和食用語「干し海鼠」

  

干し海鼠(ほしなまこ)

真ナマコの内臓を抜き、海水か海水に近い薄い食塩水で煮たあと、水気を切って天日乾燥させたもの。(マナマコに近いキンコも同じように煮干にされ、値が高い)
和食では主に煮物の材料にする。

中国では普通の料理に使われるだけでなく、高級漢方材料として珍重される。薬用人参同様の滋養強壮効果があるとして、「海参(ハイシェン)」と呼んでいる。トゲのある「刺参(ツーシェン)」が高値。(トゲのない方は「光参(グァンシェン)」)

海参と書いて「イリコ」と呼ぶのが普通だが、日本では「ほしこ」というのが正しい。 平安時代から作られており、昔はナマコ類を「こ」と呼んでいた。

生のものだと「なまこ」、火力で乾燥させたものを「いりこ」、天日で乾燥させたものが「ほしこ」、卵巣を乾燥させたものが「このこ」(別名:クチコ、バチコ)。ちなみに、「コノワタ」は腸の塩辛。

主な産地は長崎と北海道で、中国料理を食べる国々に輸出されている。

戻し方

1)よく洗った干しナマコを中敷を敷いた鍋に入れ、たっぷりの水を加えて加熱する
2)沸いたら火を止めて、そのまま一晩おいておく
3)2倍くらいに膨張したナマコの表皮を削り落とす
4)熱湯に入れて5時間ほど放置、これを3回ほど繰り返す
5)腹を切り開き、内部を水洗いする
6)再び熱湯につけ、湯が冷めたら取り替える。これを2~3日保繰り返す
7)3倍ほどに膨張すれば完全に戻っているので、使用できる。きれいな水に入れて冷蔵庫で保存する。

キンコの戻し方

1)熱湯に入れて湯が冷めるまでおく
2)取り出して腹を開き、皮膜などを除去
3)水から茹でて沸かす
4)沸騰したら火からおろす
5)鍋ごと一晩おく
6)4、5を夏場は3日、冬場は6日繰り返す

ナマコ・キンコはいっぺんに加熱すると身がとけるので、このような手間をかける。
また、油を嫌い、油分があると身だけとけてしまう。


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棒煮 焙烙焼き 干し鮑 乾飯
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