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仕事の段取り

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仕事の段取り/今やるべき事は何かの把握

仕事の段取りが上手ってのは、優先順位を即座に判断するのがうまいと言い換えてもよいと思います。
どの作業に着手し、どの作業を後回しにするかを的確に見極めて、全体の流れが弛まぬようにするのは英断が必要です。


この種のことは「経験」だけでは駄目だっていうのが分かっています。
(もちろん不可欠の要素ではありますけども)


自分の経験からですが、この能力が欠けている人は安心して仕事を任せられる段階まで達しませんね。ですから「管理能力の一部」でもあるとも言えるでしょう。

商売というのはどんなに細かくマニュアルを作っても、蓋を開けてみないと何が起きるか分かりません。人の世と同じ理で、一寸先は予断できないですからね。


であればこそ仕事場には管理監督者が存在し、不測の事態に対応できるようにしている訳です。「あなただったら何が起きても対応して収められる」そういう信頼を得ているから管理業務を預けられているんです。

さて、自分自身はこの能力があるかなしや。
判断出来る方法があります。


二日分の食事メニュー(二日というのは男性サラリーマンも可能な想定)を自分で組み立てて、大型スーパーへ買出しに出かけます。メモをしてはいけません。


入店して全ての品を揃え退店するまでの時間を計って下さい。二日分の材料が全部揃ってなければいけません。

もし1時間以上経過したとすれば不合格です。
(何かを保証するものではございません)


この行動によって自分の色々な面に気づくでしょう。

例えば買おうと思っている物の場所をどうやって発見したか、
最短コースを辿ったか、それとも曲折したか。


最初に買った品は何か、
その順番には合理性があったか。


欲しい品物が売り切れ、又は欠品だった、
その時どのくらい迷い、どうするかを決断するまでどれくらいかかったか。


その決断は適切だったか、不適切だったか等々。

分かりますかね?

結局【自己管理】の問題なんですよ。
自分自身を管理できうる人なら、仕事現場も管理する能力があるってことです。

昔結構忙しい店で現場を仕切っていた経験があります。
週末などの繁忙日には開店前の準備が明暗を分ける結果になりますよね、特に料理は仕込みが肝心。

当然店を開ける前はバタバタしまして、セッティングに追われます。

例えば11時開店だとしましょう、ランチタイムのお客が殺到するのは自明ですね。そんな時に「マグロ」をさばき始める年配の職人がいました。


たしかに週末には大量のマグロを使う事になります。
しかし今この時間にですな、数十キロのマグロを出してどうしようってんですか。


10分で終わるんならともかく、さばき終わるまで一時間半はかかります。


客が殺到して注文に追われ、マグロどころじゃなくなり放り出す事になるのは分かりきってますわな。

全員体制でオーダーを消化しなけりゃいけないし、その職人だって「全員」の一人です。

お昼に使う分が間に合っていればそれでいい。
あとは昼のピークを終えてから仕込めばいいんです。

もちろんおいらは黙ってるわけもなく、
「そいつは後、そんな暇があればランチの器でも並べてよ」

今やるべきこと、それが分からない典型ですが、結構多いんですよ、こんな職人。

仕事の出来るヤツ

師走に入いりますねぇ

確かに12月ってのは忙しいんですがね、
おいら的には忙しさのピークは終わっちゃった。
もう落ち着きました。

どんな職業でもそうに違げぇねえと思うんですけども、
やってる事の大半は「下準備」じゃないすかね。

本番は、たった一瞬。
その一瞬の為に、長い長い準備作業を延々と試行錯誤しながら続けて行く。

それが仕事ってもんじゃないかな。

要は『段取り』ですな。

おいら達の仕事は、師走になると「仕込み」が倍増します。
その「仕込み」の「段取り」を11月中にきっちりしとかねえと、来月の仕事の流れが悪くなります。

段取りってのは、「早目の速目」がコツなんです。
大袈裟に言えばビジネスチャンスを逃がさない為ですね。

ですから今の世の中、おいら達の業界でも、職人としての腕よりもむしろいかに段取り良く仕事を回すかが評価される時代になりました。


腕が良くても、それが無いと調理長や店長にはなれません。

若い者にもそれを教えるんですがね、こいつばかりは「天性」じゃないかって事。それを強く感じます。

なんでかっていうと、出来る奴ってのは教えなくても最初っから出来るんですわ。

こいつは何なんでしょうかねぇ。
色々考えてしまいますよ。

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