を紹介しましょう。
①アワビは黒、青のマダカかクロ、黄色っぽいメカイはダメです。もちろん活きてなきゃなりません。
②塩をたっぷり一掴み身にのっけて、タワシでごしごしミガイテ下さい。綺麗に黒っぽいヌメリをおとします。すると身がカチカチにしまります。
③そしたら貝剥きか、無ければ杓文字を身と殻の間に突っ込んで貝柱を外します。
④包丁でワタを切り離します。
⑤水気をきれいにふきとり、すべらないようにします。
⑥それをおろし金ですりおろして下さい。ヤマイモのように簡単におろせます。
⑦トロロ状になったアワビを、濃いめに仕立てて冷やした吸い地(吸い物用だし汁)でのばします。
これが板前にとっても贅沢な一品
『アワビの吸いトロ』 です。
ひと夏に一回くらいは、贅沢にこの料理を食ってみるのもいいもんです。こいつはアワビの究極の食い方かもしれません。