和食レシピについて
最近「料理レシピ」について再考することが多いです。
白状しますとおいらレシピ本作りに関係した後ろ暗い過去(笑)がございます。
あまりに年寄りですんで、耄碌してろくに思い出せませんが、自分が若い時、どういう気持で料理書を読んでいたのだろう。そんなことを考えます。
レシピ本に対する感想は、
「読んだモンをそんまま作れるわけねぇだろうが」
まあこれが本音だったんですね。正直。
何故かというと、その料理ができた「本当の背景」など書き切れるわけねぇし、バックグランドなしでいきなり出来上がるモンなどこの世には無い。
本に載せる料理は長年修行してきた〈エキス〉に等しい。
そのエキスはお客が食べる為に存在してる。
見てすぐに同じ物が作れるならそれは〈エキス〉ではない。
矛盾してるじゃねえか。
そう思うからです。
例えばね、ちょっと話は違うが焼き魚。
和食の書ではお約束みてぇに「強火の遠火」って書きますが、実際にそれをやれる設備を持った日本の家庭がどんだけあんだ?
それを思ってしまうんです。
強ちおいらの性格がヒネクレだからって事でもないでしょう。
ガスレンジ備え付けの焼き用グリルか変なハサミみてぇな(笑)魚焼き網くらいのもんですよ。どうやって強火の遠火にすりゃいいんだか。
仕方ねぇんで、レンガや空き缶を脇において遠火にって。
あのね。
いねぇっての、そんな事する一般人は(笑)
そもそも無理なんですよ。
今の家庭事情じゃ。
炭で下から炙り、脂をジュウジュウさせ、煙をバンバン出して絡ませる。
これが昔の焼き魚で、このやり方が一番美味かった。
これなら強火の遠火になってる。
言われなくってもね。
だが今の家でそんな事できんでしょう。
山奥に住んでるなら別だが。
そういう声が胸の奥から響いてくる。
なので焼き魚の項目の最後に、「そのうち〈ウマ〉でも購入して、美味しい焼き魚を作ってみましょうね」
なんて感じのベンチャラを書いたり。
(※【ウマ=鉄灸】焼き台にセットする金属の枠で焼串を乗せられる)
いったい誰がそんな邪魔クセェモンを買うってんですよ。
それともう一つ。
特に和食は、書く先生によって味付けの割合が思い切り違う。オリジナルの単品なら当然ですが、基本的な料理まで全然違ってたりします。
これをどう考えるかが難しい。
大昔は親方ごとに味付けはマチマチ。
それが当然であり、今でもそうです。
しかし入門書もこれでいいのか?
初めてその料理を作る初心者は、出汁の配合など基礎的な和食の調理について「思いこんでしまう」のではないか。
他のやり方もあるってのを受け付けなくなるかも知れない。
では統一基準があった方がいいのだろうか。
それもまた疑問ですな。
画一化はもうウンザリ。
難しいもんですなぁ。
鰈の煮付けは食べる人のことを考えて縁側のヘリまでおろしておく。
干した塩を薄く打ち30分盆ザル。
その後浅霜をしてそっと洗い、浅鍋に酒を沸かす。
濡らした経木か竹皮を入れる。
その上に鰈をおく。
味醂と醤油であたりをつけていく。
醤油は三回に分けて入れる。
盛り付けるまでその場を動かない。
こんな風なレシピを書いても意味は無いなぁ。
そう思ったりします。
それぞれの行為には「意味」がありますが、それは経験でしか分かりようがない。
細かい配慮が出来上がりを左右する。
だが、それをしなくても料理は出来ます。
調味液を沸かしてさばいた鰈を入れて落し蓋をし、強火で煮ます。
こう書いた方が親切な様に思えるんです。
「でもまぁ、無いよりマシかな」
最近はそう感じる事が増えました。
何を何cc、これは何グラムってヤツは、いまだに無い方がよいと思いますけどね。
お疲れ様です。
【レシピ】ね…
携帯からでも無数な程の
レシピサイトを見ることができる今日このごろ。
最近まで『爺記事』に対してゎ剥きになって思いをぶつけてきたが 今日の記事や 包丁投稿記事を見ると
何故か『フゥー-』っと肩の力抜いてコメしたくなる。
爺blogに於いて
このような記事ゎ初めてのスタイルなんぢゃね?
モウロクゎ本当だ(笑)
この記事
最高に完成度の高いレシピになってますが…(笑)
俺ゎ今だにレシピ関係の情報にゎ敏感でいるつもりなんだが どいつもこいつも こぞって『何ccで何㌘』の域を脱してネェ。
知りたいのゎ材料の『扱い方』なのにね!
『経験』ゎ失敗作をどんだけこさえたか←以外に説明のしようがネェしな(笑)
味付けに手本なんてモンある訳ネェダロ!だいたい『酒』や『タバコ』に絶対が無い以上に料理に『基本味付け』があるなら 世界中の方々が 料理屋してるッツーの(笑)
【嗜好】を楽しんで貰うのが我々の仕事なんですから
『料理の先生』
そんな輩から 何を学ぼうっての?
超高級食材に完璧な厨房を備えてるなら 料理なんてしないほうがイイ!まんま食卓に出したれ!下手にイジルより美味いから(笑)
『料理ゎ愛情』
これ 当たり前極まりネェ
っかし これに尽きるね!
