アジのさばき方(2)
【水洗い】とは、ウロコ、内蔵、エラを除去し、血合いや粘膜等の汚れを洗い流すという意味です。アジだけではなく、殆どすべての魚に共通する下処理です。
普通はこれに「頭を落とす」が含まれるのですが、アジの場合は頭付きで塩焼きや煮つけにする事も多く、そういう料理なら頭を付けたままにして水洗いします。
アジの水洗い
料理によって処理の仕方が違いますが、エラとウロコの除去は全ての料理で共通しています。
ウロコの処理
アジは見たところウロコが無いように見えますが、細かなウロコがありますので、ウロコ引きや出刃包丁で引いて落とします。
エラを取る
腹を上にしてエラブタを包丁でこの様に押える
するとエラ蓋が開きます。
エラの曲線に沿って包丁を入れて
口の下にあるエラの付け根を切る
次に首側のエラの付け根を切る
これでエラが取れます
ワタを出して水洗いする
ここから料理目的によってやり方が違ってきます
三枚におろして使う
刺身系や骨などを避けて食べたい料理はすべて三枚おろしにします。その場合は腹を真っすぐに切り開いて内臓を出します。
切り開らいて
内臓を出し
きれいに水洗い
粘膜、血合いを残さないようにします。
姿のまま料理する場合
姿焼き、姿煮、姿揚げ等の料理は、腹を切らないで内臓を出すか、切る場合でも、直線に切らない方がいいです。
加熱による調理で切り口から形が崩れるのを防ぎ、料理が出来上がって盛り付けたときに、見た目が良くなるからですね。
ハラを切らずにワタを出すには「つぼ抜き」という方法などもありますが、
つぼ抜きのやり方
上で説明した、エラを切り取るときに、そのままエラブタの横から指を差し込み、人差し指を使ってワタを掻き出すようにすれば簡単にワタを出せます。水道水をあてて洗いながらやるといいでしょう。そのまま血合い等も洗い流してください。
うまく出来ない。きれいに中を洗えない。そういう場合は「隠し包丁」といって反対側を斜めに切り、そこから内臓を出して洗う方法もあります。次のページで紹介します。
次のページ→ アジを三枚おろしにせず、姿のまま調理する、または筒切りにして煮揚げする場合のさばき方です・・・
アジ切庖丁
食用魚としては比較的小さめのアジをさばく為に特化した小型の出刃包丁です。
こういう専用の包丁があるというのは、それだけアジという魚が日本で広く使われていた証拠と言えるかも知れませんね。
アジだけなく、イワシなど小型の魚すべてを捌くのに適した包丁ですが、もちろん他の包丁でもアジは捌けますのでご心配なく。アジ切包丁でなくても、できれば出刃が良いとは思いますが。