和食用語「掻敷」

  

掻敷(かいしき)

料理の下に敷く、木の葉、紙、笹の葉等。

花鳥風月などを表現した細工野菜なども含む。

「改敷」「皆敷」の字を当てることもある。

植物の葉を使えば「葉掻敷」

葉以外の部分も併用する場合は「青掻敷」

紙を敷けば「紙掻敷」

元々は木の葉を食器として使用した原始に起源があろうが、それは人類史の問題であり、日本料理の美意識とは関係のないことである。器が出現した時点で「葉の食器」などは消えてしまったと考えるのが自然であり、後世に残る理由がない。

室町以降に料理の形式が定まるに従い、日本料理は茶道からの影響が濃くなり、それまでの仏教料理から脱皮して「美」を追求するようになった。「四季の風景を表現する」は、そうして生まれたのである。

結局のところ最も美しいのは自分たちが住んでいる国の自然風景だと早々に気づいていたと思われる。早い時代から「その季節に合った草木を使用すること」と定めているからである。現在でも掻敷は季節を反映するものを使用するのが原則である。


掻敷 掻式 懐石 会席料理
皆具 海藤花 開炉 貝塚煮
貝取り 掻き身 柿卵 覚弥
隠し 霞汁 割烹 香子
紙塩 紙鍋 唐草 空蒸し
唐芋転がし 辛子揚げ 皮鱠 皮霜
皮作り 川千鳥 替り鉢 丸(がん)
岩石 観音開き 甘露煮 かっこ
皮てんぷら 寒干し大根 柿酢 堅豆腐