ッツー訳で明日ゎ2日分の仕込みがありますんで失敬
m(__)m
Posted by 鯔次郎 at 2010年11月13日 02:22
こんちは鯔さん。
この記事はどうやら厄介なお題目だったようだね。
この種のモンにゃ答が無い。
だから問いかけること自体が無意味なのかも知れません。
「単純に美味いものを食いたい」
「食はたんに肉体の栄養補給にすぎない」
この二つのうちから正解を選べというのは無理。
正反対だがどちらも正しい。
人として生きてる以上、このいずれかに偏る事はできない。
これと同じようなことだろうね。
Posted by 魚山人 at 2010年11月13日 08:35
こんにちは~
昔々、初めての料理本は土井勝さんのものでした、中学二年の私にはレシピどおりにしか作ることが出来ず、
何の疑問も持ちませんでした。
甘すぎたり、辛かったり。
それは、私の料理ではなかったんですよね。
今ではレシピ本を読んだとしても、家の味にするには砂糖を減らしてとか、何かをプラスすればとか、頭で味の加減をできるようになるまでは難しかったですね、
それから、自分の舌を信用すること、これも難しかったですね。
自分の舌を信用できるようになってからは、大さじ何杯とかに惑わされることはなくなりました。
レシピ本は初心者にとっては、お料理の取っ掛かりとしてはありがたいものだと思います^^
中学2年の私でも、晩御飯のお膳を用意できましたから(笑)
Posted by ほっこり at 2010年11月13日 15:51
こんばんは、ほっこりさん。
なにやら良さそうな御本を紹介なさっておりますな~(^^)
おいらも、『病院は病人製造工場に堕している』ってのが持論です。
ある意味で医者が病人を「作っている」のではないか?
それとも人々の「依存心」が病を育んでいるのか?
スンマセン、関係ない話でした(~_~;)
土井勝先生の研究熱心さにはほとほと頭が下がります。
執念みたいな迫力がありましたねぇ、おのお方は。
人により色々と感じ方はあるでしょうが、その功績は多大なものがあると認めざるをえません。
レシピ本に関しては仰る通りです。
『入り口』になれば、それでいいんじゃないでしょうか。
Posted by 魚山人 at 2010年11月14日 00:28
お正月のお重物 プロのご指導でとても有り難く、年末の息子の帰省日までにちゃんと”チョンガーパパの味”でこしらえて息子を待とうと思います、でも冬とは言えラップだけでお重は帰省の1週間はもつでしょうか?勿論自家製梅干しはお重の隅々6ケ所に散らばらせますけどね~。
いつものように常連の方々が戻ってくれてオールドファンもなによりです。
ヒトもイヌも”共感”が欲しい生物ですからね、ジャンル毎にもそうだし「言語」で伝え合う”啓蒙”のなんとヒトの倖せなことよ!
私事ですがうちのプードルが17歳とお婆ちゃまで眼はとっくに白内障、耳はつ〇ぼだし買主の私が彼女に”触覚”というか触れてやってすぐ反応するっきゃなく寂しいもんですね。
我が四国でもシャコの地物が横丁スーパーでも出ていますが(お安いけれど)何だかいざ拙宅のおダイドコでさばくことは至難の技でどうしても身と殻とけじめられず、毎回挫折してしまう、勿論マヨネーズにも和えられず困ってしまう。地物シャコのあの裏面の青い”子持ち部位”がタラコや「鯔の母胎”カラスミ”以上に美味だろうけだれど、うでたあと頭と尾っぽを慎重に外すのだけれどついケチって慎重になり過ぎて、身はグチャグチャなポロポロでマヨネーズにも和えれず結局床で見上げてくれる彼女に与えてしまう。ほんとシャコなんて魔物はBODYの3/1
を覚悟でうちでは裁かないといけないのですね、”シャコはケチっちゃ駄目だ”と考えながらもついうで立てのジューシー物を男所帯の口に吸い込んだりして・・(独居爺さんのペーソスかな)。
Posted by オールドファン at 2010年11月14日 08:35
こんにちは。
「手作り」のおせちは最長の黒豆でも5~6日、あとは出汁で煮たものが殆どですので、仕上げた後3~4日以内に食べてしまうのがよいです。
(セットの市販品は腐らぬように色々やっておるのでしょう。もしくは冷凍)
(黒豆などは日持ちしますが、それは〈保存容器に密閉した状態〉での話)
作った翌日以降に食べるものは「火入れ」を忘れずに。
冬とはいえ家内は暖かいものです。正月早々腹を壊しては縁起が悪い。
シャコは「熱々でやけどしそう」か、「完全に冷めている」状態が剥きやすいです。中途半端な温度の時は殻が身に縮斂してるので剥き難い。
Posted by 魚山人 at 2010年11月14日 09:26
>鰈の煮付け
>縁側のヘリまでおろしておく。
はぁ・・・(-_-;)
>干した塩を薄く打ち30分盆ザル。
>浅霜をしてそっと洗い、浅鍋に酒を沸かす。
・・・(-_-;)
そこ迄気を使われるんですねぇ。
どうも、長年母親が作る煮付けは、ちょっとした臭みが気になっていて、余り好みではありませんでした。
牛蒡、生姜。入ってたしなぁ・・・。
凄い、としか言いようがありません。
Posted by 横浜のA at 2010年11月15日 01:24
こんにちは。
コメを頂戴して気がついた事があります。ありがとうございます。
>縁側のヘリまでおろしておく では、切り身の煮付けと思われる方がいるかも知れないってことです。
紹介してるのはもちろん頭付きの姿煮です。
Posted by 魚山人 at 2010年11月15日 08:01