仕事上の失敗
おいらは生来せっかちな性格です。
もっともおいらが育った界隈で、落ち着きのある人間を見た記憶がありませんが(笑
若い頃のビートたけしを憶えてる方もおられると思いますが、みんなああいう感じですな。なんで山の手の坊ちゃん達とこうも違ってくるのか、考えてみれば不思議な話です。
ところで、落ち着きのなさってのはミスを呼び込みます。
おいらの場合板前ですから、典型的なミスが包丁で手を切る事。
このミスは比較的初期にやらかします。
次にサジ加減、つまり味付けのミス。
そして段取りのミス、采配です。
仕事の中身ってのは地味なのが本来の姿です。
という事は、せっかち者ではいけないってことですね。
仕事で一人前になるっていうのはね、
自分の性質も変えて行くって事でもあるんですよ。
修行を積むってのは、その意味もあるんです。
あわて者、せっかち者は見ていて可愛らしい部分もあり、日本では割りと美徳として受け止められる傾向があります。
ところがこれは大きな間違いですね。
ミスが寛容に許される、頻繁に大目にみられる仕事なんてものは、現実の世界にはありませんので、ここらへんは日本人特有の曖昧さというか、本音と建前の使い分けとかの部分なんでしょう。
困るのはこの傾向がマスコミ等を通して、子供達に「勘違い」をさせてしまう事です。
人間ですから、ミスはおかします。
でも同じミスを頻繁に繰り返すのは、「ミス」ではありません。
人は強く意識すれば、同じ失敗はしません。
集中して反復すればヘマをしなくなります。
だから繰り返すミスは、それをしていないと受け止められ、プロとしての評価が得られません。
「こんな事できない」では通らないという事です。
と、まあ厳しいことを書きましたが、とても出来そうにない難しい事ってのはいっぱいあるもんです。
そんな時どうするか、
自分には向いていないとあきらめるか、
石に噛り付いてもモノにするか、
この二通りしかありません。
話が「ミス」から少しズレましたので、元に戻します。
ちょっとした失敗ってのは日常的にやらかしてしまうもんです。おいらもしょっちゅうでした。起きてしまったヘマはどうしょうもありません。肝心なのは、その対処の仕方になってきます。
「あ、やっちゃったよ」
その瞬間、
『心を一歩後ろに引き』ます。
変な例えですが、幽体離脱して自分自身を眺めてる感じになります。
これで、「慌て、騒いで、パニックになる」という最低の対応をしなくなります。
落ち着いて冷静な対処が出来ますね。
これはその応用になりますが、例えば長年外食業で働いてますと、「対応の限界を超えた忙しさ」ってのに、時々ぶつかります。
「あーもう何だこれは、無理だよ」ってな感じで慌てふためいてはいけません。
そして行列を待たして、何かを一生懸命作ってる食べ物屋の兄さん、
客はイライラして待ってますが、これも慌ててはいけません。
「早くしなきゃ」と急ぐと、【逆に遅くなる】んです。
心を一歩引いてノンビリ冷静にして、
身体の動きだけを迅速にします。
手元素早くってやつです。
このやりかたを呑込めば、必ず「良い仕事」が出来る様になりますよ。